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冒険者
貸し家
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日が沈む前に、シーズに戻ってギルドで報酬を貰い、お店に行くと、カウンター内にいるカトリーナさんに笑顔で招き入れられた。
奥のテーブルを繋げ、串焼きやサンドイッチ、唐揚げやポテトフライ、サラダやフルーツも並んでいる。
奥に座るリョウとクラリーちゃんは、笑顔で冒険者証明書を見せてくれた。
そして、皆で二人を祝って、大騒ぎした。
そして、次の日…
「どうですか?」
俺達は、タリクさんの案内で、冒険者用の貸し家を見て回っていた。
転移者のリョウが、無事に冒険者になり、保護者である俺と一緒にいても良いと認められたので、社宅を出ることになったのだ。始め、リョウと二人なら、牧草地帯の一画にある野営地でテントを張って生活しようと思っていたのだが、これから一緒に行動を共にする上で慣れておいた方が良いと、クラリーちゃんも一緒に住むことになったのだ。そこで、野営は止めて、家を借りることにした。
因みに、宿屋と比較してみて、三人のパーティーで、二十日以上滞在する場合は、貸し家にした方が安くなるのだ。
「ちょっと、ギルドから離れてるけど、ここなら、個室も持てて、手頃な値段だし良いですね。リョウとクラリーちゃんはどう?」
「僕も、ここが良いな。庭もあって、運動も出来そうだし」
「私も良いと思います。日当たりも良いですし、家具も手入れされて綺麗なので」
「決定だな。タリクさん、ここを借りることにしますので、手続きお願いします」
「冒険者用なので、簡単になっているんですよ。ここに、冒険者証明の番号と名前を書けば良いだけです」
タリクさんに言われた通り、番号と名前を書く。
「治安が良いので、特別注意することはないですが、もし、心配なら、結界や警報魔法は自由にしていいことになってますので、後は、魔道具のに使われている、魔力結晶石は、交換が必要ならギルドか役所に届けてくれれば、交換しますので」
「はい、分かりました。あっ、えーと、布団とかは、どこにあるんでしょう?」
「あっ、そうでした。ここに書かれている店が、冒険者用の貸し出し店になってます。一応、冒険者ランクに見合った品を置いてある店ごとに別れているので参考にしてください」
見れば、G~E、D~C、B、A、S~という感じで、枠組みがあり店の名前が書かれていた。家財道具だけではなく、武器や防具の店まで書かれてる。
「それと、これがこの家の鍵で、六人まで魔力を登録出来ます。一つでもなくした場合、この家全部の添付魔法付け替えになるので、気をつけて下さいね」
「それは…厳しいなぁ」
「ええ、ですから気をつけて下さいね」
「はい、分かりました」
「では、これで、失礼します」
タリクさんが、そう言って、家から出ていくと思っていたのだが…
「はい、今日の仕事は終わりました。ここからは、娘の付き添いです。さっ、中を整えてしまいましょう、明日から、冒険者パーティーとして、依頼を受けるんですからね」
「…」
えーと、いや、冒険者になったばかりなんで、貸し家があるとか知らなかったので、すごく助かりました。道具屋の資料も助かりました。でも…
「タリクさん、本当にありがとうございます。後は、パーティーでなんとかしますので、お引き取りください。これも、勉強なので」
「そうですよ。父様、いつまでも、世話を焼かれては、私が、成長出来ないではありませんか、私の為にも、お帰りください」
「う、クラリー…」
うわ、クラリーちゃんの言葉で、タリクさんが、クラリーちゃんを抱きしめ、泣き出してしまった。
「タリクさんがそんなことなら、次の、ニーツに行ってから、家を借りてレベル上げすることにしますよ」
「ううっ、わ、分かりました。帰ります。…クラリー、元気で、ディルさんの言うこと聞いて、無理をしないようにね。そして、立派な戦士になって、無事に帰ってきてくださいね」
いやいや、その別れの挨拶もどうかと…タリクさんの家から徒歩二十分程度だし、職場からは、三十分程度の距離ですよ…
