ライバーな俺が大好きな声優アイドルと一緒に異世界へ召喚されてしまったので新しい世界で生きる方法を作りました。(改題しました

ryuu

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第1章 異世界の勇者

あきらめない意思

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 崩落した闇ギルドを前に私は立ちすくむ。
 あの場所にいた彼を救うために私は来たというのに手遅れであった。
 また再び私は人を見捨てて助かった。
 罪悪感が津波のように押し寄せて、さらに吐き気を催す。
 もう、何も出なかった。
 ココに来てからは何も食べていない。
 そんな食事とかのことなんて考えてる暇はないくらいにあわただしい出来事の連続だ。
 異世界へ召喚され、勇者に任命され、変な女につかまり、逃げて、王女へ助けを請うた。
 再び戻ってこんな悲惨な光景を目の当たりにする。
 そんな余裕のないことがここ数時間で続いたのだ。
 精神はもう限界を迎えていた。

「もういや……こんなの嫌よ……」

 泣き崩れ、私は膝をついた。
 そんな私の肩に誰かの手が置かれた。

「た、種村様?」

 王女の手が私の肩に触れていた。
 彼女が心配してくれたのかと頼ろうとしたときに見た彼女の顔に私は絶望する。
 それは心配じゃない。
 不安な顔であった。
 泣き崩れた私に彼女もすがろうとしてる。

「な、なによそれ……なんなのよ!」

 怒りで立ち上がる。
 王女を突き飛ばして、地震が起こった。
 おもわず、足がもつれて尻餅をついた。
 何事かと前を見ると崩れた塔の瓦礫の山が盛り上がっていく。
 何かが飛び出そうとでもしているかの様子。
 生き残っていた兵士たちが魔法の箒や杖や剣などを構えて応戦の構えをとった。

「ヴァアアアアアアアッ!」

 出てきたのは強大な赤い鱗の化け物。
 私はそれを空想の物語でしか見たことがない。
 それはーー

「なぜ……なぜレッドドラゴンがこんな場所に現れるのですかっ! 全軍、魔法障壁!」

 現れたのはドラゴン。
 赤い鱗に赤い体毛を後頭部から生えた赤い竜。
 そんな存在を見たのは初めてだった。
 何とも強大で雄々しい存在に思わず震えた。
 踵を返して彼女たちを置き去りに私はその場から離脱する。

「た、種村様ッ!」

 王女の言葉など私は無視してその場から遠くへ遠くへと走る。
 そんな私の前に一人の子供が飛び出して私は子供を突き飛ばしてしまった。

「うぅ………」

 泣いてしまうと思ったその子供の目を見て私は固まった。
 泣くのではない、子供はもう死んだ目をしたように放心していたのだ。
 子供の傍を見たらひとりの女性が瓦礫の破片で頭を打ちつけられたのか脳みそをまき散らして死んでいた。

「何これ……!」

 夢ならば冷めてほしいと思われるそんな光景にもう涙すらわかなくなってくる。
 背後では懸命に数十メートルも強大なドラゴンを相手に戦う騎士たちの姿。
 あのドラゴンを相手に人がかなうはずもない。

「あのドラゴン……」

 ドラゴンを見て一つ気付く。
 赤から連想される闇ギルドの中でいた私を捕えた女のこと。

「あのドラゴンがあの女なの……じゃあ、彼は……」

 ドラゴンが赤髪の女であるということはあくまで推察論でしかなかった。
 だが、十分すぎる要因は出そろっていた。

「私はまた助けられる……」

 次第に変な感情がふつふつと湧きたった。
 身体から煮えたぎる熱。
 静かに私は立ち上がった。

「また逃げるなんて私は馬鹿よ。何のために変わろうとしたのよ私は」

 あの時の後悔はしないと決めたのを忘れていた。
 私は少女を抱きかかえた。
 近くの安全な場所にまで少女をつれていく。
 その場所の近くにいた鍛冶屋の店主らしき人が少女を保護してくれた。

「あの、高いところに行きたいんですけど」

 私は鍛冶屋の店主にお願いすると彼は店の中に案内をして、私を二階へ上がらせた。
 別にあらゆる建物が二階だけに入り口があるわけではなかった。
 
「なぁ、姉ちゃんや何をするんでい?」

 二階の高さにしてはこの世界ならではなのか相当な高さがあった。
 私たちがいた世界では学校の屋上くらいの高さはあろうか。
 今の私ができうる手段を行使するにはちょうど良かった。
 私はあることを思った。
 ドラゴンをみて、ファンタジー小説を連想した時に、ファンタジーならではな世界観によくあるご都合主義という設定。

「彼がもしも、この世界に呼ばれた勇者ならそんな簡単にやられるはずはないわよね」

 勇者は簡単に死ぬことはない。
 もしかすれば、そんな勇者に選ばれて呼ばれた彼ならば瓦礫の山の中で生きているのではないかと。
 瓦礫の山でもしも生きて気絶しているだけの彼がいると想定するならば――

「それを呼び起こせる方法は一つしかない」

 彼の服装を見た時から私、本条雪菜には気づいていたことがある。
 彼が私のアイドルとしてのファンだということに。
 その私はアイドル声優だ。
 声や歌でみんなを勇気づけることだってできる。
 そんな彼を勇気づけることだってきっとできて、ご都合主義な設定を信じる。

「もしも、これが夢でもなく現実だとしてもそんな都合のいい設定を信じてみたいのよ」

 私はみんなの勇気を与えるために歌いだした。

 
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