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センパイ、クリぼっちなんすか?
5話 ケーキを食べよう
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「めりくり~」そう言いながら琴音はティーカップをこつん、とこぼれない程度に優しくぶつけた。
「うん、めりくり」僕も返し、ミルクティーを一口啜る。
「……! これ美味しい!」
「マジすか? どれどれ……」そう言って琴音は自分のミルクティーを飲む。
「お、今日はうまく淹れられましたね~さすが私」とちょっとドヤる。
「うん市販のものより遥かに美味しい。しかも全然甘ったるくない」と僕はさらに褒める。
「そりゃケーキ用に調整したすからね、ふふん」八重歯をキラリとのぞかせ、更にドヤる。ふんぞり返っているせいで部屋着、いやネコ着の上からでも胸が強調され、膨らみがはっきりとみてとれる。男である僕の視線はついそちらを見てしまう。ぽにょん、と少し揺れる。
「ん? 服になんかついてます?」彼女は視線に気づき、自身でも胸を見下ろす。
「い、いや……そ、そうだ! ケーキ食べようよ。楽しみにしてたでしょ」僕はとっさにごまかす。
「はっ! そっスね、ケーキ食べなきゃ!」と笑顔になりケーキの箱を開け始める。
「やっぱりでかいっスね!」覗いた琴音は僕にも中身を見せてくる。
そのケーキは二段だった。店内写真でみたことはあったが、実物で見たことは初めてだった。
二段目の中央には「Merry Xmas」のプレートとリボン付きの柊の葉っぱをイメージしたオーナメントが飾ってあった。
「ろーそく立てていいっス?」スマホでぱしゃぱしゃしながら僕におうかがいを立ててくる。
「好きにしなよ。君のだし」
「ありがとッス!」何故かお礼を言って付属のろうそくを立て始めた。その目はキラキラと輝いている。
「……ふふっ」そのはしゃぐ様子が微笑ましくて少し笑ってしまう。子供みたいだ。
少しして、ひとしきり写真を取り終わって満足し、ケーキ用の包丁を取り出した。
「センパイ、どのぐらい食べます~?」
「最初はちょっとでいいよ。あとで小崎さ……」
「だからことねでいいッス」軽くほおを膨らましちょっと強めの口調で言う。
「ごめん。あとでことねさんが食べきれなくなったらのこり食べるでいいから」
「ふむ……じゃあのこのくらいっス?」細めに切り分けてくれる。
「うん、そのくらいでいいよ」
「りょっス。でもバランスがわる……あー!」皿に移し替える時に切り分けたケーキは横に倒れてしまう。
「すんません……」少し涙目になって謝ってくる。
「いいよいいよ。皿の上だし食べられるから」運良く倒れたケーキは皿の上に全部乗っていた。
「センパイ優しいっすね……」彼女はそう言いつつ包丁をおいてケーキごと自分の前に引き寄せる。
「え? そのまま食べるの!?」
「そうッスよ! 一度ホールごと食べるの夢だったんすよ~!」満面の笑みで言う。にっこー、という擬音が聞こえそうな程の笑顔だ。
「いだだきます!」彼女はフォークを勢い良く突き刺しケーキにかぶりつく。とても豪快だ。
もぐもぐ、と幸せそうな琴音を見ながら僕もケーキをゆっくり食べる。コンビニの売れ残りだけれど、なかなか美味しい。たしか有名なパティシェ監修とか書いてあった気がする。
「……ふう。一休みっす」と彼女はフォークをおいた。
ケーキは半分程平らげていた。
「よく食べるね……」
「甘いもんは別腹っすからね」
「別腹も何もご飯食べてなくない?」
「まー甘いもんはいくらでも食べれるってことッスよ。あ、テレビ見たいんでそっちいくっス」そう言って僕の横に座り直した。
「はー幸せっすねぇ……クリスマスにこたつでケーキ、しかもぼっちじゃない」
「そうだね」僕は頷く。
「センパイ本来ならぼっちだったスもんね。私に感謝してくださいよ、なんて」
「うん……そうだね、ありがとう」
「え、素直に言うんすね……」ちょっとびっくりした反応をする。
