世界の破壊と終わりの先でさようなら

ryuu

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プロローグ

プロローグ4

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  第2区はこの国の中では土地面積はそこまで大きくもない本の小さな町。
 小売店や飲食店がわずかに軒並み並び、中小企業の事務所や小さなカプセルホテルなどの施設があるくらい。
 一言でいうならば寂れた町というのが正しい。元々は工場地の一つとして建設を予定していた町だったがその建築事業がなくなったために穴埋めするようにして建てられた施設が存在しているだけの町なために寂しい町と化している。
 そもそも、ここに建設される予定であった工場というのがとてつもなく大きな役割をする施設であった。
 この国に常に漂うように存在している霧を少しでも軽減化させるための装置を開発するための工場。
 それがこの2区には建設されようとしていた。
 濃密な霧は数十年前の事件で生み出されたもので、ずっと晴れることなく国に障害を与えている。
 そのような存在なのにも拘わらず建設業が中止になったのかは未だに詳細は不明である。
 だからこそ、建設の名残のような物体の建築物ちらほらと存在しているのもまた事実。
 目の前に聳え立つ巨塔。観測塔のような建物を見上げながら一息つく。
 もしも、身を隠すようならばうってつけの個所がそこしかないと思い歩いてみれば思いのほか予想は当たってしまったがためのため息。
 「例のフードだろうなぁ」
 遠目に見えたフード姿の二人組の存在。
 一人は背が小さく一人は背が高い。まさに凸凹コンビとも思えるような身長差。
 慎重に近づいていき、声をかけるタイミングをうかがう。
「そこの!」
 タイミングはすぐに来たようだった。
 よもや、あちらから声をかけられるとは想定外だった。
 気配を察知されぬようにと近づいていったつもりだったが相手は索敵能力に優れている。
「それ以上近づいたら命はないぞ」
「待て待て、俺は怪しいものじゃない。民間警備会社のモノだ」
「民間警備会社? 怪しいな」
 背の高いほうが急に武器を抜いた。
 大きな剣。俺の身長くらいの長さくらいある大剣だ。
 それを軽々と振り回して剣圧を飛ばしてくる。
「おい! 話を聞け。こっちは警察の依頼で調査をしているんだ」
「問答無用!」
 話を聞く気はないようで剣を手に向かい来る。
 応戦しかない。
 拳銃を貫き、引き金を引く。
 銃弾をまず3発撃ちこむ。大きな剣を盾にして防いできた。
 普通にそうするだろう。
「ったく、めんどくせぇ!」
 後ろへと跳躍して横振りされた大剣の斬撃を回避する。
 回避してすぐに間合いを取る。
「バーの店員を殺したのはあんたらか!?」
「何?」
 直情的な相手には真っ向から質問を勝手に投げかけていくしかない。
 その効果はあった。
 相手が二撃目の攻撃を止める。
 背の高いほうが答えを言うのかと思えば、おとなしい背の低いほうが答えた。
「私たちではありません」
 驚いて息をのんだ。
 背の低いほうの声色は明らかな女性のモノである。
 相手は男女?
 そもそも、彼女は自分たちではないと証言する言葉。
「証明できるのかそれは?」
「貴様こそ、警察からの依頼を請け負う警備会社の人間だと証明できるのか?」
「ここにしっかりと名刺がある」
 携帯端末を取り出して、ホログラムシステムによる投影ディスプレイで自分の詳細なデータを見せた。
 それを見た二人の反応を窺う。
「ふんっ!」
「どわぁ!」
 もう一度剣を容赦なく振り下ろしてきた。
 反応が一瞬でも遅れていたら一閃で真っ二つだった。
「あぶねぇな! こっちは証明しただろう! 第一何の目的でそんな恰好をしている! どうしてあのバーの近くにいた!」
 急にそれは起きた。
 不気味な気配が後ろから感じた。
 振り返ると中肉中背なフードがもう一人現れる。
「3人目だと?」
「追いつかれた! 姫様こちらへ!」
 急に二人組は焦る様に監視塔のより先へと目指して直進し始めた。
 その先は行き止まりなのをわかっていないのか?
「貴様も仲間か?」
「あ?」
 3人目のフードが飛び掛かってくる。
 反射的にその攻撃に危険性を感じ、接触を避けるように飛んで避ける。
 ただの拳による一撃だった。
 それは地面に触れただけで爆散させクレーターを作り上げたほどの威力。
 粉塵が舞う。
 3人目は標的を俺から変えて逃げた二人組の後を追いかけるように走っていく。
「今の攻撃……」
 逃げた二人組の方向の先に激しい爆砕音と悲鳴が聞こえる。
「ちっ、めんどくせぇな!」
 なんとなく足先はそちらへと動くように走り出していた。
(俺の想像の通りならば犯人は――) 
 
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