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シキ教団の章
4.
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巫力。
アキは、祈り続ける。
ツキコの様子がアキに伝わる。
炎になり、実体になり、エルデネスを襲い。
そして、徐々に斬られ。しかし、魔王を追い詰めてもいるようで。
「……あっ」
呟き。
「ああっ!!」
「アキ!」
ネオが、アキを抱く。
次の瞬間、彼は、そのことを察した。
「……ツキコが、倒されたのか」
「──はい」
アキの丸い頬に、涙が流れた。
「こうしてはいられない」
教皇代行、決断は早い。
「魔王が来る!」
ネオは、次いでアキの手を引っ張ると、立たせた。
「教皇代行様!」
「ネオ様!」
「静かに!緊急事態だ」
ネオは、神殿にいる僧侶、兵士達に指示を飛ばす。「私とアキがいれば、ひとまず教団は安泰だ……お前たちはここで、魔王を食い止めろ。裏口から出る」
「教皇代行様……」
「こっちだ」
だが、こっちには行けなかった。
アキが足を踏み出そうとした瞬間、神殿全体に衝撃が走り、天井が落ちてきた。
「なっ……これは!」
神殿の外では、エルデネスが笑っている。
「もはや、良いだろう。……さて、シキ教団。決着と行こうか」
そして、半壊した神殿に向かって、歩き出す。
神殿内では、そんな場合ではない。
兵士が潰れ、僧侶が潰れ、破片が舞う中で、アキは咳き込んだ。
「これは……そんな、皆様……!ネオ様は……?」
「う……」
「ネオ様!」
ネオは、頭から血を流して倒れていた。
アキが肩を貸すと、ネオが「う」と唸る。
「ア、アキ……か。無事だったか……」
「教皇代行様、アキは無事です。さあ、行きましょう」
ネオが頷く。
しかし。
「巫女よ」
声がした。
背後。アキが、振り返る。
瓦礫があった。
だが、それは粉々に爆ぜ、土煙の向こうから、男が姿を現す。
制帽を被り、軍服を着こなし、軍刀を佩いた──エルデネスだ。
「その、肩に担いでいるのが、代表かね?」
「……」
「ふむ。しかし、なかなかの器量だ」
魔王が、肩をすくめる。
「余の”戦利品”に丁度良い」
「……戦利品?何を言っているのですか、貴方は」
「貰ってゆく」
魔王が言い放ち、アキが、ビクッと反応する。
「その対価として、教団には永遠の──」
「魔王!」
叫んだのは、ネオだ。
アキを突き飛ばすように、よろよろと、エルデネスに向かって歩く。
「貴様……ふざけるな!ここまで破壊しておいて、アキまで奪っていくつもりか!」
アキは、祈り続ける。
ツキコの様子がアキに伝わる。
炎になり、実体になり、エルデネスを襲い。
そして、徐々に斬られ。しかし、魔王を追い詰めてもいるようで。
「……あっ」
呟き。
「ああっ!!」
「アキ!」
ネオが、アキを抱く。
次の瞬間、彼は、そのことを察した。
「……ツキコが、倒されたのか」
「──はい」
アキの丸い頬に、涙が流れた。
「こうしてはいられない」
教皇代行、決断は早い。
「魔王が来る!」
ネオは、次いでアキの手を引っ張ると、立たせた。
「教皇代行様!」
「ネオ様!」
「静かに!緊急事態だ」
ネオは、神殿にいる僧侶、兵士達に指示を飛ばす。「私とアキがいれば、ひとまず教団は安泰だ……お前たちはここで、魔王を食い止めろ。裏口から出る」
「教皇代行様……」
「こっちだ」
だが、こっちには行けなかった。
アキが足を踏み出そうとした瞬間、神殿全体に衝撃が走り、天井が落ちてきた。
「なっ……これは!」
神殿の外では、エルデネスが笑っている。
「もはや、良いだろう。……さて、シキ教団。決着と行こうか」
そして、半壊した神殿に向かって、歩き出す。
神殿内では、そんな場合ではない。
兵士が潰れ、僧侶が潰れ、破片が舞う中で、アキは咳き込んだ。
「これは……そんな、皆様……!ネオ様は……?」
「う……」
「ネオ様!」
ネオは、頭から血を流して倒れていた。
アキが肩を貸すと、ネオが「う」と唸る。
「ア、アキ……か。無事だったか……」
「教皇代行様、アキは無事です。さあ、行きましょう」
ネオが頷く。
しかし。
「巫女よ」
声がした。
背後。アキが、振り返る。
瓦礫があった。
だが、それは粉々に爆ぜ、土煙の向こうから、男が姿を現す。
制帽を被り、軍服を着こなし、軍刀を佩いた──エルデネスだ。
「その、肩に担いでいるのが、代表かね?」
「……」
「ふむ。しかし、なかなかの器量だ」
魔王が、肩をすくめる。
「余の”戦利品”に丁度良い」
「……戦利品?何を言っているのですか、貴方は」
「貰ってゆく」
魔王が言い放ち、アキが、ビクッと反応する。
「その対価として、教団には永遠の──」
「魔王!」
叫んだのは、ネオだ。
アキを突き飛ばすように、よろよろと、エルデネスに向かって歩く。
「貴様……ふざけるな!ここまで破壊しておいて、アキまで奪っていくつもりか!」
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