こっち見てよ旦那様

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... 潤也目線

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廣瀬とつい話し込んでいると透達の笑い声が聞こえる。

「楽しそうだな」

「そうですね、仲良くなれたんでしょう」

嬉しそうに目を細め、カウンターから見える彼らを見る廣瀬。
普段の冷たい所行からは想像が出来ない。

「…お前は透には嫉妬しないんだな」

「しませんよ。確かに仲良くしてますけど、あんなに楽しそうに話す楓斗は久しぶりです。あ、勿論俺と以外で。
…それに、透さんにはあなたがいるてしょう」

「それもそうだな」

以外で楽しそうに話す透は久しぶりだと思う。
彼に友達が出来たのならそれに喜ばしいことはない。
そろそろ手伝いに行くかと廣瀬と立ち上がり、カウンターに出された食器を並べるついでに透に話しかける。
嬉しそうだ。その笑顔が可愛らしくて撫でてしまう。人前…ではあるし、と思ったがその心配は不要だった。
後ろで楓斗さんに抱きつく廣瀬がいたから。まったく、その甘えるような廣瀬の口調と声色には少しまいってしまう。

まあ、こちらもすればいい話だ。と少しの悪戯心で透に軽いキスをした。





「いただきます」

この人数で食卓を囲むのはいつぶりだろうか。実家にいた時も、幼少期は両親が忙しかったりで1人が多かったし大きくなってもなかなか3人で揃うことが少なかった。
透が家に来て、大切な人と食事をするのは楽しいことだと思った。
だがやはり、こうして複数と食事をするのも悪くない。引き続き楽しそうに楓斗さんと話す透を見てそう思う。
数年経てば子供がいて、こうして何人かでテーブルを囲うこともあるのだろうか。勿論、無理ならそれはそれで彼と2人きりで過ごすことが出来る。
どちらの未来にせよ、彼が愛しいということには変わりない。
客人が来てるのにどうしようもなく透を抱きしめてキスしたくなってしまう。さすがに怒るだろうか。
あの廣瀬でさえ食事中は控えるのだから。
堪えろ、三ツ橋 潤也…


「今日はお邪魔しました」

「ありがとうございました。…透、ご飯美味しかったー!また今度は二人で遊ぼうな」

「うん、話してたカフェ連れてってね」

廣瀬夫婦を見送る。
随分良くなったらしい。気が合うのなら良かった。…2人でカフェか。
別に嫉妬している訳では無い。少し羨ましいのは確かだが…。
2人は容姿的にも目立つのではないか。特に楓斗さんはモデルだ。大丈夫なのだろうか。
それに透はまだ番っていない。万が一のことがあれば…。
彼がしたいことはさせてやりたいが、心配しすぎだろうか。
2人も立派な大人だ。自立もしている。きっと問題ないだろう。
勿論、廣瀬には明日報告するが。

彼らの車を見送り、玄関へ入るなり透に抱きつく。

「…?!…びっくりした。どうしたんですか」

「彼らが帰るまで我慢してた…。」

透の匂いと体温…。落ち着く、とも言えるが興奮するのも確かだ。

「…風呂入ろう」

「はい、用意してきますね」

微笑んだ彼に頭を撫でられ「待てますか」と聞かれる。頷くと楽しげに褒められバスルームへと彼は向かった。
正直、自分でもどちらが年上かわからなくなる時もある。彼に甘えるのは好きだし、彼が甘えてくるのも好きだ。
最も、彼が甘えてくるのはなかなかないが何気ない時に甘えてくるのはとても可愛い。


数分後、いい香りの湯船に2人で浸かる。
目の前には彼の項。
今はどちらも発情していないが何となく弄りたい衝動にかられて舐めてみる。

「っ…ちょ」

透の肩が跳ね、思わず笑ってしまう。
むくれてこちらを見る彼の頬を軽くつねってキスを落とすと笑ってくれる。

「楓斗君と僕のブランドでコラボ商品が作れたらいいなって思ってて…今日話したんです。」

「いいんじゃないか。…廣瀬から聞いた。楓斗さん、お前のブランド気に入ってるらしいな」

「そうなんです。仲良くなれましたしとっても楽しかったです。…楓斗君色んなこと知ってて、また2人で遊ぼうって」

楽しそうな彼の話を聞く。彼の話は好きだ。普段は落ち着いていて大人しいのに好きなことを話す彼は子供みたいでいい。

「…それに、楓斗君も子供のこと考えてて…お互い親も疎遠だし助け合えたらって話してたんです」

「そうか…いい友達が出来たな。…でもたまには俺も頼ってくれよ」

「勿論ですよ」

向かいに座っている彼が太ももの上に乗って抱きついてくる。珍しい、今日は甘えたいのだろうか。
それにしても、こう座られるとどうしても彼の尻の位置がかなり気になる。

湯は入浴剤で濁っているから見えない分感覚が敏感になる。
柔らかい…。

「潤也さんは明日朝早いんですか」

「いや、少しゆっくりだな」

「そうですか」と呟いた彼が胸にもたれかかって腕をまわしてくる。
これは誘っているのか、そうとしか考えられない。いや、そうであって欲しい。

「…透は?明日の予定」

「いつも通りですよ。…潤也さんのお見送りが出来たらいいです」

可愛い。
まだ自分の胸に顔を埋めている彼の脇に手を入れると赤ん坊のように抱き上げる。

「…誘ってると受け止めるからな」

そう伺いを立てると彼がキスを返してくる。なぜこんなに大胆なんだ。
普段とのギャップが凄すぎてそそられるというか、魅力的だ。

大きなバスタオル2枚を無造作に掴み、そのまま彼を抱いたまま寝室へと向かった
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