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ハバト王国の章
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言って──言ったが──ラルザは、サァッと顔を青くした。
「ハバトを、滅ぼした……?父上を、王国を」
「その通り」
「貴方!」
「王女よ」
まあ聞け、と、エルデネスが、ラルザを制する。
「君にとっては残念だが、余は君を殺さぬ。気に入ったからな。君は余のも……王女として、生きていくことになる。この城で好きなだけ贅沢するが良い。黄金だって豊かに与えよう。それが”対価”だ」
「何を……!そんなもの要らない!王国を滅ぼし、父上を殺した貴方に、私が屈するとでも思っているの!?」
「君もか」と、エルデネスが呟くのを、ラルザは聞いた。
ラルザの黒髪が揺れ、金の首飾りが、微かに音を立てる。
「黄金!?贅沢?今更そんなもので……だったら、ハバトを!父上を!皆を返してみろ!魔王!」
エルデネスの言葉を、押し返す。言えば言うほど、ラルザの中で、燃え上がるものがあった。
「生かす!?上等だ、だったら私は、貴方を殺す方法を考える!!いつか必ず後悔させてやる、魔王!!」
「──ほう?」
エルデネスの黒い瞳が、ラルザを見おろした。
「復讐の鬼か、それは面白いな。やってみるといい。君が余を倒せるというのなら、余は喜んで倒れよう」
しかし、今は無理だろう。魔王が、そう言い捨てる。
「そう言えば、人間の物語では、魔王は勇者に倒されるものだったか。それはそれとして……君の気迫は買うが、その状態では少し不便だな。”チャーム”」
◇
発情魔法:チャーム
相手は術者に、積極的に発情するようになる。
術者が指定した相手にも、発情するようになる。
◇
「何……」
という頃には、もう遅い。
ラルザの身体が数秒、糸の切れた人形のようになる。そして、立ち上がる頃には、もう出来上がっていた。
「フフ、ラルザ。済んだら解除してやろう。余の種を受けた後で、”倒す方法”とやらを、また考えるが良い」
「ハバトを、滅ぼした……?父上を、王国を」
「その通り」
「貴方!」
「王女よ」
まあ聞け、と、エルデネスが、ラルザを制する。
「君にとっては残念だが、余は君を殺さぬ。気に入ったからな。君は余のも……王女として、生きていくことになる。この城で好きなだけ贅沢するが良い。黄金だって豊かに与えよう。それが”対価”だ」
「何を……!そんなもの要らない!王国を滅ぼし、父上を殺した貴方に、私が屈するとでも思っているの!?」
「君もか」と、エルデネスが呟くのを、ラルザは聞いた。
ラルザの黒髪が揺れ、金の首飾りが、微かに音を立てる。
「黄金!?贅沢?今更そんなもので……だったら、ハバトを!父上を!皆を返してみろ!魔王!」
エルデネスの言葉を、押し返す。言えば言うほど、ラルザの中で、燃え上がるものがあった。
「生かす!?上等だ、だったら私は、貴方を殺す方法を考える!!いつか必ず後悔させてやる、魔王!!」
「──ほう?」
エルデネスの黒い瞳が、ラルザを見おろした。
「復讐の鬼か、それは面白いな。やってみるといい。君が余を倒せるというのなら、余は喜んで倒れよう」
しかし、今は無理だろう。魔王が、そう言い捨てる。
「そう言えば、人間の物語では、魔王は勇者に倒されるものだったか。それはそれとして……君の気迫は買うが、その状態では少し不便だな。”チャーム”」
◇
発情魔法:チャーム
相手は術者に、積極的に発情するようになる。
術者が指定した相手にも、発情するようになる。
◇
「何……」
という頃には、もう遅い。
ラルザの身体が数秒、糸の切れた人形のようになる。そして、立ち上がる頃には、もう出来上がっていた。
「フフ、ラルザ。済んだら解除してやろう。余の種を受けた後で、”倒す方法”とやらを、また考えるが良い」
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