異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 47

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「どうしたの?」

 思わず声が出てしまい、リョウが心配そうに聞いてくる。

「ココなんだが、更に進化するみたいだ。しかも、次の進化で、神に近しモノになるらしい」

「えーと、神に近しモノというのは、竜王や雪の女王みたいな感じになるってこと?」

「そうだ。しかも、そうなると、リョウが前に言っていた部位欠損を治す魔法を使えるようになるらしい…」

 神候補については、兆候がみえたらでいいだろう…俺の不死についても…。

「おおー、ココちゃんスゴーい。漫画で読んでた話の聖女みたいな感じなんだね。そうなると、僕達、勇者パーティーみたいになるの?あっ、でも、勇者ってあんまり良いイメージないなぁ…」

 リョウが何やら呟いてる。

「勇者っていうのはどういったお方なのです?」

「勇者って、凄い魔法が使えて、剣技も凄い、国とか、教会で認められた戦士?で良いのかな?」

「えーと、英雄とは違うのですか?」

「んーと、英雄は、凄い功績をあげた人の事を言うんじゃなかったかな?勇者は、竜や魔王を退治にいく為に選ばれた人みたいな感じだったような…」

「ぎゅ?」

「あっ、いや、もちろん、普通に暮らしてる竜じゃなくて、悪い事をしてる竜、邪竜とか言われてる竜とか、悪い事をしている魔族の王さまという意味だよ。この世界とは、違うところには、そういった者に困らされてる人が居るんだよ!」

「ぎゃーぁ?」

「ほ、本当だよ」

 凄いな、通訳されてないのに、会話になっている気がする。

「そういう悪いモノ達を退治しに行くのに、何で、イメージが悪いんだ?」

「どうしてかは知らないけど、物語に出てくる勇者って性格が悪く書かれてるのが多かったよ。あれ?そういえば何でだろう?」

「ニホンというのは不思議な所なのだな」

「だね」

 ココの進化とリョウの勇者発言で、俺の事が有耶無耶になるかと思いきや…

『あのう、落ち着いたところで宜しいでしょうか?』

 大きな姿のバレんが声をかけてきた。

「バレン、どうした?」

『先程のディル様の魔力の解放により、地上に影響が出ているようなのですが…』

「え?状況とか分かるのか?」

『広い範囲で土砂崩れが起こったと知らせが来ました。この洞窟の入り口も塞がれているそうです』

「閉じ込め…いや、俺がやったのか…空気の精霊達を呼ぶことは簡単だが、外の様子が気になるし、ここから出ることにしようか」

「ぎゃーぎゃぁ」

「父さんが先に行くそうッス」

 ふわりと浮いた烈震が入口を目指すが、一旦、ミンテの前で止まってから、バレンに向き何かを伝える。

『ミンテ、後で烈震様が指導してくださるそうなので、今は、ディルの影に入っているようにだそうです』

 バレンの言葉を聞き安心した顔つきになったミンテが、スーと俺の影に入ってきた。

「ん?どういう事だ?」

『ミンテは、ディル様の従魔ですのでココ以上に影響を受けております。しかし、まだ、幼い為、いきなり膨れ上がった力が制御出来ないようです』

「つまり、さっきの大きさから、元の大きさに戻れなくなっているのか?」

『そうです』

「うわっ、ミンテ、ゴメン。辛いよなぁ…」

『ビックリしたの、なんか、身体の中がゾワゾワして気持ち悪いの、でも、痛いとかないから大丈夫」

「どういう状況なのか分からないけど、影の中で休めるなら休んでいてくれ」

『はいなの、ちょっと、休ませてもらうの』

「ああ、バレンは、大丈夫なのか?」

『私は、まだ肉体を持ってませんので、なんとか…しかし、少々困った事になりそうです』

「は?何?」

『今は、ちょっと…少し様子を見させて下さい。落ち着きましたら、報告します』

「わ、分かった…」

 な、なんだろう?これって、ヤバイよなぁ…

 じいちゃんなら、分かるのかな?

「ぎゃーう」

「どうしたッスか?早くいきましょ」

 地竜親子に促され来た通路を戻ったのだが、直ぐに行き止まりになる。しかし、ウチには、地竜の最上位の竜王が居るのだ。それは、もう何の心配もなく、新たに掘られた穴を難なく進む。
 すると、明らかに来たときよりは短い距離で、外に出ることになった。

「う、これは…」

「うわっ、え?え?集落は?」

「集落は、聖域になってますから、大丈夫のようです」

「え、ホントだ。って…見えちゃうんだ…」

 リョウが、変な驚き方をしているが、気持ちは分かる。集落からこの洞窟まで、百メートル程の距離なのだが、木々が生い茂る森だったのだ…それが、かなり上の方から崩れたらしく、周りの木々は土に流され下方で横になっていて、この場から、集落の灯りが見えるようになっている。

 崩れた所に生き埋めになってしまったモノが居ないか確かめ、まだ、崩れやすくなっている地面を烈震に安定させてもらい、集落に戻る。

「おお、無事だったのか!」

「さすが、加護持ちはちがうな」

「良かったぁ」

 集落に入ると皆が神木の所に集まっていた。
 
 理由を聞くと、聖域とはいえ、かなり揺れたらしい。そして、その揺れが収まり、回りを見れば、木々が見えなくなっていて、慌てて外に飛び出し、大規模な土砂崩れが起きたことが分かった。夕方だったので、外に出ていた者の大半は戻って来たが、俺達の姿は見えない。
 更に、回りを伺えば、俺達が入った洞窟の上から崩れているのが分かった。
 地竜の長である烈震がいるし、加護持ちだから大丈夫とは思ったが、心配になり、神木に向かい無事を祈っていてくれていたらしい…

 説明の最後の方が、照れ隠しなのか、小さい声になり、ハッキリと言ったわけではないが、そういうことなのだろう。

「ご心配おかけしました。皆さんの言うように烈震がいたので、怪我一つなく戻れました。それと―」

「ぎぎゃ」

「麓の方は大丈夫ッスか?」

 俺の言葉を、地竜親子が遮る。


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