快適 異世界生活―保護者のエルフと家造り&神と一緒にダンジョン経営?―

kaoru

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マクー大陸で家造り

誕生日パーティー…

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 育児放棄とか、虐待を受けてた訳ではないけど、なんとなく、そういう事をしない家だった。
 母さんも父さんも、仕事人間で、そういうイベントには、無頓着で、せいぜい盆と正月に、母さんの実家に行くくらい。父さんの方は、何故だか分からないけど、遠いからという理由で、行ったことがないし、おじさん達にも会ったことがない。
 母さんの実家に預けられた時も、じいちゃんもばあちゃんも、仕事や趣味を熱心にやっていたから、誕生日やクリスマスとかのイベントはやったことがないんだよなぁ…あっ、違う、クリスマスは、ケーキを食べる日だと思っていただけだった。
 サンタにプレゼントを貰えると知ったのは、物心ついて保育園の先生や友達に教えてもらってからだ。
 そして、その話をして「靴下置いて、プレゼントもらうんだぁ」とか言って寝たら…次の日、三百円と値札が付いたままの五色の水性ペンが、近所の文具店の袋に入って、枕元に置かれてた。

 それからは、特にクリスマスだからといって、オモチャをねだることもなく、ケーキを食べる日とだけとなった。
 自分の欲しいものは、お年玉や小遣いを貯めて買う物だと思っていた。
 誕生日会なんかも、家では特になにもなく、保育園で『今月、お誕生日の子、おめでとう!』という感じで、月一のイベントがあって、その月に誕生日がある子は、おやつの時間におめでとうを言われ、皆より一つ多くおやつがもらえた。

 小学校に上がってからは、時々、誕生日パーティーに誘ってくる友達がいたけど、ウチではしないから(お返しが出来ないから)断っていたから、誕生日パーティーというものが、正直、よくわからない…

 こっちに来て、誕生日を迎えた時に、ディルがご馳走を作ってくれて、同じ転異者であるタクマさん達に聞いたと言って、ケーキにロウソクが歳の数だけ差してあったり、更に、その時集まった人達が、プレゼントを用意してくれていて、もう、訳が分からなくて、知恵熱出して寝込んでしまった。

 こちらの人達は、長寿の所為か、そんなに大がかりなパーティーとかはしない、仲の良い人達で、ちょっとしたプレゼントを贈り合うぐらいなので、そちらの方が僕としても受け入れやすいと言って、次の年からは、パーティーとかはせず、プレゼントだけ渡すような感じだったのに、何で、今年は?

「浮かない顔して、どうしたんスか?誕生日は、嬉しいもんスよね?」

『嬉しい?』

「うん、まあね…」

 お湯に浸かりながら考えていると、頭に手拭いとタマちゃんを乗せて、ぷかぷか浮いてる地竜の剣が、近づいてきて首を傾げてる。

「地竜の剣も知ってたの?」

「聞いてたっスよ。ね、タマちゃん」

『はい、ビックリさせたいから、シーって、言ってました』

 タマちゃんまで…成る程ねぇ

 ハハ、なんだか、おめでたいモノ揃いのダンジョンだと思ったら…

 はぁ、やられた。まさか、依頼からサプライズパーティーが始まっていたみたいだ。…クラリーちゃんもヒドイなぁ…て、まさか、その為に、上級と初級のアイテム交換した訳じゃないよね?

 て、考え出したら心配になってきた。

 慌てて、お風呂から上がり、着替えをって…うわっ、タクマさんが着ているような、チャコールグレイのスーツが用意してある。他の物は見当たらない、さっき脱いだ装備までなくなっている。なんか、恥ずかしいけど、着替えて、シス様のところに行く。

「あらあら、もう、上がってきたの?その服、とても似合っているけど、髪がちゃんと乾いてないわよ。いくら、夏でも、湯冷めしたら、大変よ」

 と、僕より小さくて、綺麗な女神様は、暖かい風を操作して、優しく髪を乾かしてくれる。

「そ、それより、シス様!ゲトー大陸のダンジョンアイテムの交換って、今日のこのイベントが理由なんですか?」

 何か良い香りの精油まで取り出して、髪を整えてくれるシス様は、フフフ、小さく笑って、首を横に振る。

「あら、そんな風に思ったの?違うわよ。ちゃんと、説明してあったように、食材としての薬草人気で、ウチじゃ、処理しきれないほどの、冒険者が溢れてしまったからよ。リョウくんが、心配するような事じゃないから、安心してね」

「本当に?」

「当たり前でしょ。いくら、私達だって、そう、簡単に取り替えは出来ないのよ。ちゃんと、空と調査をしてから、話し合いもした上でないと、替えてもらえないのよ」

「でも、四階層の希少鉱物や合金は?」

「あ、あれは、特殊イベントよ。リョウくんが…」

「おっと、シス、その続きはまた後で、ほら、主役がこんなところに居たんじゃ、パーティーを始められないだろ。いくら、苦手なことでも、今回は、特別だからな、ほら、これ持って、こっちに来い」

 突然現れたディルに持たされたのは、シャンパングラス…

 え?なんで?

 と、思っているうちに、部屋の中央に作られた一畳程の低いステージに乗せられた。

「それでは、無事に、成人を迎えたリョウくんの為に、かんぱーい」

 と、僕の横にきて、直ぐに乾杯の音頭をとったタクマさんを見る。

「ふふ、時間をかけてしまうと、リョウくんがまた、倒れてしまうかも知れないので、サッサと終わらせましょう。何か、質問があるなら、聞きますよ」

 戸惑ってる僕に、タクマさんが聞いてくれて、周りにいる人達は、乾杯をした後は、それぞれ、話をしたり、料理の並んだテーブルへ集まっている。

「えっと、こっちでの、人属の成人は、十五だと聞いていたんですが…僕、十四ですよ?」

「やはり、戸惑いますよね。私も、始めよく分からなかったんですが、こちらでは、数え年が普通なんだそうです」

「数え年?」

「生まれた時に一歳とする数え方です。向こうでも、ありましたが、年単位なので、昔は正月が来れば歳が上がったんですよね」

「そうなんですか?」

「昔は、大雑把な数え方だったんですよ。で、こちらでは、生まれた日が、一歳になって、次の誕生日で二歳となるそうで、だから、私達でいう十四歳が、こちらの、十五歳となるんです。だから、リョウくんは、今日で、成人したということに、なるそうですよ」

 はぁ?

「…そういうことは、事前に知らせて欲しかったです」

「ハハハ、こちらでも、二手に分かれたんだよ。教えた方が良いという人と、教えず盛大に驚かせようと言う人でね。まぁ、驚かせようと言う側に神々が揃ったんで、私達の意見なんて通るわけなかったけどね」

 ハハハって、その笑い、絶対、神々を止める気無かったですよね?

 て、いきなり成人って、どうすればいいの?………でも、こうやって、シャンパングラス持たされてるってことは、飲んでも良いってことだよね?

 チラッと、タクマさんを見ると、察してくれたらしく、ちょっと、改まって、右手に持つシャンパングラスを前に出してくれた。

「はい、誕生日、おめでとう」

 そう言って、軽くグラスを上げてから、シャンパンを飲み干した。

「ありがとうございます」

 そう言って、僕もグラスを軽く上げ、初めてのお酒を口にした。

「うわっ、甘い」

 



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