異世界人拾っちゃいました…

kaoru

文字の大きさ
17 / 149
アレルギー対策

ナビゲーション

しおりを挟む
 タクマさんが言っていたことに、興味を示して、前回鑑定してから一週間、毎食ビスト一個と白湯の食事で、体質が変わっているのか見てみることに…

 リョウ・タテマツ 八歳 人属

 誕生日 火の三番月の八日

 魔力  光 有り
     闇 有り

 スキル 身体強化 超回復力
      魔法創作(中級)
     その他(ナビ参照)

 技能  駿足
     その他(ナビ参照)

…摂取可能食材…

 ナビ掲示物

…毒性食材…

 ナビ掲示物

…ポーションレシピ…

 ナビ参照

…以下、省略…

 ん?ナビというのはなんだろう?それに、最後の省略?鑑定を省略ってなんだよ。

「…え?ナビにジャマされた?」

 何か新しいスキルや技能が付いてるかと、ワクワクしながら鑑定したタリクさんが、何やらショックを受けてる。

「このナビっていうのはなんなの?」

 不思議に思った俺達を代表し、メリロットが聞いてくれた。

「それは、リョウ君が新しく考えた鑑定魔法の事です」

 沈んだ様子だけど、タリクさんが教えてくれた。

「え?鑑定魔法が、鑑定魔法の邪魔をしたの?」

「う、みたいです…」

「そんなことあるんですか?」

「…まぁ、時々あるんです」

 そうやって、言いにくそうに、タリクさんが、説明してくれた。
 鑑定士同士の場合、鑑定のレベルによって、観られる内容が変わってくるのだという。そして、レベルの低い者が、高いものを観た時に鑑定内容を操作して掲示される事があるという。

「それって、リョウの鑑定魔法の方がレベルが高いってことですか?」

「うーん、それは、無くはないでしょうが、難しいと思うんですよ」

 ですよねー、俺達エルフは、地上生れの中で魔族の次に魔力量が多い上に、精霊の力も借りられる。そして、何より長寿なので、鍛練も人族より出来るのだし、種族の中で魔力量が一番少ない人族で、鑑定魔法を取得したばかりのリョウが、百歳のタリクさんを上回るのは、どう考えても無理だろう…

「考えられるのは、魔法創作の権能なのかな?鑑定魔法だと思っているけど、鑑定だけではないのかもしれないです」

「タクマさんが、凄い魔法って言っていましたが、その事なんですよね」

「そうなんですよ。リョウくんの、異世界知識で面白い魔法をいくつか作り出したんですけど、どれも、便利で凄いです。その中でも、ナビゲーションは本当に素晴らしいんですよ」

 おおっと、リョウの魔法がタリクさんのツボにハマったらしい、メチャ興奮してる。
 しかし、ナビゲーションって、確か、探索魔法じゃなかったか?
 リッジが、以前話していたような…リッジ達と交流のある異世界人が、創作した魔法で、始めは通った道を覚える地図作成とかいうモノだったのを、リッジがちょっと手を貸して風の精の力を付けたら、道案内してくれるようになったとか言っていた筈だけどなぁ?

「ナビゲーションって、探索魔法ではないんですか?」

「え?ディルさんは、ナビゲーションって魔法を知っているんですか?」

「話に聞いただけですけど、長兄の知人である、転移者の魔法に長兄が風の精の力を付けたら道案内をしてくれるようになって、それをその転移者が『ナビゲーション』ていう魔法名を付けたそうです」

「あー、やっぱり使っている人いたんだ。じゃぁ、名前変えないといけないのかなぁ」

 と、悩み出した。

 リョウの説明だと、本来はその道案内の機能が正しいのだという。だけど、リョウは食べ物を調べたいけど、食材名を出されても、それがどんなものかも想像つかない、なので、リョウの目を通して観たものが、リョウが食べられるモノかどうかを教えてくれる様にしたらしい、それで案内として馴染みのある『ナビゲーション』という名を付けたそうだ。

 えーと、魔法名が一緒で属性が違う場合この世界の法則はどうなるのだろう?

「探索魔法ですか、広く考えれば、探索も鑑定と言って良いのかもしれないですよね。しかも、探索は闇魔力系列、隠密や斥候、盗賊の職種を持っている者が得意としてますからね、だから、鑑定結果を隠せたんですね」

「えっ?そうすると、リョウの『ナビゲーション』という魔法も道案内出来るんですか?」

「おそらく可能だと思いますね。ふふ、ウィル族のリッジさんの弟であるディルさんがいるということは、風の精と仲良しですよねー?」

 なっ、なんか、タリクさんの笑顔が怖いんだけど…

「え、えーと、魔力操作とかは持ってないんてすけど…」

「おや、じゃぁ、リッジさんは、魔力操作持ちなんですね。そうか、だからあんなに素晴らしい魔術変換が出来るのですね。流石です」

 何が流石なのか俺には分からないが…どうやら、タリクさんは、リッジのファンなのだろう。
 時々いるのだ。
 温和なエルフ族の冒険者は数が少ない、更に、採取者ではなく、大陸を渡りダンジョンなどの魔物専門討伐の冒険者は数えるほどしかいない、その中で、現在の最高ランク冒険者が実は長兄であるリッジなのだ。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...