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第四章 節約生活?
七十六話
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その後、アルフさんと瑞樹が、ちょっと、揉めた。
瑞樹が一緒に寝るのを拒否したため、アルフさんは、ファラムを抱いたまま、拗ねて姿を消してしまった。
ダリルくん達は、心配する必要はないと言って、今日は、和室で休む準備をしだした。
トルト王は、妖精達のソファーが気に入り、そこで寝ることに、妖精達は、新しいベッドに嬉しそうに入り、ルフナさんは、ハンモックで、ユラユラ揺られて気持ち良さそうにしていた。
ふぅー、何だかんだで、精霊達に巻き込まれてから、一日一日が長いような気がする。
充実してるって事か?
そう思いながら、ベッドに横になる。久々の一人寝なので、おもいっきり伸びてみる。
アルフさんがファラムを連れていってしまったけど、どこ行ったんだろう?
心配しなくていいと言われたけど…ちゃんと、戻ってきてくれればいいなぁ…とか、思いながら、眠りについた。
「おはよう、おっ、珍しいな」
正兄が、起きて来て、妖精さん達が並べ始めた朝食見ながら声をかけてきたけど…
「おはよう、珍しいって?」
「ん?いつも、和食なのに、今日は、洋食なんだろ?」
「え?」
俺も慌てて、テーブルを見ると…ピンチョスに、サラダも、レタスが一枚一枚並べられそれを器にして…
「正兄、見た目は洋食だけど、和食だよ」
「どういう事だ?」
「サラダ関係、妖精さん達に頼んだんだけど…ピンチョスは、糠漬けだし、レタスの器のは、納豆だよ」
「え?あっ、ホントだ納豆に…この、赤や緑や、白のは?」
「多分、糠漬けの切り抜いた端のを、みじん切りにして、混ぜたんじゃないかなぁ」
「…この星形やハート形に抜きとられ、串に刺されたのが、糠漬けかぁ?」
「どうするの?見た目に合わせて、パンにする?スープは、味噌汁しかないけど」
「いや、ご飯でいい」
正兄は、そう言って席に着くなり、ピンチョスを一本取って、じっくりと見出した。
『どうしたですか?』
『何か、おかしいですか?』
『ファラムが居なかったので、抜き型使いました』
「いや、感心していただけだよ。糠漬けが、こんな風になるとは、考え付かなかったから、すごいねぇ」
そう言って、妖精さん達の頭を撫でてる。
『誉められたです』
『嬉しいです』
『もっと、頑張ります』
そう言うと、三人でベランダに向かって走っていった。まだ、増やすか…妖精さん達がいれば、野菜不足にならない気がする。
『ワシは、肉と言ったはずだが?』
妖精さん達と、入れ替わりトルト王が、ズイッとテーブルに延び上がり、見回しながら呟いてる。
『しかも、何やら、おかしな匂いがするぞ?食べられるのか?』
顔をしかめながら、レタスの器を覗き込んでる。
ハハ…納豆に、糠漬けだからねぇ…
「トルト王のは、こっちです。岩塩とローズマリーで漬けて置いた鶏肉の蒸し焼きです」
トルト王のは、賽の目切りにして小鉢に盛って、俺達用のは薄切りにして、お皿に。
『おっ、旨いなぁ』
出した小鉢に、いきなり顔を突っ込み食べ始めてしまった。
「あっ、みんな揃ってないのに…」
「光輝様、マタゴ族には、その日、最初の食事を一番始めに与えると、金貨をもらえるのです」
ベランダに居たダリルくんがそう教えてくれる。
『ほう、よう知っとるな。そういう事だから、ワシの食事を一番にな。ハッハッハー』
そう言って、小鉢を綺麗にすると、それだけで踵を返し、今度は人間用のソファーに行って丸くなった。
「えっ、これだけでいいの?」
俺が驚いて声をあげると、満足そうに口の回りを舐めていたトルト王が、チロッとこちらを見て『リュタンと一緒にするでない。ワシは、底抜けの大食らい出はないは』フンッと鼻を鳴らして、寝てしまった。
「おそらく、肉体を持っているからでしょう、エネルギーの蓄えが出来るのではないかと」
キッチンで、俺の手伝いをしてくれていたキルさんが、話に加わってきた。
「えっと、肉体を持っていると、燃費が良くて、肉体がないと燃費がが悪い?あれ、違うか、精霊達は、食事の必要ないから…そこが、妖精と精霊の違い?」
「そうですね。私達は、エネルギーそのモノなので、食事として摂取しなくても、大気にあるものだけでも、自分にあったモノにエネルギー変換出来ますが、妖精達は、個体を必要とし、咀嚼によってエネルギー変換してるのでしょう。そして、味覚もあるようなので、あのようになったと思われます」
キルさんの視線を追ってベランダの方を見ると、入り口にいるダリルくんの足元を自分達と同じ大きさのカゴに野菜を山盛りにして、嬉しそうに運んでくる妖精さん達がいる。
うん、まぁ、食欲があるのは、良いことだよね……たぶん…
瑞樹が一緒に寝るのを拒否したため、アルフさんは、ファラムを抱いたまま、拗ねて姿を消してしまった。
ダリルくん達は、心配する必要はないと言って、今日は、和室で休む準備をしだした。
トルト王は、妖精達のソファーが気に入り、そこで寝ることに、妖精達は、新しいベッドに嬉しそうに入り、ルフナさんは、ハンモックで、ユラユラ揺られて気持ち良さそうにしていた。
ふぅー、何だかんだで、精霊達に巻き込まれてから、一日一日が長いような気がする。
充実してるって事か?
