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Chapter.1 ルドルフ邸編
Episode.04 明確な拒絶
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「では、行ってくる」
「はい、お気をつけて」
翌日、ルドルフさんは朝早くに仕事へ出かけて行った。
妖精の子はまだ起きていない、まぁ体感だと元の世界での四時くらいだと思うので目覚めないのは当然だ。
正直俺も眠い、仕事に支障がでるかもしれないのでもうひと眠りしておくべきだろう。
俺は大きな欠伸をしながら、自室へと戻ってベッドに潜り込んだ。
「おやすみ」
次に目覚めた時に何も起きなければいい、そんな事を考えながら眠りについた。
Episode.04 明確な拒絶
「ルドルフがいないっ!」
はい、起きました。
屋敷中に響き渡るバタバタとした物音と共に妖精の子の怒鳴り声が聞こえてくる。
俺は事の経緯を知っているので彼女に現在の状況を説明する義務がある。
さぁ、布団から這い出て扉を開け、彼女に声を――
「何処だぁぁぁぁ!」
というのは冗談、人には一人にして欲しい時もあるのだ。
「ルドルフぅぅぅぅ!」
今の彼女が正にそれ、俺が入り込む余地は微塵もない。
ここは彼女を気遣い、三度寝をする事にしよう。
「では、おやs」
「起きろ、おらぁ!」
叩き起こされました。
数分後、俺は談話室の床に正座させられ強制尋問を受ける事になってしまった。
「……で? あんた、あたしに言う事があるわよね?」
「あ、フィオさん、おはようございます」
「……おはよう」
「いやー、今日も良い天気ですね! こんな日は洗濯物が――」
良く乾くと続けようとした所で俺の顔面すれすれを豪風が吹き抜けていった。
「……次は当てるわ」
それが彼女の放った魔法であると理解して俺は戦慄する。
「ルドルフサンハシゴトデス」
「最初からそう言いなさいよ」
こんな小さい子に脅されて屈する俺、情けなくて泣けてきた。
その後、ちゃんと話が聞きたいと言うので朝食を摂るついでに話をする事になった。
「ほら、さっさと食べなさい」
妖精の子はめちゃくちゃ不機嫌そうな顔をし、俺の目の前に食事を並べた。
「あ、どうも、ありがとう」
思えば俺に風当たりが強い彼女だが、朝昼晩の食事はちゃんと作ってくれるし、俺の衣類の洗濯もこなしてくれている。
あれ? もしかして、俺は言う程嫌われてないのでは?
これは所謂ツンデレってやつなのかもしれない。
「何よ?」
やばい、そう考えたら途端に可愛く見えてきた。
いやー、モテる男は辛いっすわー
「ぶーっ」
そんな風に彼女の事を前向きに捉え、目の前に用意されたスープを口に含むと同時に吐き出した。
何故なら並べてあるスープに俺が苦手だと伝えた野草がふんだんに入れられていたからである。
そのスープは茶色く苦味が強いので俺は心の中で密かにう〇こスープと呼んでいる。
「ちゃんと残さず食べなさい」
先生、ツンの期間長すぎませんかね?
数十分後、地獄の朝食タイムを乗り越え、昨日ルドルフさんに聞かされた内容をそのまま伝えた。
勿論、彼女と仲直りする作戦は伏《ふ》せて、だ。
「あの爺、帰ったら覚えてなさい」
彼女は怒りが収まらないのか、その場で地団駄を踏みながら悔しそうに身を震わせている。
「る、ルドルフさんも急に仕事が入って話してる時間がなかったんだよ」
俺は怒りを鎮めてもらわないと話し合いにならないと感じ、必死に彼女を宥めた。
「……はぁ、もういいわ」
その後、彼女は怒るのに疲れたのか、ため息をこぼした後に落ち着きを取り戻した。
これでルドルフさんの狙い通り仲直りする機会に恵まれる、そう思った矢先――
「あいつが戻るまで不要な接触はお互いに禁止にしましょう」
此方の動きを封じられる提案をされてしまった。
「いや、何もそこまでしなくても……」
ただ彼女の提案を素直に受け入れてしまうと作戦が失敗してしまうので無理だと思いながらも説得を試みる。
「この際だからはっきり言っておくわ」
その結果、返ってきた言葉は……
「あたし、あんたの事が嫌いなの」
完全なる拒絶を意味するものだった。
「それじゃ、あたしは仕事に戻るわ」
面と向かって女の子に嫌いと言われ、ショックのあまり俺は放心状態となる。
「あんたも薪割りの仕事、サボるんじゃないわよ?」
そんな彼女の問いに俺は答える事が出来なかった。
それから一時間後、俺はいつもの様に仕事である薪割りを始めた。
さっきの出来事があったので集中力が疎かになると考え、ペースは落ちるが一本一本ゆっくりとこなしていく事にした。
正直に言うと記憶を失う前の俺、現実世界での俺も女の子に好かれた記憶はない。
外見はイケメンとはほど遠いし、コミュニケーション能力なんて以ての外だ。
こんな俺を好意的に見てくれる女の子なんてとんでもなく稀有な存在だろう。
俺はリア充にはなれない、今回の件はそれを改めて実感する出来事となってしまった。
淡々と作業を続けていると何時の間にか日が沈み、周囲が薄暗くなっている事に気付いた。
「……今日はこれぐらいにしておくか」
俺は作業を終え、愛用の斧を決められた位置に戻すと屋敷に向かって歩き出した。
その直後、耳をつんざく様な遠吠えが周囲に木霊する。
俺は咄嗟に振り向き、森の方へ視線を向けた。
