エレメント

kaoru

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番外編

GWなので、ちょっと視点を変えて…

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「あっ、昔、黒猫が溺れた池があり…」
[にゃ、にゃにゃにゃ、にゃーにゃーにゃー]

「却下。お前、中国に行ったことないし、水に濡れてないだろ!」

「じゃぁ、悪い魔女から身を隠すため…」
[にゃー、にゃーにゃにゃにゃにゃーにゃー]

「却下。黒豹じゃないし、ハウ○の子供でもないだろ!」

「はぁー」
[にゃー]

「はぁー、玄関で、言い合ってもしょうがない、暗くもなってきたし、向こう行こう」

 余りの事に、玄関に座り込んだまま、話していたが、暗くなってきていた。
 リビングに移り、ソファーに腰かけるが、何を話していいやら、明るくした室内が、重い沈黙で満たされる。

「だぁー、いくら考えても、分かん。学校に、手がかりがあるはず、明日、探してくるから、今日は、もう寝よう」

「そうだな」
[にゃーにゃにゃ]

「瑞樹、ご飯はどうする?」

「うーん、いい、このまま寝る」
[にゃー、にゃにゃ、にゃにゃにゃーにゃ]

「分かった。おやすみ」

「おやすみ」
[にゃーにゃ]

 それで自室に戻って、考えてもわからないんだが、考えずにいられない、何て言っていいのか分からないモヤモヤした気持ちを、もて余していた。



次の日、そんな心理状態だったせいか、イヤな夢を見た。
 俺が、殺される?
と、思ったが、光輝が自分の方だろと、言っていた。確かに、俺の夢は、傍観者としての夢で、光輝のは、当事者としての夢だった。
 タイミング的に、俺が猫になったのに関係しているのか?それとも、無関係なのか?
 
!!

光輝が、学校へ行ったあと、一人で考えていたのだか、答えが出る訳でもなく、ふて腐れてリビングの日当たりのいい所に、クッションを置いて寝ていたのだが……

 俺は、慌てて飛び起きて、窓に近づき立ち上り窓を覗く。

[やっべ、忘れてた]

どうしよう。どうしよう。どうしよう。
窓の外、少しひろめのベランダに、俺の大事な鉢植え達がいるのを忘れてた。
 夏だというのに、昨夜と今朝、水やりを忘れていた…まぁ、トマトやきゅうり、ハーブ類は、乾燥にもある程度強いモノが多いからいいとしても、他の葉もの野菜は?

[ぎゃっ、小松菜が、パセリが、うわっ、サラダ菜、リーフレタス、ヤバい…]

 少し萎んだ葉を見て、窓の鍵を開け、ベランダに飛び出した。
 まだ太陽が上がりきってない為か、ベランダは少しひんやりしていた。時計を見ると、九時を回ったところ。

[まだ、大丈夫か?]

俺はキッチンに入り、野菜置き場用のワゴンの下からじょうろ代りに使っているペットボトルを取り出そうとして、固まってしまった。

 [猫の姿でどうやって、水やりするんだよ]

 自分に自分で突っ込みつつ、なんか方法ないか考える。
 そもそも俺は、普通の猫なのか?
 光輝と、話が出来るから、普通じゃないよなぁ…

……で、猫の姿で何が出来るのか、検証する事にした。

 

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