そう思いながら、ベッドに横になる。久々の一人寝なので、おもいっきり伸びてみる。
アルフさんがファラムを連れていってしまったけど、どこ行ったんだろう?
心配しなくていいと言われたけど…ちゃんと、戻ってきてくれればいいなぁ…とか、思いながら、眠りについた。
「おはよう、おっ、珍しいな」
正兄が、起きて来て、妖精さん達が並べ始めた朝食見ながら声をかけてきたけど…
「おはよう、珍しいって?」
「ん?いつも、和食なのに、今日は、洋食なんだろ?」
「え?」
俺も慌てて、テーブルを見ると…ピンチョスに、サラダも、レタスが一枚一枚並べられそれを器にして…
「正兄、見た目は洋食だけど、和食だよ」
「どういう事だ?」
「サラダ関係、妖精さん達に頼んだんだけど…ピンチョスは、糠漬けだし、レタスの器のは、納豆だよ」
「え?あっ、ホントだ納豆に…この、赤や緑や、白のは?」
「多分、糠漬けの切り抜いた端のを、みじん切りにして、混ぜたんじゃないかなぁ」
「…この星形やハート形に抜きとられ、串に刺されたのが、糠漬けかぁ?」
「どうするの?見た目に合わせて、パンにする?スープは、味噌汁しかないけど」
「いや、ご飯でいい」
正兄は、そう言って席に着くなり、ピンチョスを一本取って、じっくりと見出した。
『どうしたですか?』
『何か、おかしいですか?』
『ファラムが居なかったので、抜き型使いました』
「いや、感心していただけだよ。糠漬けが、こんな風になるとは、考え付かなかったから、すごいねぇ」
そう言って、妖精さん達の頭を撫でてる。
『誉められたです』
『嬉しいです』
『もっと、頑張ります』
そう言うと、三人でベランダに向かって走っていった。まだ、増やすか…妖精さん達がいれば、野菜不足にならない気がする。
『ワシは、肉と言ったはずだが?』
妖精さん達と、入れ替わりトルト王が、ズイッとテーブルに延び上がり、見回しながら呟いてる。
『しかも、何やら、おかしな匂いがするぞ?食べられるのか?』
顔をしかめながら、レタスの器を覗き込んでる。
ハハ…納豆に、糠漬けだからねぇ…
「トルト王のは、こっちです。岩塩とローズマリーで漬けて置いた鶏肉の蒸し焼きです」
トルト王のは、賽の目切りにして小鉢に盛って、俺達用のは薄切りにして、お皿に。
『おっ、旨いなぁ』
出した小鉢に、いきなり顔を突っ込み食べ始めてしまった。
「あっ、みんな揃ってないのに…」
「光輝様、マタゴ族には、その日、最初の食事を一番始めに与えると、金貨をもらえるのです」
ベランダに居たダリルくんがそう教えてくれる。
『ほう、よう知っとるな。そういう事だから、ワシの食事を一番にな。ハッハッハー』
そう言って、小鉢を綺麗にすると、それだけで踵を返し、今度は人間用のソファーに行って丸くなった。
「えっ、これだけでいいの?」
俺が驚いて声をあげると、満足そうに口の回りを舐めていたトルト王が、チロッとこちらを見て『リュタンと一緒にするでない。ワシは、底抜けの大食らい出はないは』フンッと鼻を鳴らして、寝てしまった。
「おそらく、肉体を持っているからでしょう、エネルギーの蓄えが出来るのではないかと」
キッチンで、俺の手伝いをしてくれていたキルさんが、話に加わってきた。
「えっと、肉体を持っていると、燃費が良くて、肉体がないと燃費がが悪い?あれ、違うか、精霊達は、食事の必要ないから…そこが、妖精と精霊の違い?」
「そうですね。私達は、エネルギーそのモノなので、食事として摂取しなくても、大気にあるものだけでも、自分にあったモノにエネルギー変換出来ますが、妖精達は、個体を必要とし、咀嚼によってエネルギー変換してるのでしょう。そして、味覚もあるようなので、あのようになったと思われます」
キルさんの視線を追ってベランダの方を見ると、入り口にいるダリルくんの足元を自分達と同じ大きさのカゴに野菜を山盛りにして、嬉しそうに運んでくる妖精さん達がいる。
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