猫を飼いたいと思ったのだけど…

kaoru

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子猫

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 セイさんには、少しでも寝ておけと言われたけど、結局、眠れずに朝になった。

 朝食は、セイさんからリクエストで鱈の西京漬けを作っておいたので、それを焼き、春キャベツとシメジの味噌汁、こかぶの糠漬けと、こかぶの葉を塩揉みして菜飯した。

 セイさんには、いつも通り二十センチのお皿に、少しずつ盛ったワンプレートを出す。

『なんだ?今日は、いつもより豪勢だな』

「豪勢って…ただ、ご飯に一手間加えたから、彩りがいいだけですよ」

『その一手間が良いのだ。お主が、料理上手でよかったぞ』

「そ、そうですか?喜んでもらえて良かったです」

 実家にいた時に、母を手伝い作ってはいたけど、ワタシの料理は『味がない』と言われ、醤油やソースを足されたり『不味くて食えん』と言われて、残されていたけど、セイさんの味覚に合って良かった。
 
 朝食を食べた後、洗濯や掃除をざっとして、出かける準備をしていると、スマホが鳴った。
母かと思ったら、一番上の兄からで、猫を捕まえたから、連れていってもいいかと聞かれた。
 午前中は、用事があるから午後に来てもらうことにして、病院へ向かう。

 肩には、幽体離脱のようなセイさんを乗せて…

 動物病院に行くと、女性のスタッフが対応してくれて、ゲージの中の子猫を紹介された。一週間だから、そんなに変わりがないだろうと思っていたけど、四匹とも元気に動いて、あの夜見たときより、少し大きくなっているように感じる。
 ゲージをのぞくと、動いていた子達がピタリと止まり、こちら…肩のあたりを見てるから、セイさんが見えてる?

 猫達には、セイさんが見えるんですか?

『右端の黒いのだけだな。ちゃんと見えているのは、後は、気配だけ感じているのだろう。なかなか、カンの鋭い子等だ。飼うのなら、右端の黒いのがいいだろうな』

 右端の子ですか?

 同時に捨てられていたのだから、兄弟だと思うけど…四匹の内二匹が黒猫だけど…毛質や色が全然違う。右端の子は、固そうで艶のある黒で、ハチワレの子を間に挟んで左にいる子は、ほわほわした柔らかそうでちょっと茶色ぽい黒だ。
 顔もサバトラと右端の子は、セイさんと同じちょっと犬っぽい顔立ちで、もう二匹が、丸っこくて、アメショーとか、マンチカンなんかにいるような感じだ。
 
 かわいいと思いながら、ゲージに指を入れて、ちょっと、誘ってみると、右端の子が寄ってきてくれたけど、他の三匹は何故か後退り身を寄せ合ってこちらを伺う。

 セイさん?これってどういう状況ですか?

『コヤツが来てくれるそうだ。良かったな』

 えっ?じゃぁ、子猫が二匹になるってことですか?

『だな。念願かなって、良かったな』
 
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