ちょっと、想定外の流れはあったが、無事に生活環境を整えて、明日から、三人で依頼を受けることにする。
奥のテーブルを繋げ、串焼きやサンドイッチ、唐揚げやポテトフライ、サラダやフルーツも並んでいる。
奥に座るリョウとクラリーちゃんは、笑顔で冒険者証明書を見せてくれた。
そして、皆で二人を祝って、大騒ぎした。
そして、次の日…
「どうですか?」
俺達は、タリクさんの案内で、冒険者用の貸し家を見て回っていた。
転移者のリョウが、無事に冒険者になり、保護者である俺と一緒にいても良いと認められたので、社宅を出ることになったのだ。始め、リョウと二人なら、牧草地帯の一画にある野営地でテントを張って生活しようと思っていたのだが、これから一緒に行動を共にする上で慣れておいた方が良いと、クラリーちゃんも一緒に住むことになったのだ。そこで、野営は止めて、家を借りることにした。
因みに、宿屋と比較してみて、三人のパーティーで、二十日以上滞在する場合は、貸し家にした方が安くなるのだ。
「ちょっと、ギルドから離れてるけど、ここなら、個室も持てて、手頃な値段だし良いですね。リョウとクラリーちゃんはどう?」
「僕も、ここが良いな。庭もあって、運動も出来そうだし」
「私も良いと思います。日当たりも良いですし、家具も手入れされて綺麗なので」
「決定だな。タリクさん、ここを借りることにしますので、手続きお願いします」
「冒険者用なので、簡単になっているんですよ。ここに、冒険者証明の番号と名前を書けば良いだけです」
タリクさんに言われた通り、番号と名前を書く。
「治安が良いので、特別注意することはないですが、もし、心配なら、結界や警報魔法は自由にしていいことになってますので、後は、魔道具のに使われている、魔力結晶石は、交換が必要ならギルドか役所に届けてくれれば、交換しますので」
「はい、分かりました。あっ、えーと、布団とかは、どこにあるんでしょう?」
「あっ、そうでした。ここに書かれている店が、冒険者用の貸し出し店になってます。一応、冒険者ランクに見合った品を置いてある店ごとに別れているので参考にしてください」
見れば、G~E、D~C、B、A、S~という感じで、枠組みがあり店の名前が書かれていた。家財道具だけではなく、武器や防具の店まで書かれてる。
「それと、これがこの家の鍵で、六人まで魔力を登録出来ます。一つでもなくした場合、この家全部の添付魔法付け替えになるので、気をつけて下さいね」
「それは…厳しいなぁ」
「ええ、ですから気をつけて下さいね」
「はい、分かりました」
「では、これで、失礼します」
タリクさんが、そう言って、家から出ていくと思っていたのだが…
「はい、今日の仕事は終わりました。ここからは、娘の付き添いです。さっ、中を整えてしまいましょう、明日から、冒険者パーティーとして、依頼を受けるんですからね」
「…」
えーと、いや、冒険者になったばかりなんで、貸し家があるとか知らなかったので、すごく助かりました。道具屋の資料も助かりました。でも…
「タリクさん、本当にありがとうございます。後は、パーティーでなんとかしますので、お引き取りください。これも、勉強なので」
「そうですよ。父様、いつまでも、世話を焼かれては、私が、成長出来ないではありませんか、私の為にも、お帰りください」
「う、クラリー…」
うわ、クラリーちゃんの言葉で、タリクさんが、クラリーちゃんを抱きしめ、泣き出してしまった。
「タリクさんがそんなことなら、次の、ニーツに行ってから、家を借りてレベル上げすることにしますよ」
「ううっ、わ、分かりました。帰ります。…クラリー、元気で、ディルさんの言うこと聞いて、無理をしないようにね。そして、立派な戦士になって、無事に帰ってきてくださいね」
いやいや、その別れの挨拶もどうかと…タリクさんの家から徒歩二十分程度だし、職場からは、三十分程度の距離ですよ…
ちょっと、想定外の流れはあったが、無事に生活環境を整えて、明日から、三人で依頼を受けることにする。
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