世界の破壊と終わりの先でさようなら

ryuu

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第1章 警察殺しの切裂き魔

港町

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 喫茶店を抜け出して俺はリリシアを引き連れて、猟奇殺人事件と同時に起こっていたと思われる事件現場に来ていた。あの時に、一条進を率いた捜査1課が現場へとくるのが遅かったことが引っかかっていた。
 あれほどの、猟奇殺人を発見した連絡をしてから数時間後に彼らは現場へ到着していた。
 その間に俺はいろいろと調査をすることはできた。さらにこの相棒と接点をもつ機会が持てていたのだ。
 普段の警察組織ならば、猟奇的殺人事件は『鴉』に全権をゆだねて捜査を行わせることもない。
 さらに、事件に出遅れることもない。
 これほどまでにおぞましい事件である。
 町に危険を及ぼすほどを含む事件。難航しているとかではなくただ単純に何かに手を打っていてそちらに捜査を踏みだせていない状況にあると俺はよんでいた。
 その予測は的中したようだ。
 第6区~第8区にわたる広大な土地を占める街区の港町。
 漁業が盛んなその区内では港町特有の磯臭い匂いと魚の匂いが充満している。
 建物はそれぞれが魔防鋼鉄を施された鉄筋のコンクリート平米。
 いざ津波が起きた時の対策用で建てられている。
 店も漁業特有の酒屋に魚屋などがほぼ8割を占めており、店主はみんなが漁師である。

「あのここは……」
「共和国随一の港町だ。事件はここで起こったらしいからな」

 港町と市街の境界門の付近で俺は禁止線を通り抜けて階段を上っていく。
 境界門のそばにある階段を上がるとそこに一つの事務所がある。
 境内のような役割を果たしている事務所。
 港町を預かる警察官がいる交番みたいな場所。
 そこに入れば未だに残る死臭が鼻につく。
 周囲を見て散乱したものと血痕を確認していく。

「勝手に入っていいんですか? 私たち民間警備ですよね?」
「…………」

 彼女のほうを向いて大仰にため息をついてから俺は境内の窓辺に近づいた。
 そこからは港町が一望できる。

「事件が起こったのは深夜帯だったか」

 時計を確認して今は夕方くらいの時間なのを認識する。
 
「あ、ちょっとユウタさま!」

 事件現場の確認に用はなくなり、出ていくと最悪な状況に出くわした。

「おい、貴様ここで何をしている?」

 隣では「だから、言ったじゃないですか」と言わんばかりに睨んだリリシアの目が突き刺さるのだった。
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