「まあ私もぼっちだったっすから、センパイが付き合ってくれて嬉しかったっす、ありがとうございます」と彼女は軽く頭を寄りかからせてくる。
そうして、テレビを見つめながら二人でぼんやりとした。
「うん、めりくり」僕も返し、ミルクティーを一口啜る。
「……! これ美味しい!」
「マジすか? どれどれ……」そう言って琴音は自分のミルクティーを飲む。
「お、今日はうまく淹れられましたね~さすが私」とちょっとドヤる。
「うん市販のものより遥かに美味しい。しかも全然甘ったるくない」と僕はさらに褒める。
「そりゃケーキ用に調整したすからね、ふふん」八重歯をキラリとのぞかせ、更にドヤる。ふんぞり返っているせいで部屋着、いやネコ着の上からでも胸が強調され、膨らみがはっきりとみてとれる。男である僕の視線はついそちらを見てしまう。ぽにょん、と少し揺れる。
「ん? 服になんかついてます?」彼女は視線に気づき、自身でも胸を見下ろす。
「い、いや……そ、そうだ! ケーキ食べようよ。楽しみにしてたでしょ」僕はとっさにごまかす。
「はっ! そっスね、ケーキ食べなきゃ!」と笑顔になりケーキの箱を開け始める。
「やっぱりでかいっスね!」覗いた琴音は僕にも中身を見せてくる。
そのケーキは二段だった。店内写真でみたことはあったが、実物で見たことは初めてだった。
二段目の中央には「Merry Xmas」のプレートとリボン付きの柊の葉っぱをイメージしたオーナメントが飾ってあった。
「ろーそく立てていいっス?」スマホでぱしゃぱしゃしながら僕におうかがいを立ててくる。
「好きにしなよ。君のだし」
「ありがとッス!」何故かお礼を言って付属のろうそくを立て始めた。その目はキラキラと輝いている。
「……ふふっ」そのはしゃぐ様子が微笑ましくて少し笑ってしまう。子供みたいだ。
少しして、ひとしきり写真を取り終わって満足し、ケーキ用の包丁を取り出した。
「センパイ、どのぐらい食べます~?」
「最初はちょっとでいいよ。あとで小崎さ……」
「だからことねでいいッス」軽くほおを膨らましちょっと強めの口調で言う。
「ごめん。あとでことねさんが食べきれなくなったらのこり食べるでいいから」
「ふむ……じゃあのこのくらいっス?」細めに切り分けてくれる。
「うん、そのくらいでいいよ」
「りょっス。でもバランスがわる……あー!」皿に移し替える時に切り分けたケーキは横に倒れてしまう。
「すんません……」少し涙目になって謝ってくる。
「いいよいいよ。皿の上だし食べられるから」運良く倒れたケーキは皿の上に全部乗っていた。
「センパイ優しいっすね……」彼女はそう言いつつ包丁をおいてケーキごと自分の前に引き寄せる。
「え? そのまま食べるの!?」
「そうッスよ! 一度ホールごと食べるの夢だったんすよ~!」満面の笑みで言う。にっこー、という擬音が聞こえそうな程の笑顔だ。
「いだだきます!」彼女はフォークを勢い良く突き刺しケーキにかぶりつく。とても豪快だ。
もぐもぐ、と幸せそうな琴音を見ながら僕もケーキをゆっくり食べる。コンビニの売れ残りだけれど、なかなか美味しい。たしか有名なパティシェ監修とか書いてあった気がする。
「……ふう。一休みっす」と彼女はフォークをおいた。
ケーキは半分程平らげていた。
「よく食べるね……」
「甘いもんは別腹っすからね」
「別腹も何もご飯食べてなくない?」
「まー甘いもんはいくらでも食べれるってことッスよ。あ、テレビ見たいんでそっちいくっス」そう言って僕の横に座り直した。
「はー幸せっすねぇ……クリスマスにこたつでケーキ、しかもぼっちじゃない」
「そうだね」僕は頷く。
「センパイ本来ならぼっちだったスもんね。私に感謝してくださいよ、なんて」
「うん……そうだね、ありがとう」
「え、素直に言うんすね……」ちょっとびっくりした反応をする。
「まあ私もぼっちだったっすから、センパイが付き合ってくれて嬉しかったっす、ありがとうございます」と彼女は軽く頭を寄りかからせてくる。
そうして、テレビを見つめながら二人でぼんやりとした。
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