4 / 12
プロローグ
プロローグ4
しおりを挟む
第2区はこの国の中では土地面積はそこまで大きくもない本の小さな町。
小売店や飲食店がわずかに軒並み並び、中小企業の事務所や小さなカプセルホテルなどの施設があるくらい。
一言でいうならば寂れた町というのが正しい。元々は工場地の一つとして建設を予定していた町だったがその建築事業がなくなったために穴埋めするようにして建てられた施設が存在しているだけの町なために寂しい町と化している。
そもそも、ここに建設される予定であった工場というのがとてつもなく大きな役割をする施設であった。
この国に常に漂うように存在している霧を少しでも軽減化させるための装置を開発するための工場。
それがこの2区には建設されようとしていた。
濃密な霧は数十年前の事件で生み出されたもので、ずっと晴れることなく国に障害を与えている。
そのような存在なのにも拘わらず建設業が中止になったのかは未だに詳細は不明である。
だからこそ、建設の名残のような物体の建築物ちらほらと存在しているのもまた事実。
目の前に聳え立つ巨塔。観測塔のような建物を見上げながら一息つく。
もしも、身を隠すようならばうってつけの個所がそこしかないと思い歩いてみれば思いのほか予想は当たってしまったがためのため息。
「例のフードだろうなぁ」
遠目に見えたフード姿の二人組の存在。
一人は背が小さく一人は背が高い。まさに凸凹コンビとも思えるような身長差。
慎重に近づいていき、声をかけるタイミングをうかがう。
「そこの!」
タイミングはすぐに来たようだった。
よもや、あちらから声をかけられるとは想定外だった。
気配を察知されぬようにと近づいていったつもりだったが相手は索敵能力に優れている。
「それ以上近づいたら命はないぞ」
「待て待て、俺は怪しいものじゃない。民間警備会社のモノだ」
「民間警備会社? 怪しいな」
背の高いほうが急に武器を抜いた。
大きな剣。俺の身長くらいの長さくらいある大剣だ。
それを軽々と振り回して剣圧を飛ばしてくる。
「おい! 話を聞け。こっちは警察の依頼で調査をしているんだ」
「問答無用!」
話を聞く気はないようで剣を手に向かい来る。
応戦しかない。
拳銃を貫き、引き金を引く。
銃弾をまず3発撃ちこむ。大きな剣を盾にして防いできた。
普通にそうするだろう。
「ったく、めんどくせぇ!」
後ろへと跳躍して横振りされた大剣の斬撃を回避する。
回避してすぐに間合いを取る。
「バーの店員を殺したのはあんたらか!?」
「何?」
直情的な相手には真っ向から質問を勝手に投げかけていくしかない。
その効果はあった。
相手が二撃目の攻撃を止める。
背の高いほうが答えを言うのかと思えば、おとなしい背の低いほうが答えた。
「私たちではありません」
驚いて息をのんだ。
背の低いほうの声色は明らかな女性のモノである。
相手は男女?
そもそも、彼女は自分たちではないと証言する言葉。
「証明できるのかそれは?」
「貴様こそ、警察からの依頼を請け負う警備会社の人間だと証明できるのか?」
「ここにしっかりと名刺がある」
携帯端末を取り出して、ホログラムシステムによる投影ディスプレイで自分の詳細なデータを見せた。
それを見た二人の反応を窺う。
「ふんっ!」
「どわぁ!」
もう一度剣を容赦なく振り下ろしてきた。
反応が一瞬でも遅れていたら一閃で真っ二つだった。
「あぶねぇな! こっちは証明しただろう! 第一何の目的でそんな恰好をしている! どうしてあのバーの近くにいた!」
急にそれは起きた。
不気味な気配が後ろから感じた。
振り返ると中肉中背なフードがもう一人現れる。
「3人目だと?」
「追いつかれた! 姫様こちらへ!」
急に二人組は焦る様に監視塔のより先へと目指して直進し始めた。
その先は行き止まりなのをわかっていないのか?
