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第一章 黒猫の夢?
十八話
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[もし同化の術の場合、どれぐらいで、人間に戻れなくなるか分かるか?]
[王になるぐらいじゃ、妖力も多いとすれば、かなりもつと思うが…瑞樹とやらが、操っておる訳ではなく、無意識なのがどう影響しとるか分からんでなぁ、お主らは、分かるか?]
[術として、知っているだけで、実際見たのは、初めてなので、分かりませんが…]
[前兆としては、一気に性格が変わる訳ではなく、吸収した量で、徐々に影響が出てくるということで、分かりにくいらしいのですが、ご兄弟なら、気付き易いと思います]
[後は、術者の力に差がある場合、強い者には、余り影響が無いとも聞いてますので、瑞樹がトルト王より、強い魔力持ちなら、何の影響もなく人間に戻れる可能性もあるかと思われます]
[!そうなの?誰か、魔力の強弱わかる人いる?]
[[[[わから(ん)(ないです)]]]]
「にゃー」
[そんなー]
ももんぐ達の話でちょっと復活した瑞樹だったが、返って来た言葉に、脱力し、ごめん寝状態になってしまった。
[ももんぐは、俺達に、強い力があるとかなんとか言っていたじゃないか、それでも分からないのか?]
[ワシが分かるのは、大雑把に妖力が、多いか少ないかだけじゃ。お主らのは、妖力とは別に、何だか訳の分からない力が蠢いとる感じゃ、その力が、お主らのモノになったら強くなりそうじゃという、曖昧な見方しかできん]
[今のところは、瑞樹の妖力?魔力?まぁ、どっちでもいいか、が、トルト王より勝っているのを期待して、もう少し、何か手がかりがないか、調べないといけないか。きっかけになった穂高さん達に、もう少し、話を聞いた方がいいかな?]
[無駄じゃ、無駄じゃ、あやつらは、妖力も少ないし何も知らんじゃろう]
[あれ?そういえば、ももんぐは、何故、学校に居たんだ?]
[何故って、あそこは、昔からワシの縄張りじゃ、それなのに、八十年ほど前に人間どもが、森を切り開き、あんな、どでかい建物を建てよった。まったく、住みづらくしよって、まぁ、しかし、たまに、旨いものにありつけたからな、裏の林と建物を行き来しとったんじゃ]
[じゃ、俺を攻撃してきたのは?]
[自覚しとらんようじゃから仕方がないが、お主…お主ら、今の人間のなかじゃ、珍しく、かなりの妖力を持っておる。しかも、あの時、何かを感じ取って、警戒しておったじゃろ、てっきり、祓われるかと思うての、はっはっはっ、ワシのこんな小さな爪では、大したことなかろ?]
[結構、痛かった。血も出たし]
[……すまんかったなぁ。早とちりじゃ]
[まぁ、確かに、変に緊張してたからな。俺も、咄嗟に掴んじゃったし]
[ああ、あれは、たまげたな。人間を、驚かすのが、ワシの仕事だと思っとったのに、逆に、驚かされるとはな。長生きはするもんじゃな]
[ちなみに、おいくつですか、ももんぐさん]
おっ、瑞樹、復活したか?
[さぁ、よく分からんが、昔、ここいらに大きな地震があった時は、まだ妖怪にはなっておらんかったのう]
[…善光寺地震って、いつだっけ?]
[えっ、いつだ?二百年近く前のような]
[[[二百年?]]]
[まだ、二百はいっとらんと、思うぞ、たしか
百七十か八十というところじゃ]
[[[百七十か八十?]]]
妖精達が、目を丸くして、驚きの表情で、ももんぐを見て、固まってしまった。
[いや、それより前に、生まれているんだから……で、ももんぐ…さん、こういう術に、詳しい方、知りませんか?]
[ん?なんじゃ、お主、さっきまで呼び捨てじゃなかったか?]
[いや、なんか、初めに攻撃されたので、つい、こんな物知りだとは思いませんでしたし…そんなに、お年も召してるとは…]
[現金な奴じゃのう、まぁ、ここいらは、年寄りを大事にしとるからな、まぁ、良かろ。術に詳しい奴を知ってはいるが、異国の術じゃろ?どうにか出来るとは思わんが、ちょっと、話を聞いてみるか]
[ぜひ、お願いします]
[うまいもんも、馳走になったしな、ちょっくら、行ってくるな]
[[[[[おっ]]]]]
突然、ももんぐさんが、目の前から消えた。
[見た目は可愛いのに、なんか、凄い人だね]
[人って…ムササビだろ]
[いや、だって、会話出来るから]
[まぁ、そうか、で、どうする?いつ戻るか分からないし、俺は、明日も学校だから、そろそろ寝るけど]
[…今のところ、出来ることないし、俺も寝る。でも、その前に、光輝、風呂どうする?]
[はぁ?一人だし、シャワーだけかな]
[俺も、汗流したい]
[はぁー?めんどー]
[こんな姿になった弟を、不憫に思わないのか?薄情な奴だなぁ]
[わかった、わかった。片付けしたら、洗ってやるから待ってろ]
[よろしくー]
普通、猫ってもんは、風呂嫌いで、洗わなくてもいいんじゃないのかよ。
[王になるぐらいじゃ、妖力も多いとすれば、かなりもつと思うが…瑞樹とやらが、操っておる訳ではなく、無意識なのがどう影響しとるか分からんでなぁ、お主らは、分かるか?]
[術として、知っているだけで、実際見たのは、初めてなので、分かりませんが…]
[前兆としては、一気に性格が変わる訳ではなく、吸収した量で、徐々に影響が出てくるということで、分かりにくいらしいのですが、ご兄弟なら、気付き易いと思います]
[後は、術者の力に差がある場合、強い者には、余り影響が無いとも聞いてますので、瑞樹がトルト王より、強い魔力持ちなら、何の影響もなく人間に戻れる可能性もあるかと思われます]
[!そうなの?誰か、魔力の強弱わかる人いる?]
[[[[わから(ん)(ないです)]]]]
「にゃー」
[そんなー]
ももんぐ達の話でちょっと復活した瑞樹だったが、返って来た言葉に、脱力し、ごめん寝状態になってしまった。
[ももんぐは、俺達に、強い力があるとかなんとか言っていたじゃないか、それでも分からないのか?]
[ワシが分かるのは、大雑把に妖力が、多いか少ないかだけじゃ。お主らのは、妖力とは別に、何だか訳の分からない力が蠢いとる感じゃ、その力が、お主らのモノになったら強くなりそうじゃという、曖昧な見方しかできん]
[今のところは、瑞樹の妖力?魔力?まぁ、どっちでもいいか、が、トルト王より勝っているのを期待して、もう少し、何か手がかりがないか、調べないといけないか。きっかけになった穂高さん達に、もう少し、話を聞いた方がいいかな?]
[無駄じゃ、無駄じゃ、あやつらは、妖力も少ないし何も知らんじゃろう]
[あれ?そういえば、ももんぐは、何故、学校に居たんだ?]
[何故って、あそこは、昔からワシの縄張りじゃ、それなのに、八十年ほど前に人間どもが、森を切り開き、あんな、どでかい建物を建てよった。まったく、住みづらくしよって、まぁ、しかし、たまに、旨いものにありつけたからな、裏の林と建物を行き来しとったんじゃ]
[じゃ、俺を攻撃してきたのは?]
[自覚しとらんようじゃから仕方がないが、お主…お主ら、今の人間のなかじゃ、珍しく、かなりの妖力を持っておる。しかも、あの時、何かを感じ取って、警戒しておったじゃろ、てっきり、祓われるかと思うての、はっはっはっ、ワシのこんな小さな爪では、大したことなかろ?]
[結構、痛かった。血も出たし]
[……すまんかったなぁ。早とちりじゃ]
[まぁ、確かに、変に緊張してたからな。俺も、咄嗟に掴んじゃったし]
[ああ、あれは、たまげたな。人間を、驚かすのが、ワシの仕事だと思っとったのに、逆に、驚かされるとはな。長生きはするもんじゃな]
[ちなみに、おいくつですか、ももんぐさん]
おっ、瑞樹、復活したか?
[さぁ、よく分からんが、昔、ここいらに大きな地震があった時は、まだ妖怪にはなっておらんかったのう]
[…善光寺地震って、いつだっけ?]
[えっ、いつだ?二百年近く前のような]
[[[二百年?]]]
[まだ、二百はいっとらんと、思うぞ、たしか
百七十か八十というところじゃ]
[[[百七十か八十?]]]
妖精達が、目を丸くして、驚きの表情で、ももんぐを見て、固まってしまった。
[いや、それより前に、生まれているんだから……で、ももんぐ…さん、こういう術に、詳しい方、知りませんか?]
[ん?なんじゃ、お主、さっきまで呼び捨てじゃなかったか?]
[いや、なんか、初めに攻撃されたので、つい、こんな物知りだとは思いませんでしたし…そんなに、お年も召してるとは…]
[現金な奴じゃのう、まぁ、ここいらは、年寄りを大事にしとるからな、まぁ、良かろ。術に詳しい奴を知ってはいるが、異国の術じゃろ?どうにか出来るとは思わんが、ちょっと、話を聞いてみるか]
[ぜひ、お願いします]
[うまいもんも、馳走になったしな、ちょっくら、行ってくるな]
[[[[[おっ]]]]]
突然、ももんぐさんが、目の前から消えた。
[見た目は可愛いのに、なんか、凄い人だね]
[人って…ムササビだろ]
[いや、だって、会話出来るから]
[まぁ、そうか、で、どうする?いつ戻るか分からないし、俺は、明日も学校だから、そろそろ寝るけど]
[…今のところ、出来ることないし、俺も寝る。でも、その前に、光輝、風呂どうする?]
[はぁ?一人だし、シャワーだけかな]
[俺も、汗流したい]
[はぁー?めんどー]
[こんな姿になった弟を、不憫に思わないのか?薄情な奴だなぁ]
[わかった、わかった。片付けしたら、洗ってやるから待ってろ]
[よろしくー]
普通、猫ってもんは、風呂嫌いで、洗わなくてもいいんじゃないのかよ。
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