こっち見てよ旦那様

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第1章 1

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三ツ橋家に嫁いできて早2週間が経とうとしている。
それなのに旦那となった潤也さんとはスキンシップどころかまともに会話が出来ていない。
寝室は同じだがそれ以外は避けられてばかりだし、やはり嫌われているのだろうか。

3日後はお披露目パーティとかに出なくてはならない。
披露宴とかそういった公の場ではとてもにこやかに周りと接しているのに2人きりになるとまるで他人だ。

温かい午後の日差しが満遍なく注ぐ作業部屋でため息を着く。
一人暮らしと聞いたからタワマンとかに住むのかと思っていたら戸建を購入したらしい。秘書経由で希望はあるかと聞かれたから日のよく当たる作業部屋が欲しいと言ったら、サンルームのような部屋が用意されていた。

日がよく当たり、作業台や棚、暖炉までなかなか凝った作りだ。自分の趣味にあっていて嬉しかった、が誰がしてくれたのだろう。
デザイナーの仕事をしながらこの広い家に一人、潤也さんが帰ってきても話すことはない。
政略結婚ではあるがお見合い以来、少し潤也さんには心を寄せているのだ。それもあってこの状況はなかなか辛い。

…寂しいな。

ぽつりと呟いてみても誰もいない。
次の発情期は一人で過ごすことになるのだろう。あの人はきっと自分とは番になりたがらない。


「…必要なものはなんでも用意してやる…。だが無闇に家から出るな…面倒なことになる」

初夜に背中を向けて言われた言葉だ。
試しにミシンが欲しいと言ってみたら次の日には高価なミシンが用意されていた。
それ以来何かを強請ったことはない。
時々、潤也さんは自分が寝た後に帰ってくる。
朝起きるといなくなっていて、家政婦さんが潤也さんからの小包を持ってくることもある。
直接渡してくれないのだ。
中身は高価なアクセサリーや靴、化粧品なんかもある。相手が出来ないから物で…ということなのか。

悲しくなってくる。
僕は潤也さんと夫婦になりたいのに。

「透様、大奥様です」

ペンを置いてノックと共に聞こえた家政婦さんの声に「すぐ行きます」と答える。
滲んだ涙を拭ってリビングへと向かった。

2階部分から床までガラス窓のリビングルームに向かうと既にお義母さんこと三ツ橋グループ社長夫人がソファに腰掛けていた。



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