「貴様も仲間か?」
「あ?」
3人目のフードが飛び掛かってくる。
反射的にその攻撃に危険性を感じ、接触を避けるように飛んで避ける。
ただの拳による一撃だった。
それは地面に触れただけで爆散させクレーターを作り上げたほどの威力。
粉塵が舞う。
3人目は標的を俺から変えて逃げた二人組の後を追いかけるように走っていく。
「今の攻撃……」
逃げた二人組の方向の先に激しい爆砕音と悲鳴が聞こえる。
「ちっ、めんどくせぇな!」
なんとなく足先はそちらへと動くように走り出していた。
(俺の想像の通りならば犯人は――)
小売店や飲食店がわずかに軒並み並び、中小企業の事務所や小さなカプセルホテルなどの施設があるくらい。
一言でいうならば寂れた町というのが正しい。元々は工場地の一つとして建設を予定していた町だったがその建築事業がなくなったために穴埋めするようにして建てられた施設が存在しているだけの町なために寂しい町と化している。
そもそも、ここに建設される予定であった工場というのがとてつもなく大きな役割をする施設であった。
この国に常に漂うように存在している霧を少しでも軽減化させるための装置を開発するための工場。
それがこの2区には建設されようとしていた。
濃密な霧は数十年前の事件で生み出されたもので、ずっと晴れることなく国に障害を与えている。
そのような存在なのにも拘わらず建設業が中止になったのかは未だに詳細は不明である。
だからこそ、建設の名残のような物体の建築物ちらほらと存在しているのもまた事実。
目の前に聳え立つ巨塔。観測塔のような建物を見上げながら一息つく。
もしも、身を隠すようならばうってつけの個所がそこしかないと思い歩いてみれば思いのほか予想は当たってしまったがためのため息。
「例のフードだろうなぁ」
遠目に見えたフード姿の二人組の存在。
一人は背が小さく一人は背が高い。まさに凸凹コンビとも思えるような身長差。
慎重に近づいていき、声をかけるタイミングをうかがう。
「そこの!」
タイミングはすぐに来たようだった。
よもや、あちらから声をかけられるとは想定外だった。
気配を察知されぬようにと近づいていったつもりだったが相手は索敵能力に優れている。
「それ以上近づいたら命はないぞ」
「待て待て、俺は怪しいものじゃない。民間警備会社のモノだ」
「民間警備会社? 怪しいな」
背の高いほうが急に武器を抜いた。
大きな剣。俺の身長くらいの長さくらいある大剣だ。
それを軽々と振り回して剣圧を飛ばしてくる。
「おい! 話を聞け。こっちは警察の依頼で調査をしているんだ」
「問答無用!」
話を聞く気はないようで剣を手に向かい来る。
応戦しかない。
拳銃を貫き、引き金を引く。
銃弾をまず3発撃ちこむ。大きな剣を盾にして防いできた。
普通にそうするだろう。
「ったく、めんどくせぇ!」
後ろへと跳躍して横振りされた大剣の斬撃を回避する。
回避してすぐに間合いを取る。
「バーの店員を殺したのはあんたらか!?」
「何?」
直情的な相手には真っ向から質問を勝手に投げかけていくしかない。
その効果はあった。
相手が二撃目の攻撃を止める。
背の高いほうが答えを言うのかと思えば、おとなしい背の低いほうが答えた。
「私たちではありません」
驚いて息をのんだ。
背の低いほうの声色は明らかな女性のモノである。
相手は男女?
そもそも、彼女は自分たちではないと証言する言葉。
「証明できるのかそれは?」
「貴様こそ、警察からの依頼を請け負う警備会社の人間だと証明できるのか?」
「ここにしっかりと名刺がある」
携帯端末を取り出して、ホログラムシステムによる投影ディスプレイで自分の詳細なデータを見せた。
それを見た二人の反応を窺う。
「ふんっ!」
「どわぁ!」
もう一度剣を容赦なく振り下ろしてきた。
反応が一瞬でも遅れていたら一閃で真っ二つだった。
「あぶねぇな! こっちは証明しただろう! 第一何の目的でそんな恰好をしている! どうしてあのバーの近くにいた!」
急にそれは起きた。
不気味な気配が後ろから感じた。
振り返ると中肉中背なフードがもう一人現れる。
「3人目だと?」
「追いつかれた! 姫様こちらへ!」
急に二人組は焦る様に監視塔のより先へと目指して直進し始めた。
その先は行き止まりなのをわかっていないのか?
「貴様も仲間か?」
「あ?」
3人目のフードが飛び掛かってくる。
反射的にその攻撃に危険性を感じ、接触を避けるように飛んで避ける。
ただの拳による一撃だった。
それは地面に触れただけで爆散させクレーターを作り上げたほどの威力。
粉塵が舞う。
3人目は標的を俺から変えて逃げた二人組の後を追いかけるように走っていく。
「今の攻撃……」
逃げた二人組の方向の先に激しい爆砕音と悲鳴が聞こえる。
「ちっ、めんどくせぇな!」
なんとなく足先はそちらへと動くように走り出していた。
(俺の想像の通りならば犯人は――)
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる