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新たな旅立ち
ダンジョン創り 8
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集落に戻ると…
「今回はなんですか?」
貸部屋の入り口に、また人が集まっていた。
「今回も、ダンジョンの魔物の試作なんですが、見てください、木の妖精をモチーフにして創ったみたいなんですが、可愛いんですよ」
部屋を覗くと、さまざまな太さの苗木の様な小さな木々が根っこの足を使いトコトコと歩いている。中には、ほぼ人と変わりない姿で、髪の部分に葉が生い茂っていたり、下半身が根っこになっていて、葉や花を連想させる可愛らしい衣装を身に纏っていたり、根菜のような姿で手や足の様になっていて烈震達と遊んでいるモノも居る。
「た、ただいま」
「あ、おかえりなさい」
更に、魔物と思われる絵を描きながら、リョウが答えてくれた。それに、頷きだけかえし、じいちゃんの方に向かい。
「ダンジョンの魔物の試作と聞いたけど…」
チラリと烈震達を見て。「あれは、大丈夫なの?」と、小声で聞いてみる。
「ああ、あれば、危機管理の為のモノじゃ。実物の十分の一程の力で…まぁ、気絶ぐらいで済むようになっておる。あっちも、十数分程度の足止め効果しかないから安心しろ」
烈震達と遊んでいるのは、どう見てもマンドラゴラで、ユキとミンテに乗ってはしゃいでるのはアルラウネの苗(って、言っていいのか?人で言えば子供だな)…現実にいるのは、良い薬が作れるから高値で取引される植物系で繁殖力もそれなりの魔獣。しかし、命の危険が伴うから、とても、初級者が相手に出来る魔獣ではないのだが…
攻撃の仕方は本物と変わりなく、予行練習させるための魔物らしい。後は、薬作りを楽しむ為の素材を落とすようにするそうだ。
あくまでも、冒険の基礎を教えるのが目的だから命の危険は少ないと言う。
トレントの苗木達の能力も、小妖精のイタズラ程度のものだそうだが、そのイタズラで命の危険があるんだけどなぁ…
「他にも、そういった魔物が居るの?」
「ふむ、マクーにおる、バジリスクや、ゲトーのヒュドラ、エンプのハティを模したモノ達がおるぞ」
「は?本当に命の危険はないんだよな?」
「その予定じゃが…絶対ではないな。地上人は、石につまずいただけでも、死ぬことがあるからのう」
いや、そんな極端な例を出されても…
「ま、まぁ、設定上、即死レベルの魔術を使う魔物はいないという事でいいの?」
「そうじゃ。バジリックは、少しの間、硬直させるだけだし、ヒュドーラも、麻痺させるだけじゃ。ハーティなんぞ、月の様な丸い焼き菓子を与えれば、一番近くにある宝箱へ案内してくれるぞ」
微妙に名前を変えてあるんだ…
「え?ハティは、仲間に出来るの?」
「ふふ、面白いじゃろう?菓子を与えて宝箱へ案内する間だけじゃがな。その代わり、与える菓子がない者が出会えば、容赦なく襲ってくるし、追跡能力も高いぞ。下手に逃げれば、他の魔物と挟まれる恐れもあるのう」
「んー、その菓子を用意する事…いや、その前に、その情報を得る大切さを身に付けさせるのか」
「そういう事じゃな」
「でも、宝箱を見つけた後に、また、焼き菓子与えたらどうなるの?」
「宝箱を見つけた時点で、一旦消えることになっておる。ぬかりはないぞ」
ん?何故かじいちゃんがドヤ顔してるが、リョウが意見したのだろう。
「罠とかも、もう設置してあるの?」
「それは、魔族の魔道具に頼ることになっておって、三日後に届くことになっておるから、その時に、お前達とダンジョン内を見ながら、バランスを考え設置する予定じゃから、よろしく頼むぞ」
「え?それで、完成?」
「一応な、後は、一般の冒険者に試してもらい、微調整だな」
「早いなぁ。ちょっと、メリロットに連絡して、試してもらう冒険者集めしてもらってくるよ。いつ頃からにする?」
「そうじゃのう…初めての事じゃし、時間をかけた方が良かろう。一ヶ月後からで、どうじゃ?」
「それで、良いの?創るペースが早いから、急ぎかと思ったけど?」
「だてに、長年、神をやっとらんぞ、ちゃんと、地上人のペースというものも把握しとる」
地上での事は、パッと済ませて、後は観察にまわるだけかと思っていたけど、神々にしては、慎重にやるんだなぁ…でも、メリロットの感覚だと、これでも早いのかな?
