こっち見てよ旦那様

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「いらっしゃいませ、三ッ橋様。お待ちしておりました、ご案内致します」

手配して貰った旅館につくと女将さんが出迎えてくれる。
綺麗なロビーの絨毯はスリッパ越しでも柔らかくてずっと歩いていたいくらいだ。

案内されたのは綺麗な景色を眺められる広い和室。

「お部屋には露天風呂も付いております。ゆるりとお寛ぎくださいませ」

部屋や施設の説明をして女将さんが去っていく。

「さて…少し休憩したら着替えて行くか」

「そうですね。皺にならないように出しておきます」

衣装ケースから今日着る衣装を取り出し衣紋掛けにかけておく。
シワになっていなくてよかった。

「お茶飲むか?」

「飲みます」

彼がいれてくれたお茶と備え付けのお茶菓子を2人でのんびり食べているとあっという間に時間になってしまう。
着替えて彼の髪をセットするとなかなかにいい感じになった。

オールバック、かっこいい。

「素敵です。とってもかっこいい」

「 …褒め過ぎだ…」

「そんなことないですよ。…じゃあ僕も準備しちゃいますね」

持ってきたストレートアイロンで毛先を遊ばせてみる。久しぶりにアレンジしてみたが上手くいって安心した。

少しだけ色味を加えよう。
化粧品も持ってきて良かった。最近気に入っている楓斗君オススメのリップを軽く唇に乗せ、アイメイクを軽く施す。
控えめだが気分を変えてラメを入れてみた。

「お待たせしました」

最後に指輪をはめ直したら完成だ。
彼とお揃いの結婚指輪。

「…お前も綺麗だ。…いや、可愛いの方が合ってるか」

頬を擽られ、軽くキスをする潤也さんのおでこを髪が崩れないように軽く叩くと「ほら、行きますよ」と照れ隠しに手を引く。

携帯を見ると廣瀬さんのメッセージが。
もう迎えに来ているらしい。

「そういえば、僕は式の時は何していればいいですか」

「へ変え室が用意されているはずだから、そこで待っていてくれ。そんなに長くはならないと思う。」

「わかりました」

車をまわしてくれた廣瀬さんも今日はバッチリ決めている。
服やアクセサリー、髪型。全て楓斗君プロデュースだろうか。
心做しか廣瀬さんが幸せそうだ。

「ほら、早く乗ってください。一応主賓に近いんですから」

「…今日は楓斗さんは?」

「今日は海來を連れて楓斗の実家に帰ってます。…会場からそう遠くないので今日はそのまま帰ります。明日はタクシーで帰ってきてくださいね」

「あ、ああ。分かった」

廣瀬さんの面白いところ。
とてもテキパキ喋っているのに楓斗君や海來くんの名前のところだけ甘々になってそこの部分だけ♡が着いている。
それを無意識にやっているのだから相当だ。

楓斗君と相性がいい理由が分かる、と改めて思い、隣に座る彼の手を握った。

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