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番外編
あふたぬーんてぃ(竜神様の正月休み) 前編
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『次は、何作るですか』
「次は、寝かしておいたパイ生地を使って、いろいろ作るよ」
『いろいろ出来るですか?』
「うん。まずは、作りおきのジャムやクリームチーズを入れて、包みパイでしょ、甘いのだけだと飽きるから、野菜を沢山使ってキッシュも作ろう。あっ、お肉を使ってミートパイもね」
『沢山、作るです』
今日は、朝から大騒ぎ…
大晦日のバイトを終えて、どんなごちそう食べれるかと楽しみ(ウチの大晦日の夕飯は、お祭りの様なごちそうを食べる。年越し蕎麦という風習は、最近の事だと、じいちゃん達が話していた事があった。年越し蕎麦の風習はなかったらしいんだよなぁ、大晦日は、必ず新米を食べる)に帰宅すると、玄関でダリルくんと竜神様が睨みあっていた…
「えっ、何?どうしたの?」
「いや、俺達も今気がついたとこで…」
ダリルくんの後ろに正兄達もいて、困り顔で呟いた。
竜神様は、玄関に飾った鏡餅に巻ついていて、ミカンに顎をのせ、何となく拗ねた感じを漂わせている。前回、消えた時、最後に見た大きさだ…何気に、正月飾りとして、このまま飾って起きたくなる。縁起物として…
「不穏な気配を感じて来てみたらこの状態だったのです」
不機嫌丸出しで、ダリルくんがいうと…
『不穏とは、どういう意味だ。ワシとて神じゃぞ』
と、竜神様がツッコミをいれてくる。
「聞きましたよ。この国では、悪魔でさえも神になると、神は神でも、邪神なのでは?」
『うっ…』
「「「えっ?」」」
なぜそこで、言葉をつまらせるんです?もしかして、当たっているのか?
『なっ、なっ、何をいう。ワシも知っておるのだぞ。お主達が、悪魔とされ、恐れられていたことを…お主達と一緒よ。人間が勝手に、邪竜だ。竜神だ。と決めよったのだ』
「だったら、神だと主張しなければいいでしょ」
『…うっ、まぁ、なんだ。人間達も年末年始に集まるではないか…ワシも入れてくれんかのう?』
「「「はぁ?」」」
『……いや、そのー、邪魔だからと、追い出されたのだ。自分達もたまには休みたいと…』
「追い出された?」
「だっ、誰に?」
「神様が?何故です?」
年末年始、神様は忙しいはずじゃないの?普段、お参りとかしない人でも、鏡餅や松を飾り、年が明ければ初詣でいろいろな神社や、お寺が賑わっているのに…
精霊達は、不機嫌そうにしているけど、俺達、人間は不思議に思い質問してしまう。
『ふむ、ほれ、ワシの居るお社は、お主らも知っておろう』
「うん、秋におはぎ持っていったからね」
『そうであったな。あれは、美味であった…まぁ、それは、おいておいて…昔は、それなりに人が来ておったのだが、今はもう忘れ去られている状態でな、正月とて暇なのじゃ。人気のある神なら、至るところに社があるから忙しいとは思うのだが…ワシは、あの社しかないからの…そして、桃と関わりあったせいで、ワシのところに居るもの達も、人間界に興味をもってな。最近では、いろいろと真似をするのが流行りでな…』
「…一体、どんなモノが流行っているんです?」
『うっ、うん、まぁ、いろいろじゃ…』
なんで答えを濁すのだろう?変なものが流行っているのかな?
