異世界人拾っちゃいました…

kaoru

文字の大きさ
144 / 149
新たな旅立ち

ダンジョン創り 17

しおりを挟む
「そうだ。もう一回いくぞ。クラリー、準備をしろ」

「はい」

 て、だから!甲冑着けて、そんなに身軽に動かないでよ。俺の常識が、常識で無くなってくるな…リョウと違って、同じ世界のエルフにんげんのハズなのに…

 早々、準備をしたクラリーちゃんの前に、先程と同じようなサラマンダーが出現し、先程と同じように、サラマンダーの攻撃を避けつつ、隙を狙って攻撃し、傷をつけていく。そして、動きが早く破壊力のある尻尾を先ず切り落とし…あの動きで、またも、一刀か…

「あれ?もしかして、剣が新しくなってる?」

「今頃、気づいたか、まぁ、型は同じだからな。今回の練習用に、ヘパイトスに打ってもらったのだ」

「はぁ?いやいや、それオカシイよね?練習用の剣を神様に打ってもらうなんてあり得ないから!」

「ちっ、他の地上人と同じ様なことを言うようになったな。お前だって、もうすぐ仲間入りするんだ。これぐらい、慣れておけ」

 え?舌打ちされた?しかも、これぐらいって…

「あ、ほれ、お前が、ごちゃごちゃうるさいから、一番のところを見逃したではないか」

 そう言われ、俺も慌てて、視線をクラリーちゃんの方に戻すと、またも、首を落とされたサラマンダーが横たわっている。そして、おっさんの魔力と精霊達で創られたサラマンダーは、フッと姿が消えた。
 ダンジョンの魔物と一緒で、殺られたと認識すると、消える設定だったらしい。

「もう、あの剣で良いんじゃない?」

「いや、あれは練習用なのだ。そんな剣を与えたとあっては、ワシがヘパイトスに叱られてしまう」

「じゃぁ、竜王の鱗でヘパイトス様に打ってもらうのは可能?」

「ドワーフに頼まんで良いのか?」

「ドワーフには、俺のだけでいいよ」

「よし、ヘパイトスに、クラリー用のを打ってもらうとしよう。盾もだな。フフフ、母親を越える重戦士になるな、将来が楽しみだ」

 !?

「母親を越える…って?え?カトリーナさんも盾持ち?」

「そうだ。成人したての頃に、お前の様に冒険者になって、料理修行と食材探しで、世界を回っておったのだ」

「ああ、だから、クラリーちゃんの剣の相手が出来たのか…」

「そういうことだな。まぁ、すでに剣の腕前は、カトリーナを越えておる。僥倖、僥倖」

 なんかおっさんが、機嫌良く頷いてる。
 そこに、クラリーちゃんが戻ってきて、おっさんから何やら注意点を聞いている。

「ディル、ディル、ユキも戦ってみたいです。クラリーみたいに、ズバーでやりたいです」

 ズバーって…

「ユキも、剣を持ちたいの?」

「えーと、これで良いです」

 これで、と言われても、頭の上で魔力の動きは感じ取れたが、それがなんなのか分からない。
 ユキに、肩から下りてもらい向き合うと、手に氷で創られた剣を手にしてた。いや、ユキのサイズで言えば剣だが、俺達からすると、大きめのナイフだな。

「これで、サラマンダー相手は、ちょっと厳しくないかな?」

「大丈夫です。見ててください」

 ユキはそう言うと、近くにあった大岩に向いて剣を構えて飛び上がり、上段から剣を振り抜いた。
 剣の先から、風魔法の様な白いものが飛び出し、大岩を真っ二つに切り分けた上に、地面にも少し亀裂が走ってる…自分の顔が引きつったのがわかった。

「ちょっ、ちょっと、ユキちゃん…、ペンダントの数字いくつかな?」

「うにゅ?ペンダントは、一ですよ」

 一は、普通の生活レベルじゃなかったのか?

「ほほぉ、氷の刃か…面白いな。切れ味も申し分ないし、サラマンダーの弱点もつけるし良いな。ユキ、サラマンダー相手にやってみるか?」

「はい、はい、やってみたいです」

 そう言って、ユキは、クラリーちゃんが訓練していた場所に飛んで行った。

 無邪気そうだけど、たぶん「殺ってみたい」って事だよね…

「あっ!」

 俺が、ちょっと遠くを見ていると、クラリーちゃんの驚く声がした。
 見ると…すでに倒されたサラマンダーが…瞬殺ですか…しかも、縦に切られてる。身長三十センチのユキが、三メートルのサラマンダーを頭から尻尾まで一刀両断って……火力ありすぎでしょう。

「やったです!クラリーみたいに、ズバーって、出来ました」

「え?私のと一緒にされても…」

 戻ってきたユキに、飛びつかれたクラリーちゃんが、戸惑いの言葉を口にする。

「ほぉ、一で、あれなら数値を上げるとどうなるのだ?」

 おっさんが、口にした疑問から検証することに…

 二で、振るうと切口が凍りつき、パリンッと言う音と共にサラマンダーの姿が消えた。

 三にすると、刃が当たった瞬間に、サラマンダーの全身が凍りつき、それが、ゴトゴトと崩れ落ち消えていった。

 四にすると…

「あれ?サラマンダーが、一回り小さくなった?」

「女王の魔力に当てられ、火の精霊と水の精霊が結びつき霧となって、上昇してしまった…」

 見上げるおっさんの視線をたどれば、空で楽しそうに手を取り合った精霊達が踊ってる。
 神格化した火の大精霊の魔力に干渉するか…雪の女王様、スゴイです…

「どうする?まだ、やる?」

「いや、このままやったら、爆発してしまう。一のまま修行させた方がいいな」

 流石、SSSということか…

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます

空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。 勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。 事態は段々怪しい雲行きとなっていく。 実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。 異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。 【重要なお知らせ】 ※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。 ※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

処理中です...