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kaoru

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第一章 黒猫の夢?

十七話

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[何となくな。ワシは、相手の体に触れれば、考えていることが分かるんじゃが、瑞樹とやら、お前さん、その黒猫妖怪を、完全に乗っ取ってしまっておる。黒猫妖怪の、意思が全く感じられん]

[へっ?ももんぐさん、それってどういう事?]

[ワシも、人間が、妖怪を乗っ取るなんて、見た事も、聞いた事もないから分からんが、人間が、妖怪…悪鬼なんかにとりつかれた場合、徐々に食われて同化してしまうな]

[はぁ?瑞樹、お前、そのトルト王やら食ってるのか?]

 まん丸目玉で、ブンブンと、音がしそうな勢いで、瑞樹が首を横に振っているが…腹が減らない発言て、もしかして…

[あのう、その事については、私達が説明できます]

[なんらかの、術を使い他のモノに取りついた場合、そのモノの魔力を吸収し術を維持します]

[なので、そのモノの魔力が、無くなれば術が、解除されるはずですが…]

 なるほど、魔力…エネルギーと、考えれば良いかな、でも、最後が気になる。

[[が?]]

[そのモノに同化するための術の場合、人間に戻ることが出来なくなる。可能性があります]

[また、魔力の吸収により、自我が失われる可能性も出てきます]

[トルト王のような、残酷で乱暴者に、変わってしまう恐れがあるということです]

「ニャー」
[えー]

「ニャニャ!」
[やだ!]

「ニャニャ、ニャニャ、ニャニャ!、ニャー、ニャー、ニャニャ?」
[やだ、やだ、やだ!なにか、なにか、ないの?]

 完全に、パニックってしまった黒猫瑞樹が、いろいろ叫びながら、部屋の中をウロウロし出した。

[その術を解く方法はないか?]

[分からないです。そもそも、何の術を使われたのですか?]

[瑞樹が、術を使えるとは、思えないんだけど]

[はぁ?ではどうやって、トルト王に取りついたのです?]

[俺達は、取りついたんじゃなくて、取りつかれたと思ってたんだけど…]

[それなら、その瑞樹という人間の姿のトルト王になっているはずですよ。今の状態を、見る限り、とても、そうは思えませんが?]

[……ですね]

 うーん、いろいろ、分かってきたけれど、何やらとても高くて頑丈そうな壁が出てきたような…どっかに、抜け穴はないのだろうか?

[ふーむ、術返しになるのかのう?]

[術返し?]

[そうじゃ、昔、陰陽師なんかは、呪いとかを、術者に返したりしていたのじゃ]

[ああ、マンガで読んだことあるけど、それは、修行とかして、ちゃんと力をつけた人が出来るんじゃなかったっけ?]

[そうじゃが、瑞樹とやらは、お主の兄弟かのう?]

[双子の弟だ]

[双子かぁ、よく似た妖力を持っておるわけじゃ、お主ら、なかなか、面白い力を持っとるようじゃぞ]

[面白い力?]

[詳しくは分からんが、なにか、とてつもなく強い力を感じるが、まだ、お主らの、ものにはなっとらん感じじゃ]

[その力に、関係して、この使い魔達や、トルト王とやらが、来たという可能性もあるのか?]

[それは、どうじゃろ、しかし、その使い魔達の話を聞く限り、魔女達の力だけで、ここまで寄越すのは無理そうじゃから、お主達の力が、何かしら、関係しとるのかもしれんな]

[じゃあ、トルト王が、魔女様達の力をかりて…]

[[[かしてません]]]

 俺が、話をまとめやようとしたら、使い魔達に、おもっいきり睨まれてしまった。

[はい、えーと、その事故みたいな感じで、時の歪みに落ちて、着いた先に、瑞樹がいたから、乗っ取ろうとしたら、瑞樹の何らかの力が作用して、トルト王を乗っ取ってしまったと、考えればいいのかな?]

[まぁ、そんな感じじゃろ]









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