「で、それが、追い出されたことと、関係あるんですか?」
『ふむ、まぁ、なんだ…正月休みがしたいそうでな、ワシがいると休みにならないと、追い出されたのだ』
「はぁ?正月休みって…えっと、神様のところって、人間社会と同じに考えていいんですか?って、いうか会社みたいな組織なんですか?」
『……そこなのだ。そんなことはなく、日々好き勝手暮らしていたのだが…桃と仲良くなって、それまで、余り人間に興味がなかったモノ達が、桃と一緒に輪廻の輪に入れぬ魂達が集まって造った街に行くようになってな、規則正しく生活する様が面白いと言って真似しだしたのだ。ついでに、人間界にも、ちょくちょく見学行くようになっての…』
「何となく分かりました。竜神様が、主人ということで、使用人気分で仕事をしていると考えるようになったんですね」
『おお、そうだ。さすがだのう。で、使用人にも、休みが必要で、こうゆう時には、雇い主は旅行するものだと、決めつけおってな…追い出されたのだ。ワシは、寝正月で良いと言ったのだが、受け入れなんだ…』
「何なんですか、それ、只のごっこ遊びじゃないですか」
『ごっこ遊びとは失礼な、我らは、ちゃんと矜持をもってやっておりまする』
正兄が、ごっこ遊びと言ったとたん、竜神様の後ろから、体長二十センチ程の人が二人飛び出してきた。
『あっ、これ、ワシが話を通すと言ったではないか』
『失礼ながら、こういった交渉は、主様ではなく、我々の仕事かと進言いたします』
うわっ、出てきた二人が、片膝ついて竜神様に頭を垂れる…初めて会ったキルさんみたいに…
「えっと、こちらの方々は?」
『これは、失礼いたしました。私は、こちらのこう様に使えている。烏天狗のはやてと言います。お見知りおきを』
『同じく、いなさと言います』
はやてと言った烏天狗は、短髪で、角張った顔のせいか、がっしりとした体つきに見える。柔道部とかにいそうな感じ、いなさと名のった方は、もう少し若めで、線も細い弓道部なんかにいそう…普通の人間だったらだけど…二人とも焦茶の着物を着ているので、そんな事を考える。
『早速ですが、先程、こうさまが仰られた事ですが、少々、語弊がございます。我らは、決して追い出したりはしておりませぬ』
『そうです。我らは、日々、長老さま方に言われた通りに馴致しているこう様が疲労なさっているのではないかと思い、休みを取ってみては?と、提案したのでございます』
『すると、こちらに暫く滞在したいと申されて、我らに、休みをとらせたのです』
竜神様って、こうって名前なんだ…漢字なのかな?後で、聞いてみよう。
「えっと、言っていることが、少し…いや、真逆の様な気がするんですが…しかも、休みなのに、ついてきたのですか?」
『申し訳ない。我らも、桃殿の暮らしぶりが気になっておったし、こちらの御宅にも興味を持っていたので同行させてもらいました』
『ですが、こちらに近づくにつれ、すっかり忘れ去られた神ということで、迎え入れられないのではと、弱気になってしまい、あのような筋書きになったのでございます。我らは、反対したのですが…』
烏天狗と言ったけれど、人間と変わりない姿をした二人がため息をつく。
「はぁー、竜神様、普通に訪問してくださいよ」
つられたように、正兄もため息をつきながら、竜神様に、お願いをする。
「え?正也さま、招き入れるのですか?」
「ダリルくん、ダメなの?皆が揃うまで、瑞樹達、守護してくれてたみたいだし、姉さんも世話になってるから、ちょうど良いと思ったけど、何か問題ある?」
「…いえ、そういうことであれば、仕方がないですけど…因みに、休みは何日間ですか?」
『三日間です』
『うむ。暫く厄介になるのだ』
正月三が日ってヤツだね。
まぁ、それぐらいなら、問題ないだろうと、思って、皆でごちそうを食べ、除夜の鐘を聞き、新年の挨拶をした。
「次は、寝かしておいたパイ生地を使って、いろいろ作るよ」
『いろいろ出来るですか?』
「うん。まずは、作りおきのジャムやクリームチーズを入れて、包みパイでしょ、甘いのだけだと飽きるから、野菜を沢山使ってキッシュも作ろう。あっ、お肉を使ってミートパイもね」
『沢山、作るです』
今日は、朝から大騒ぎ…
大晦日のバイトを終えて、どんなごちそう食べれるかと楽しみ(ウチの大晦日の夕飯は、お祭りの様なごちそうを食べる。年越し蕎麦という風習は、最近の事だと、じいちゃん達が話していた事があった。年越し蕎麦の風習はなかったらしいんだよなぁ、大晦日は、必ず新米を食べる)に帰宅すると、玄関でダリルくんと竜神様が睨みあっていた…
「えっ、何?どうしたの?」
「いや、俺達も今気がついたとこで…」
ダリルくんの後ろに正兄達もいて、困り顔で呟いた。
竜神様は、玄関に飾った鏡餅に巻ついていて、ミカンに顎をのせ、何となく拗ねた感じを漂わせている。前回、消えた時、最後に見た大きさだ…何気に、正月飾りとして、このまま飾って起きたくなる。縁起物として…
「不穏な気配を感じて来てみたらこの状態だったのです」
不機嫌丸出しで、ダリルくんがいうと…
『不穏とは、どういう意味だ。ワシとて神じゃぞ』
と、竜神様がツッコミをいれてくる。
「聞きましたよ。この国では、悪魔でさえも神になると、神は神でも、邪神なのでは?」
『うっ…』
「「「えっ?」」」
なぜそこで、言葉をつまらせるんです?もしかして、当たっているのか?