視線の先にいたもの、それは……
ルドルフさんと初めて出会った時に遭遇した例の犬モドキであった。
「はい、お気をつけて」
翌日、ルドルフさんは朝早くに仕事へ出かけて行った。
妖精の子はまだ起きていない、まぁ体感だと元の世界での四時くらいだと思うので目覚めないのは当然だ。
正直俺も眠い、仕事に支障がでるかもしれないのでもうひと眠りしておくべきだろう。
俺は大きな欠伸をしながら、自室へと戻ってベッドに潜り込んだ。
「おやすみ」
次に目覚めた時に何も起きなければいい、そんな事を考えながら眠りについた。
Episode.04 明確な拒絶
「ルドルフがいないっ!」
はい、起きました。
屋敷中に響き渡るバタバタとした物音と共に妖精の子の怒鳴り声が聞こえてくる。
俺は事の経緯を知っているので彼女に現在の状況を説明する義務がある。
さぁ、布団から這い出て扉を開け、彼女に声を――
「何処だぁぁぁぁ!」
というのは冗談、人には一人にして欲しい時もあるのだ。
「ルドルフぅぅぅぅ!」
今の彼女が正にそれ、俺が入り込む余地は微塵もない。
ここは彼女を気遣い、三度寝をする事にしよう。
「では、おやs」
「起きろ、おらぁ!」
叩き起こされました。
数分後、俺は談話室の床に正座させられ強制尋問を受ける事になってしまった。
「……で? あんた、あたしに言う事があるわよね?」
「あ、フィオさん、おはようございます」
「……おはよう」
「いやー、今日も良い天気ですね! こんな日は洗濯物が――」
良く乾くと続けようとした所で俺の顔面すれすれを豪風が吹き抜けていった。
「……次は当てるわ」
それが彼女の放った魔法であると理解して俺は戦慄する。
「ルドルフサンハシゴトデス」
「最初からそう言いなさいよ」
こんな小さい子に脅されて屈する俺、情けなくて泣けてきた。
その後、ちゃんと話が聞きたいと言うので朝食を摂るついでに話をする事になった。
「ほら、さっさと食べなさい」
妖精の子はめちゃくちゃ不機嫌そうな顔をし、俺の目の前に食事を並べた。
「あ、どうも、ありがとう」
思えば俺に風当たりが強い彼女だが、朝昼晩の食事はちゃんと作ってくれるし、俺の衣類の洗濯もこなしてくれている。
あれ? もしかして、俺は言う程嫌われてないのでは?
これは所謂ツンデレってやつなのかもしれない。
「何よ?」
やばい、そう考えたら途端に可愛く見えてきた。
いやー、モテる男は辛いっすわー
「ぶーっ」
そんな風に彼女の事を前向きに捉え、目の前に用意されたスープを口に含むと同時に吐き出した。
何故なら並べてあるスープに俺が苦手だと伝えた野草がふんだんに入れられていたからである。
そのスープは茶色く苦味が強いので俺は心の中で密かにう〇こスープと呼んでいる。
「ちゃんと残さず食べなさい」
先生、ツンの期間長すぎませんかね?
数十分後、地獄の朝食タイムを乗り越え、昨日ルドルフさんに聞かされた内容をそのまま伝えた。
勿論、彼女と仲直りする作戦は伏《ふ》せて、だ。
「あの爺、帰ったら覚えてなさい」
彼女は怒りが収まらないのか、その場で地団駄を踏みながら悔しそうに身を震わせている。
「る、ルドルフさんも急に仕事が入って話してる時間がなかったんだよ」
俺は怒りを鎮めてもらわないと話し合いにならないと感じ、必死に彼女を宥めた。
「……はぁ、もういいわ」
その後、彼女は怒るのに疲れたのか、ため息をこぼした後に落ち着きを取り戻した。
これでルドルフさんの狙い通り仲直りする機会に恵まれる、そう思った矢先――
「あいつが戻るまで不要な接触はお互いに禁止にしましょう」
此方の動きを封じられる提案をされてしまった。
「いや、何もそこまでしなくても……」
ただ彼女の提案を素直に受け入れてしまうと作戦が失敗してしまうので無理だと思いながらも説得を試みる。
「この際だからはっきり言っておくわ」
その結果、返ってきた言葉は……
「あたし、あんたの事が嫌いなの」
完全なる拒絶を意味するものだった。
「それじゃ、あたしは仕事に戻るわ」
面と向かって女の子に嫌いと言われ、ショックのあまり俺は放心状態となる。
「あんたも薪割りの仕事、サボるんじゃないわよ?」
そんな彼女の問いに俺は答える事が出来なかった。
それから一時間後、俺はいつもの様に仕事である薪割りを始めた。
さっきの出来事があったので集中力が疎かになると考え、ペースは落ちるが一本一本ゆっくりとこなしていく事にした。
正直に言うと記憶を失う前の俺、現実世界での俺も女の子に好かれた記憶はない。
外見はイケメンとはほど遠いし、コミュニケーション能力なんて以ての外だ。
こんな俺を好意的に見てくれる女の子なんてとんでもなく稀有な存在だろう。
俺はリア充にはなれない、今回の件はそれを改めて実感する出来事となってしまった。
淡々と作業を続けていると何時の間にか日が沈み、周囲が薄暗くなっている事に気付いた。
「……今日はこれぐらいにしておくか」
俺は作業を終え、愛用の斧を決められた位置に戻すと屋敷に向かって歩き出した。
その直後、耳をつんざく様な遠吠えが周囲に木霊する。
俺は咄嗟に振り向き、森の方へ視線を向けた。
視線の先にいたもの、それは……
ルドルフさんと初めて出会った時に遭遇した例の犬モドキであった。
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