取り敢えず、連絡してこよう。と、再び外に出ようと席を立ち、チラリとリョウの手元を見ると…
「リョウ、ちょっと待て、まさか、それがラスボスというのになるんじゃないだろうな?」
「その予定だけど?ダメかな?」
「俺には、猪に見えるんだが、初級者に相手させるのか?」
「やっぱり、猪系って強いの?」
「ああ、そういったモノが好きな神がいるからな…中には、人喰い大猪なんてのもいて、烈震の相手が出来る程のモノもいるぞ」
「え、そんなに強いの?」
俺とリョウで、烈震を見ると『ぎゃーグルル…ガウルル』と首を横にふった。
「勝てなくはないけど、厄介だから戦いたくないみたいッスね」
「うわっ、そうなんだ…普通の猪のちょっと大きい版て、感じにするのはどう?」
「…かなり厄介な相手だが、直ぐに倒されても困るわけだろ?じいちゃん、そういう強さの調節とかも出来るの?」
「そうじゃのう、少しぐらいの幅は持たせられると思うぞ。今の冒険者のランクから言えば、DからB位にしておけば良いかのう?」
「そういう事なら大丈夫かな?」
「そうだね。様子見ながら、調整していくしかないかもしれない」
「まぁ、初めての事だしのう、色々やってみるしかないのう」
「今回はなんですか?」
貸部屋の入り口に、また人が集まっていた。
「今回も、ダンジョンの魔物の試作なんですが、見てください、木の妖精をモチーフにして創ったみたいなんですが、可愛いんですよ」
部屋を覗くと、さまざまな太さの苗木の様な小さな木々が根っこの足を使いトコトコと歩いている。中には、ほぼ人と変わりない姿で、髪の部分に葉が生い茂っていたり、下半身が根っこになっていて、葉や花を連想させる可愛らしい衣装を身に纏っていたり、根菜のような姿で手や足の様になっていて烈震達と遊んでいるモノも居る。
「た、ただいま」
「あ、おかえりなさい」
更に、魔物と思われる絵を描きながら、リョウが答えてくれた。それに、頷きだけかえし、じいちゃんの方に向かい。
「ダンジョンの魔物の試作と聞いたけど…」
チラリと烈震達を見て。「あれは、大丈夫なの?」と、小声で聞いてみる。
「ああ、あれば、危機管理の為のモノじゃ。実物の十分の一程の力で…まぁ、気絶ぐらいで済むようになっておる。あっちも、十数分程度の足止め効果しかないから安心しろ」
烈震達と遊んでいるのは、どう見てもマンドラゴラで、ユキとミンテに乗ってはしゃいでるのはアルラウネの苗(って、言っていいのか?人で言えば子供だな)…現実にいるのは、良い薬が作れるから高値で取引される植物系で繁殖力もそれなりの魔獣。しかし、命の危険が伴うから、とても、初級者が相手に出来る魔獣ではないのだが…
攻撃の仕方は本物と変わりなく、予行練習させるための魔物らしい。後は、薬作りを楽しむ為の素材を落とすようにするそうだ。
あくまでも、冒険の基礎を教えるのが目的だから命の危険は少ないと言う。
トレントの苗木達の能力も、小妖精のイタズラ程度のものだそうだが、そのイタズラで命の危険があるんだけどなぁ…
「他にも、そういった魔物が居るの?」
「ふむ、マクーにおる、バジリスクや、ゲトーのヒュドラ、エンプのハティを模したモノ達がおるぞ」
「は?本当に命の危険はないんだよな?」
「その予定じゃが…絶対ではないな。地上人は、石につまずいただけでも、死ぬことがあるからのう」
