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冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 17
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昨夜、精霊の話をしてから、皆の様子がおかしい。
「おいおい、皆、寝不足か?」
「うー、だって、あんな話聞いちゃったら、気になって落ち着かないよー」
目を擦り、唸るようにこぼしたリョウの言葉にバレンと烈震以外が首を縦にふる。
その様子を見て、ミンテが首をかしげる。
『バレンと烈震は、知ってたですか?』
『ギャッ』
『知ってるというか、当たり前の事なので、どう反応して良いのか…それに、私、自体が風の精霊で、幼い精霊達を取り込んで、ここまで育ちました。そこにいるココも、光の精霊の集から生まれでた者のようですけど?』
『ギャギャ』
バレンの言葉に烈震が頷いている。
『ええ?そうなのですか?』
「ミンテちゃん、どうしたの?何、大きな声だしてるの?」
?…ああ、バレンの言葉は、リョウ達にはきこえないのだっけ…
『えーと、ココも光の精霊だったですか?』
「「え?」」
ミンテの言葉を受けて、皆から視線を向けられたココが首を横に振っている。
『え?え?え?知らないですよ。そんなの、聞いてないです。モンディール様に創られて、クラリーを助けるように言われただけで…え?精霊?ココも精霊?』
メチャクチャ動揺し、目を丸くしてオタオタしている。かわいいなー。
「神々が魔獣を創る場合、生まれたばかりの精霊を集めて創るから、その時の記憶はないよ。それに、光の精霊だけで出来ているわけではないし、肉体を与えられた時点から、個としての始まりとされるみたいだよ」
「はぁー、では、ココは、精霊というわけではないのですね。でも、全ては、精霊から始まるわけですね」
「そうなるね。ちなみに、まだ肉体を持っていない、バレンは、風の精霊だそうだ」
「だから、普段は見えないように出来るわけか、うーん、それに、他にも目に見えないけど、精霊達が居て、僕たちは精霊達を取り込んで生きている?でも、精霊達を殺してる訳ではない?」
「おお、理解してるじゃないか」
「ううん、分からないよ。昨日、ディルが言ったことを、言っただけ!」
「はい、私も、言葉としては、言えますが…理解してるとは、言えないですね。自我を持たない精霊という者達をどう考えれば良いのかさっぱり分かりません」
うーん、そうなのか…俺は、それが当たり前で育ったからなぁ、普通に食べる食事と、同じ様に、精霊を取り込み成長するのだと思っていた。食事によるものは口から入れてかみ砕き、身体の栄養分にする。
精霊の場合は、魔力に溶け込んできて、必要な者は残り、必要で無いものは、去っていく。
「今から、この塩漬け肉でスープを作ろうと思う。これは、リノ牧場で買ってきた鳥肉だ。そして、昨日採った森の恵みも入れるし、乾燥させたアリウム類も入れるし、クラリーちゃんが採ってきた塩漬けクレソンも入れよう。こうなる前は、全て生きていた者だよね?」
「「あっ」」
「リョウが言っていた食事前の言葉も、食材や作ってくれた人に感謝する意味があるとか言ってなかったか?」
「う、うん。ばあちゃんにそう言われたけど…あんまり考えたことなかった…そうだよね。食べ物もそうだけど、着ているものも、道具も、全て他の生き物たちから貰っているね…」
「精霊達も同じということですね」
「まぁ、そんな感じかな。だから、今までと同じでいいよ。二人とも、通常よりスキルが多いから、精霊達に愛されてる証拠だしね」
「え?スキルには、そんな秘密が?」
「秘密?」
『ディル様、通常、私達の存在を認識出来る事はありませんから、皆、その事は知りませんよ』
「そうだったのか…えーと、まぁ、うん、スキルや、使える魔術が多い人は、精霊達に愛されてる者が多いよ。ただ、知られてはないらしいから、発言は気を付けた方がいいのかも…」
