土偶と呼ばれた女は異世界でオッサンを愛でる。R18

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ

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マーブルマーブル感謝祭【12】

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 綱引きでは白チームが勝利したものの、最後の借り物競争を残す段階となっても
まだ白チームは少し赤チームに負けていた。


 クロエは勝てなくてゴメンね、借り物競争で頑張るから!と土下座して謝っているジークライン王子に、

「かつひもあればまけるひもあるのです。でもジークさまはかっこうよかったです」

 と頭を撫で撫でしていた。
 クロエ、一応隣国の王子だからなソレ。

 ジークライン王子も嬉しそうにすんな。
 4歳だからなウチの娘。


 そんな事はともかくとして、マークス兄様やブライアン、ダークやヒューイさんまで参加しているのだから、ここはやはり私としては白チームに勝って欲しいものである。

 借り物競争は参加人数が多いので、15人ずつのレースだ。
 ダーク、マークス兄様、ジークライン王子が参加する。

 1レースの人数が多すぎて不公平だとの物言いがつき、5位まではパウンドケーキが授与される事になった。いや、そこまでして要らんだろうが。

 借り物競争は、コース中央のテーブル上にある折り畳まれた紙を1つ取り、お題に沿ったモノを持ってゴールすれば勝ち、というシンプルなゲームである。

 そして、競技者から貸してくれと言われたものは敵方のチームであっても断れないルールである。

 私は、ダークがどんなお題を引いてもなるべくクリアしやすいように、使いもしないメガネだのネックレスだのハサミやペンだのと言った小物類をごっそり箱に詰めて持ってきた。

「ダーク、小物なら色々と持ってきたから全面協力するわよ!」

「おう。とりあえずお題の紙を取ったらすぐリーシャのとこに来るから」

「………あんまり来たくはないけど何かあれば俺も頼む」

 少し小声で兄様が囁いた。


 それはそうだろう。

 ウチの子供たちへのオヤツにと持ってきたチュロス風ドーナツを一緒にシャクシャク食べながら、国王陛下や王妃様、ライリー殿下やナスターシャ妃殿下、ついでにレイモンド王子までもがのほほんと茶をしばいて座っている所へなど、誰が望んで来たいものか。


 だからお前らも親戚づらして居座るんじゃねえよ、おぉぉ~ぅ?
 もうエキシビションでレイモンド王子踊り終わったんだから帰れよもう。

「輪っかのより真っ直ぐの方が食べやすいのぅ。ココアの味がまた何とも。しかし喉が渇くな、紅茶のお代わり貰えるかね?」

 じゃねえぞ国王。ここは喫茶店でもなきゃ王宮の自宅でもないんだからな。


 ………だからブレナン、てめえもだ。

「さささ、うちのかーさまのおかしはこれまたほんとうにおススメなのです。もうほっぺたがぽろぽろおちるんですよええ」

「きしだんのおにいさんたちもおつかれですよね。つかれたときにはあまいもの。
 ままま、えんりょなさらず」

 とか商人みたいに配ってんじゃねぇ。
 まるでウチが王族一派を歓待してるみたいじゃねえか、おおぅ?


 そんな荒ぶる心のチンピラには蓋をして、深呼吸すると、

「………でも白チームの勝利の為にはダークだけじゃなく、兄様たちにも頑張って欲しいわ!私もその助けになれたら嬉しいの」

(超意訳:王族を避けて勝負に負けるとか許さんし。ダークのように緊張のスイッチ爆破しとけし。妹の苦労も気づかえし。)

「そうだな!可愛い妹の為にも頑張ってみようか。まあ他の選手が結構走るの速そうでなかなか大変そうだが。ダークがいるのは心強いよな」

(超意訳:無理言うなし。王族揃い踏みのところに走って来いってか?休日に職場のトップと会いたい人間なんかいねえし。ダンナにフォローしてもらえし。)

「僕も友達と精一杯応援するからねリーシャ姉さん!」

(超意訳:ここにいると心臓に悪いから友達のとこで応援するね。姉さん結構メンタル打たれ強いから大丈夫大丈夫)


 2人とも爽やかに消えていった。
 兄弟愛はどこに行った。

「じゃ、俺も頑張ってくる」

 ダークが私の頬に軽くキスをすると、クロエといちゃついているジークライン王子を引きずるようにしてスタート地点へ歩いて行った。


 ああ、相変わらず歩く姿勢も真っ直ぐで格好いいなぁウチの旦那様。


 惚れ惚れしながら見送ると、レースのスタートを副音声解説トリオで固まるように、座して待つのだった。



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