いや、そんな極端な例を出されても…
「ま、まぁ、設定上、即死レベルの魔術を使う魔物はいないという事でいいの?」
「そうじゃ。バジリックは、少しの間、硬直させるだけだし、ヒュドーラも、麻痺させるだけじゃ。ハーティなんぞ、月の様な丸い焼き菓子を与えれば、一番近くにある宝箱へ案内してくれるぞ」
微妙に名前を変えてあるんだ…
「え?ハティは、仲間に出来るの?」
「ふふ、面白いじゃろう?菓子を与えて宝箱へ案内する間だけじゃがな。その代わり、与える菓子がない者が出会えば、容赦なく襲ってくるし、追跡能力も高いぞ。下手に逃げれば、他の魔物と挟まれる恐れもあるのう」
「んー、その菓子を用意する事…いや、その前に、その情報を得る大切さを身に付けさせるのか」
「そういう事じゃな」
「でも、宝箱を見つけた後に、また、焼き菓子与えたらどうなるの?」
「宝箱を見つけた時点で、一旦消えることになっておる。ぬかりはないぞ」
ん?何故かじいちゃんがドヤ顔してるが、リョウが意見したのだろう。
「罠とかも、もう設置してあるの?」
「それは、魔族の魔道具に頼ることになっておって、三日後に届くことになっておるから、その時に、お前達とダンジョン内を見ながら、バランスを考え設置する予定じゃから、よろしく頼むぞ」
「え?それで、完成?」
「一応な、後は、一般の冒険者に試してもらい、微調整だな」
「早いなぁ。ちょっと、メリロットに連絡して、試してもらう冒険者集めしてもらってくるよ。いつ頃からにする?」
「そうじゃのう…初めての事じゃし、時間をかけた方が良かろう。一ヶ月後からで、どうじゃ?」
「それで、良いの?創るペースが早いから、急ぎかと思ったけど?」
「だてに、長年、神をやっとらんぞ、ちゃんと、地上人のペースというものも把握しとる」
地上での事は、パッと済ませて、後は観察にまわるだけかと思っていたけど、神々にしては、慎重にやるんだなぁ…でも、メリロットの感覚だと、これでも早いのかな?
取り敢えず、連絡してこよう。と、再び外に出ようと席を立ち、チラリとリョウの手元を見ると…
「リョウ、ちょっと待て、まさか、それがラスボスというのになるんじゃないだろうな?」
「その予定だけど?ダメかな?」
「俺には、猪に見えるんだが、初級者に相手させるのか?」
「やっぱり、猪系って強いの?」
「ああ、そういったモノが好きな神がいるからな…中には、人喰い大猪なんてのもいて、烈震の相手が出来る程のモノもいるぞ」
「え、そんなに強いの?」
俺とリョウで、烈震を見ると『ぎゃーグルル…ガウルル』と首を横にふった。
「勝てなくはないけど、厄介だから戦いたくないみたいッスね」
「うわっ、そうなんだ…普通の猪のちょっと大きい版て、感じにするのはどう?」
「…かなり厄介な相手だが、直ぐに倒されても困るわけだろ?じいちゃん、そういう強さの調節とかも出来るの?」
「そうじゃのう、少しぐらいの幅は持たせられると思うぞ。今の冒険者のランクから言えば、DからB位にしておけば良いかのう?」
「そういう事なら大丈夫かな?」
「そうだね。様子見ながら、調整していくしかないかもしれない」
「まぁ、初めての事だしのう、色々やってみるしかないのう」
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