『なっ、なっ、何をいう。ワシも知っておるのだぞ。お主達が、悪魔とされ、恐れられていたことを…お主達と一緒よ。人間が勝手に、邪竜だ。竜神だ。と決めよったのだ』
「だったら、神だと主張しなければいいでしょ」
『…うっ、まぁ、なんだ。人間達も年末年始に集まるではないか…ワシも入れてくれんかのう?』
「「「はぁ?」」」
『……いや、そのー、邪魔だからと、追い出されたのだ。自分達もたまには休みたいと…』
「追い出された?」
「だっ、誰に?」
「神様が?何故です?」
年末年始、神様は忙しいはずじゃないの?普段、お参りとかしない人でも、鏡餅や松を飾り、年が明ければ初詣でいろいろな神社や、お寺が賑わっているのに…
精霊達は、不機嫌そうにしているけど、俺達、人間は不思議に思い質問してしまう。
『ふむ、ほれ、ワシの居るお社は、お主らも知っておろう』
「うん、秋におはぎ持っていったからね」
『そうであったな。あれは、美味であった…まぁ、それは、おいておいて…昔は、それなりに人が来ておったのだが、今はもう忘れ去られている状態でな、正月とて暇なのじゃ。人気のある神なら、至るところに社があるから忙しいとは思うのだが…ワシは、あの社しかないからの…そして、桃と関わりあったせいで、ワシのところに居るもの達も、人間界に興味をもってな。最近では、いろいろと真似をするのが流行りでな…』
「…一体、どんなモノが流行っているんです?」
『うっ、うん、まぁ、いろいろじゃ…』
なんで答えを濁すのだろう?変なものが流行っているのかな?
「で、それが、追い出されたことと、関係あるんですか?」
『ふむ、まぁ、なんだ…正月休みがしたいそうでな、ワシがいると休みにならないと、追い出されたのだ』
「はぁ?正月休みって…えっと、神様のところって、人間社会と同じに考えていいんですか?って、いうか会社みたいな組織なんですか?」
『……そこなのだ。そんなことはなく、日々好き勝手暮らしていたのだが…桃と仲良くなって、それまで、余り人間に興味がなかったモノ達が、桃と一緒に輪廻の輪に入れぬ魂達が集まって造った街に行くようになってな、規則正しく生活する様が面白いと言って真似しだしたのだ。ついでに、人間界にも、ちょくちょく見学行くようになっての…』
「何となく分かりました。竜神様が、主人ということで、使用人気分で仕事をしていると考えるようになったんですね」
『おお、そうだ。さすがだのう。で、使用人にも、休みが必要で、こうゆう時には、雇い主は旅行するものだと、決めつけおってな…追い出されたのだ。ワシは、寝正月で良いと言ったのだが、受け入れなんだ…』
「何なんですか、それ、只のごっこ遊びじゃないですか」
『ごっこ遊びとは失礼な、我らは、ちゃんと矜持をもってやっておりまする』
正兄が、ごっこ遊びと言ったとたん、竜神様の後ろから、体長二十センチ程の人が二人飛び出してきた。
『あっ、これ、ワシが話を通すと言ったではないか』
『失礼ながら、こういった交渉は、主様ではなく、我々の仕事かと進言いたします』
うわっ、出てきた二人が、片膝ついて竜神様に頭を垂れる…初めて会ったキルさんみたいに…
「えっと、こちらの方々は?」
『これは、失礼いたしました。私は、こちらのこう様に使えている。烏天狗のはやてと言います。お見知りおきを』
『同じく、いなさと言います』
はやてと言った烏天狗は、短髪で、角張った顔のせいか、がっしりとした体つきに見える。柔道部とかにいそうな感じ、いなさと名のった方は、もう少し若めで、線も細い弓道部なんかにいそう…普通の人間だったらだけど…二人とも焦茶の着物を着ているので、そんな事を考える。
『早速ですが、先程、こうさまが仰られた事ですが、少々、語弊がございます。我らは、決して追い出したりはしておりませぬ』
『そうです。我らは、日々、長老さま方に言われた通りに馴致しているこう様が疲労なさっているのではないかと思い、休みを取ってみては?と、提案したのでございます』
『すると、こちらに暫く滞在したいと申されて、我らに、休みをとらせたのです』
竜神様って、こうって名前なんだ…漢字なのかな?後で、聞いてみよう。
「えっと、言っていることが、少し…いや、真逆の様な気がするんですが…しかも、休みなのに、ついてきたのですか?」
『申し訳ない。我らも、桃殿の暮らしぶりが気になっておったし、こちらの御宅にも興味を持っていたので同行させてもらいました』
『ですが、こちらに近づくにつれ、すっかり忘れ去られた神ということで、迎え入れられないのではと、弱気になってしまい、あのような筋書きになったのでございます。我らは、反対したのですが…』
烏天狗と言ったけれど、人間と変わりない姿をした二人がため息をつく。
「はぁー、竜神様、普通に訪問してくださいよ」
つられたように、正兄もため息をつきながら、竜神様に、お願いをする。
「え?正也さま、招き入れるのですか?」
「ダリルくん、ダメなの?皆が揃うまで、瑞樹達、守護してくれてたみたいだし、姉さんも世話になってるから、ちょうど良いと思ったけど、何か問題ある?」
「…いえ、そういうことであれば、仕方がないですけど…因みに、休みは何日間ですか?」
『三日間です』
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