「あっ、だから、精霊達に調理を任せると効能が付くのか、でも、あんまり任せちゃうと、疲れるかな?」
おや?今のリョウの言葉は、精霊達に気に入られた様だ。多くの精霊がスープ作りを手伝いに来てくれた。
そういう事だったのか…鑑定出来ないから、知らなかったけど、精霊が手伝ってくれるのは、そう意味があったんだ。
教えてくれれば良いのに…
そんなわけで、今朝のスープには疲労回復(大)が付いたものになった。
「うん、良し!頑張る」
夜営の片付けをし、今日の予定を話すと、リョウが、妙に張りきりだした。
「どうした?そんなに気合い入れて」
「え?だって、頑張って、いろんな精霊達と仲良くなれれば、ディルみたいになれるかもしれないんでしょ?」
「俺みたい?」
「精霊や魔獣が寄ってくる人」
「はぁ?」
『キュキュキュ』
『クックックッ』
リョウの意味不明な言葉に、何故か、烈震とバレンが笑いを漏らした。そして、頭の上に居た烈震が、重力操作をし、頭から離れふよふよと、リョウに向かっていった。
「え?え?烈震くん、触らせてくれるの?」
「烈震くん?」
一億年以上生きている竜王に向かって、くんって…
「烈震って、男の子みたいな名前じゃん。だから、烈震くんじゃないの?」
『カッカッカー』
ついに、バレンは大笑いを始めてしまった。
「バレン!耳元でうるさい!」
『こっ、これは、失礼しました。申し訳ありませんでした。つい…ククッ』
「ん?ディル、どうしたの?」
「いや、どうやら、バレンと烈震は、リョウが気に入ったようだよ」
「え!本当に?」
そう言ってリョウが伸ばした腕の中に、烈震がおさまり、目を細め、コロコロと喉を鳴らしている。
猫科の様だ…
「かわいい…、アースドラゴンっていうから、重いかと思ったけど、そんなことないんだね」
「地属性の者の多くは、重力操作を持っているから、体重変化は自由自在だよ」
「おお!…ん?…んん?わっ」
リョウの腕の中で、イタズラなのか、重力操作を止めたらしい烈震がズドンと地面に落ちた。
『ウギャー』
『落とすなんて失礼だと言ってますよ』
「急に重たくなった。やっぱり、嫌われた?」
「違うぞ、それが、本来の重さだ」
「やっぱり、重いんだ…」
「ほら、遊んでないで、薬草採取に行くぞ」
「おいおい、皆、寝不足か?」
「うー、だって、あんな話聞いちゃったら、気になって落ち着かないよー」
目を擦り、唸るようにこぼしたリョウの言葉にバレンと烈震以外が首を縦にふる。
その様子を見て、ミンテが首をかしげる。
『バレンと烈震は、知ってたですか?』
『ギャッ』
『知ってるというか、当たり前の事なので、どう反応して良いのか…それに、私、自体が風の精霊で、幼い精霊達を取り込んで、ここまで育ちました。そこにいるココも、光の精霊の集から生まれでた者のようですけど?』
『ギャギャ』
バレンの言葉に烈震が頷いている。
『ええ?そうなのですか?』
「ミンテちゃん、どうしたの?何、大きな声だしてるの?」
?…ああ、バレンの言葉は、リョウ達にはきこえないのだっけ…
『えーと、ココも光の精霊だったですか?』
「「え?」」
ミンテの言葉を受けて、皆から視線を向けられたココが首を横に振っている。
『え?え?え?知らないですよ。そんなの、聞いてないです。モンディール様に創られて、クラリーを助けるように言われただけで…え?精霊?ココも精霊?』
メチャクチャ動揺し、目を丸くしてオタオタしている。かわいいなー。
「神々が魔獣を創る場合、生まれたばかりの精霊を集めて創るから、その時の記憶はないよ。それに、光の精霊だけで出来ているわけではないし、肉体を与えられた時点から、個としての始まりとされるみたいだよ」
「はぁー、では、ココは、精霊というわけではないのですね。でも、全ては、精霊から始まるわけですね」
「そうなるね。ちなみに、まだ肉体を持っていない、バレンは、風の精霊だそうだ」
「だから、普段は見えないように出来るわけか、うーん、それに、他にも目に見えないけど、精霊達が居て、僕たちは精霊達を取り込んで生きている?でも、精霊達を殺してる訳ではない?」
「おお、理解してるじゃないか」
