異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 46

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「ザゼンって?」

「コクヨウさん達に教えてもらった修行の一つだよ。ニホンにもあって知ってはいたけど、ちゃんと、やったのは昨日が初めてだった」

「どんなものなんだ?」

「見た方が早いッスよ。この先に、開けた場所があるから、そこでやりましょ。ついでに、今日は、ここで野営ッスね」

 何やら、地竜の剣がノリノリだ。ザゼンというのはそんなに楽しいものなのか?

 地竜親子の案内で、洞窟内の開けた場所へ、集落の修練場程の広さがあった。そこに、烈震が結界を張り、その一角にリョウ達を連れていき、壁から一メートル程離れたところで、壁に向かってリョウ達を座らせた。

 ああ、モンディールが言っていた瞑想か、ミンテは普通のお座りだが、リョウは、靴を脱ぎ、左の足先を右ももに、右の足先を左ももに置いて、足裏が見えるように足を組んで、目を閉じた。

 俺とクラリーちゃんは、その横に行き真似て座る。
 クラリーちゃんは、身体が柔軟なので、直ぐに足も組めたのだが、俺は、硬くて片方の足を上に上げることが出来なず、一人ジタバタしてると、地竜親子に呆れられ「無理なら、上げなくてもいいッス…」と、言われてしまった。

 ココはミンテと同じく普通にクラリーちゃんの隣でお座りし、ユキは皆を見て回って落ち着かず。バレンは、肩から降り、俺の隣で壁に向かい目を閉じた。

「ユキちゃんは、皆の邪魔しちゃいけないッスよぉ、こっちに来て、見ているッス。来る途中で見つけたサルナシでも食べてるッス」

 地竜の剣が俺達の後ろでユキを呼びおやつを与えるらしい…と、考えたら、右肩に何やら固いモノが当たった。

「ギュル」

「あー、肩にそれが当たったら、ちょっと逆に首を傾げて下さい」

 地竜親子の声に頷き首を傾げると―

 バシンッ

 と、何かで叩かれた。

 慌てて振り向くと、宙に浮かぶ長さ三十センチ、幅六、七センチ程の薄い板。
 どうやら。これで叩かれたらしい…

 リョウ以外は、驚きの表情で、こちらを見ている。

「あー、振り向いちゃダメッスよ。これは、雑念を払い、自分と向き合う為のものなんで、正面を向いたままで、自分の心を落ち着かせるッスよ」

 雑念を払い、自分と向き合うね…

 あまり思考しない方がいいのかな?取り敢えず、内面に意識を向け、ゆっくり息を吐き、次は、ゆっくりと吸う。余計なことを考えないように、呼吸をすることだけに集中してみる。

 …………………………………………………


「グワギャァァー」

 !

 物凄い威圧を感じ、慌てて辺りを見ると、目の前に大きくなった烈震の顔があり、大口開けている。

「え?どういうこと?俺を食べるきか?」

 そう言うと、ギロリと俺を睨み付け、ガフンとため息のように息を吐き、いつもの大きさに戻った。

 なんなんだと回りを見ると、六坪位の広さだった洞窟の空間が、倍以上に広がっており、俺から一番離れた入口の穴の中に子供達が居るようで、ユキの泣き声と、リョウとクラリーちゃんの慰めてるような声が聞こえ…その入口のを塞ぐように、バレンが、大きな姿になり羽を広げ、その横で、ミンテも大きく…五メートル近い姿で、驚きの表情で俺を見ている。

「どうしたんだ?何があった?」

「ギャルル…」

「えっと…ディル…様?は、坐禅や瞑想しないようにして欲しいッス…」

 烈震にしがみつき、怯えた顔で地竜の剣が、そう言ってきた。

「…どういう事だ?」

「わ、分かんないッスけど…ディル様の呼吸が安定してきたとたん、魔力が膨らみ出して、ワレらを押し退け、父さんの結界も壊したかと思ったら、空間までもどんどん広げていって、凄い圧で壊れるかと思いました!バレンとミンテは、耐えられる様だったので、リョウ達の守りをさせて、父さんが、威圧の威力を上げて、ディル様の坐禅を止めさせてもらいました!」

 余程怖かったのか、震えながら、しゃべり方もおかしくなった地竜の剣の説明を聞き、訳が分からないながらも、俺のセイなのだということだけは、分かった。

「参ったなぁ…自分のことだけど、訳が分からない。地竜親子は、長く生きてるのだから、何か思い当たる事あるかい?」

 目の前の親子揃って、首を横にふるが、そんなに、激しくふらなくてもよくないかい?
 ぶんぶんと音がしそうだよ…

「ディル?もう、大丈夫?」

 バレンとミンテの間から、青い顔をしたリョウが聞いてきた。

 そんなに怖かったのか…参ったなぁ…

「ああ、大丈夫だ。瞑想とかしなければ問題ないらしい」

 俺の言葉を聞き、大きく息を吐き出すと、後ろに向かって声をかけた。すると、バレンとミンテの間から、リョウを先頭にユキを抱っこしたクラリーちゃんと、ココ…あれ?

「ココ…なのか?」

 白い猫科の魔獣というのは変わらないが、容姿が…長毛のふわふわだった毛が、短くビロードの様な感じになり、その為なのか、顔つきも少しシャープになって、大きいけど可愛かったココが、なんだか、威厳のある姿になってしまっている。

『ディル様の魔力に当たり進化したようです』

「は?進化?」

「セントパンサーだって、光属性の魔法が全て、上級になってるよ」

 リョウが鑑定したのだろう、説明してくれるが、ゴメン、俺の頭がついていけない…

「光属性、全部が上級?」

「そう、ちょっと、待ってね」

 そう言って、リョウがココに向かい鑑定魔法を詠唱する。

◇セントパンサー◇

 火の大精霊であり神であるモンディールにより創られた魔獣。
 レベル上昇により第二形態へ進化。

 光属性魔法 全て(上級)

 ディル様へ

 モンディール様が創られたので、詳しくは視ることは出来ませんが、もう何段階か進化するようです。因みに、次の進化で、部位欠損も治せるようになるようです。

『…えっと、先ず、どなたです?』

 …ナビという事で、よろしいかと愚考します。

 愚考って…

 えっと…聞いちゃいけない事なのか?

『えっと、部位欠損を治せる魔法なんてあるの?』

 光属性を持つモノが、神になる手前まで成長すれば覚えることが出来ます。

『!、って、ココって、神候補なのか?』

 おそらく…空の統治者候補と思われます。

「はぁ?」


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