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kaoru

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第三章 節約生活

六十一話

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「ももんぐさんの仲間内では、なんて呼ばれているんですか?」

『この辺りにはおらんでなぁ…昔、江戸から来た者には、「うるしのぅ」と呼ばれたことが、あるような?ないような?』

「ウルシ?」

『ワシの住処の森には、漆が沢山あったんじゃよ、だで、漆の森の者という………って、これが名前か?』

「…人間で言うと、名字みたいな感じだね。漆の森に住んでるももんぐ、で、やっぱり、名前はないんだ…」

『むー、そうじゃったか、ワシ一人だからきづかなんだな。まぁ、よい、お主、何か考えてくれ』

「は?いきなり何ですか?」

『どうせ、そこの妖精達につけるのじゃろ、ついでにワシのも、考えてくれ』

「だから、何で、そんな話に、そんなこと、一言も言ってないですよ」

『おんや、そうなのか?なら、何故に名前なんて聞いたんじゃ?呼び名があった方が良いと思ったんじゃろ』

「……まぁ、そうですが…」

  俺や精霊達にと思って買ったチーズバーガーだったけど、ももんぐさんに一個、もう一個は妖精達に、残りの一つを俺がもらい、キルさんとファラムは、スーパーで買ったフルーツやベランダから採取してきた野菜を食べている。
 妖精達は気にしないけど、精霊達は、あまり加工していないものの方がいいそうだ。なので、みんなのお気に入りは、ポテト。Lサイズ×3でも、あっという間に、終わってしまった。
 
って、そんな事じゃないね。

ももんぐさん、 結局、俺の考え読んでるじゃん。

「正兄達と相談して、みんなに名前つけようと、思うけど、嫌かなぁ?」

『ほれみぃ、ワシは外見にあったカッコイイ名前にしてくれな』

カッコイイ? ………可愛いじゃないの?

『なんじゃ?』

…いえ、ナニもないです。

『良いのですか?』

『不便は無いけど、ちょっと、憧れていたんですよね』

『いろいろな、意味とか、持たせたりして、名前自慢する人間もいましたからね』

 そんなことを言って、三人で頷いている。

 ん?ちょっと、軽く思っただけだったのに、ハードル高くなった気が…誰だよ。名前自慢なんてしたの…まぁ、いい、正兄に任せよう。

「じゃ、正兄達と相談して、いい名前考えるね。と、じゃ、さっきの続きで、レモンタルト作っちゃおう」

 冷凍庫から作りおきのタルト生地をだしてから、ボウルに卵黄、グラニュー糖、コーンスターチの順で混ぜていき、キルさんに沸騰直前まで温めてもらった牛乳を少しずつ混ぜていき、こし器を通してから、今度は、赤い妖精さんに頼んで、中火程度に温めてもらいながら、艶よくとろみがついてくるまで混ぜていく、その間に、キルさんにタルト生地を焼いてもらう、今回は、六センチの台を使い、沢山作る予定。
 キルさんは、圧をかけながら、熱する事もできるので、タルトも重石要らずで、早く焼き上がる。それを、みどりの妖精さんにも手伝ってもらい冷ましてもらう。
 いつもよりも早く焼き上がるタルトを見ながら、とろみがついたクリームを温めるのを止めて、レモン汁を加える。そして、今度は、ゆっくりと熱を奪ってもらう。
 そうしてる間に、生クリームを七分立てにし、それを混ぜて、レモンクリームの出来上がり。
 これを、みんなで手分けして、タルトの器に盛り付ければ完成だけど、瑞季言っていたのは、ここにレモンの皮のシロップで作ったゼリーを流し込む。なので、搾った皮の白い部分を取り、微塵切りにして、砂糖をまぶしておいたものでゼリーを作る。
 キルさんと妖精さん達のお陰で、いつもの半分以下の時間でレモンタルトが出来上がる。後は、瑞季達が帰ってくるまで冷蔵庫で冷やしておくだけだ。

「うーん」

「光輝様、どうしたのですか?何か、困り事ですか?」

 キルさんと並んで使用した器具を洗っているんだけど、この時、洗い桶にファラムが水を出してその中に器具を浸けておくと、驚くほど汚れ落ちがよく、不思議と油分も無くなるので、洗剤要らず。更に、洗った後は、キルさんとファラムが、水分を飛ばして、妖精さん達が、しまいにいってくれるので、片付けもあっという間…

「いやぁ、レモンタルトなんて、今まで、1日かけて作るような感じだったんだ。それが、この短時間で、出来てしまって…昨日に引き続き、みんなの能力って凄いなぁと思って、しかも、片付けも楽だし、なんか、もっと、いろいろと作りたくなってきてさ、どうしようかなぁと…」

 
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