「ううん、分からないよ。昨日、ディルが言ったことを、言っただけ!」
「はい、私も、言葉としては、言えますが…理解してるとは、言えないですね。自我を持たない精霊という者達をどう考えれば良いのかさっぱり分かりません」
うーん、そうなのか…俺は、それが当たり前で育ったからなぁ、普通に食べる食事と、同じ様に、精霊を取り込み成長するのだと思っていた。食事によるものは口から入れてかみ砕き、身体の栄養分にする。
精霊の場合は、魔力に溶け込んできて、必要な者は残り、必要で無いものは、去っていく。
「今から、この塩漬け肉でスープを作ろうと思う。これは、リノ牧場で買ってきた鳥肉だ。そして、昨日採った森の恵みも入れるし、乾燥させたアリウム類も入れるし、クラリーちゃんが採ってきた塩漬けクレソンも入れよう。こうなる前は、全て生きていた者だよね?」
「「あっ」」
「リョウが言っていた食事前の言葉も、食材や作ってくれた人に感謝する意味があるとか言ってなかったか?」
「う、うん。ばあちゃんにそう言われたけど…あんまり考えたことなかった…そうだよね。食べ物もそうだけど、着ているものも、道具も、全て他の生き物たちから貰っているね…」
「精霊達も同じということですね」
「まぁ、そんな感じかな。だから、今までと同じでいいよ。二人とも、通常よりスキルが多いから、精霊達に愛されてる証拠だしね」
「え?スキルには、そんな秘密が?」
「秘密?」
『ディル様、通常、私達の存在を認識出来る事はありませんから、皆、その事は知りませんよ』
「そうだったのか…えーと、まぁ、うん、スキルや、使える魔術が多い人は、精霊達に愛されてる者が多いよ。ただ、知られてはないらしいから、発言は気を付けた方がいいのかも…」
「あっ、だから、精霊達に調理を任せると効能が付くのか、でも、あんまり任せちゃうと、疲れるかな?」
おや?今のリョウの言葉は、精霊達に気に入られた様だ。多くの精霊がスープ作りを手伝いに来てくれた。
そういう事だったのか…鑑定出来ないから、知らなかったけど、精霊が手伝ってくれるのは、そう意味があったんだ。
教えてくれれば良いのに…
そんなわけで、今朝のスープには疲労回復(大)が付いたものになった。
「うん、良し!頑張る」
夜営の片付けをし、今日の予定を話すと、リョウが、妙に張りきりだした。
「どうした?そんなに気合い入れて」
「え?だって、頑張って、いろんな精霊達と仲良くなれれば、ディルみたいになれるかもしれないんでしょ?」
「俺みたい?」
「精霊や魔獣が寄ってくる人」
「はぁ?」
『キュキュキュ』
『クックックッ』
リョウの意味不明な言葉に、何故か、烈震とバレンが笑いを漏らした。そして、頭の上に居た烈震が、重力操作をし、頭から離れふよふよと、リョウに向かっていった。
「え?え?烈震くん、触らせてくれるの?」
「烈震くん?」
一億年以上生きている竜王に向かって、くんって…
「烈震って、男の子みたいな名前じゃん。だから、烈震くんじゃないの?」
『カッカッカー』
ついに、バレンは大笑いを始めてしまった。
「バレン!耳元でうるさい!」
『こっ、これは、失礼しました。申し訳ありませんでした。つい…ククッ』
「ん?ディル、どうしたの?」
「いや、どうやら、バレンと烈震は、リョウが気に入ったようだよ」
「え!本当に?」
そう言ってリョウが伸ばした腕の中に、烈震がおさまり、目を細め、コロコロと喉を鳴らしている。
猫科の様だ…
「かわいい…、アースドラゴンっていうから、重いかと思ったけど、そんなことないんだね」
「地属性の者の多くは、重力操作を持っているから、体重変化は自由自在だよ」
「おお!…ん?…んん?わっ」
リョウの腕の中で、イタズラなのか、重力操作を止めたらしい烈震がズドンと地面に落ちた。
『ウギャー』
『落とすなんて失礼だと言ってますよ』
「急に重たくなった。やっぱり、嫌われた?」
「違うぞ、それが、本来の重さだ」
「やっぱり、重いんだ…」
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