猫を飼いたいと思ったのだけど…

kaoru

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同情?

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 少し落ち着いて考えると、カフェで乗ってきた時のような重みを感じない。でも、ほわほわとした柔らかいモノがある感じはしている。
 ちょっと、不思議な感覚だ。

 えーと、じゃぁ、好きな銘柄のお酒とかあるんですか?

『いや、そういうのはよく分からん』

 それなら、小さいので呑み比べてみましょう。

 棚に並んだ、三百円前後の小さい瓶を五種類程カゴに入れる。

 おつまみは、どうします?

『揚げ豆腐や、精進揚げなんかが好きだったな。後は、菜の花の山葵和えとか良かったな』

 え?

『どうしたのだ?』

 猫って、肉食なんじゃぁ…

『ワシらは、基本食べなくても大丈夫なんだが、料理したもののあの複雑なあじわいは、癖になってのう。ワシは、植物の方が好きなだけだが?』

 そ、そうなんですね…

 また、意外な事が…
 でも、霜降り和牛なんて言われるより良いか…

『霜降り和牛とは?』

 あ、しまった。

『何を慌てる』

 い、いえ、知らないなら良いんです。

『だから、何が?と聞いている』

 ……高級なお肉の事です。そういう物を希望されても、なかなか買えませんので…

『ああ、そういうことか、さっきも言ったが、食べる必要はないから、貧しいのなら無理しなくて良いぞ。寝る場所さえあればな』

 あ、いえ、ちゃんと働いているので、普通の物で良ければ料理しますので、心配しないで下さい。

『そうか?』

 おつまみは、作れば良いので、お酒だけ持ってレジに向かう。
 ちょっと、ドキドキしながらだったけど、レジに並んだ人も、店員さんも何も言わないから、本当にセイさんの事は見えないだと、実感した。

 予定外の事ばかりで、出費も凄かったけど、悪い気はしない。
 普段とは違い軽い足取りで家に帰り、早速、セイさんの寝床を何処にするか聞く。

『お、お主…』

 セイさんは、猫らしい、まん丸な目を見開いて、部屋の中を凝視して、言葉を詰まらせた。

 ?。

 どうしました?部屋が気に入らないですか?
 あ、サンルームの戸も開けますね。日当たりが良い方が良いですよね。

『い、いや、そうではない。貧しいのなら、先に言わんか!あんな買い物してしまってどうするのだ!』

 え?いえ、ちゃんと働いてますから、大丈夫ですよ。

『し、しかし…何もないではないか、どういう事だ?質にでも入れたのか?』

 ああ、必要がない物は置いてないだけなんですけど、何かおかしいですか?

『ホントなのか「赤貧洗うがごとし」ということではないのか?』

 セキヒン…?何ですかそれ?

『知らんのか、所有物がない程極端な貧乏の事だ』

 いやいや、違いますよ。今は、ミニマリストって言って、必要ないものを持たない人たちも結構居るんですよ。

『そ、そうなのか?…しかし、こんな部屋は初めて見たぞ…』

 なんだろう…セイさんが、可哀想な子を見る目でワタシを見ている。

 

 
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