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フラウベル王国の章
3.
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エルデネスの軍刀が、ひらひら動く。
「魔王、覚悟!」
と槍が来れば、躱して斬り捨て、
「おのれ、魔王!」
と剣が来れば、軍刀で弾いて斬り捨てる。
何人か斬った所で、流石に、衛兵達が、距離を取りだした。
「どうした?終わりかね」
エルデネスが、フラウベル王の方を見る。
「次は何だ?この"妙な気配の奴"でも呼んでみるか?」
「!」
フラウベル国王の身体が、ビクッと震える。
(み、見抜いているのか?我が国の召喚獣を……)
「エルデネス!」
と、声がした。
エルデネスが見ると、泥だらけの王女、カノンと、その後ろに騎士団長のアレサだ。
「姫様!」
「姫様!」
「ほう……」
エルデネスが、首を一瞬、少し傾ける。
「城に行きたいか、王女。行きたまえ。余は止めん」
「……ッ!」
エルデネスを囲む、衛兵。
その横を、カノンが通り過ぎる。エルデネスは、特に何もしない。
騎士団長アレサは、そのまま衛兵達の指揮を取るべく、城壁の前に残った。
──と。
「魔王エルデネス!そんなに見たければ見せてやろう!我がフラウベル王国の切り札、天龍アルドランを!」
国王の叫び声に応じ、衛兵達が離れる。
エルデネスが見上げると、空に、光の球のようなものが現れ、どんどん大きくなってゆく。
やがて、光の球から、"天龍アルドラン"が姿を現した。
白い皮膚に、金色の、鎧のような装い。左右三つずつの翼、雄々しき尻尾に、美しさを感じさせる顔。
アルドランは、一声、高い声で鳴くと、自らの背後に無数の光の剣を召喚し、エルデネスに降らせた。
「終わりだ、エルデネス!」
国王の声。
「"バッシュ"」
エルデネスの、声。
光の剣が、返る。
アルドランは、光のブレスを吐いたが。
「"シルヴィア"」
◇
零度魔法:シルヴィア
「凍らせた」結果のみを出す、エルデネスの魔法。
ちなみに、エルデネスはよく、編み出した魔法に「人間の女性名」をつけるようだ。
◇
天龍アルドランが、即座に凍り。
光のブレスが、虚空に消える。
氷像が、城の前に落ちる。轟音がし、風が吹き、破片が飛ぶ。
──それは、フラウベルが負けた音。
「魔王、覚悟!」
と槍が来れば、躱して斬り捨て、
「おのれ、魔王!」
と剣が来れば、軍刀で弾いて斬り捨てる。
何人か斬った所で、流石に、衛兵達が、距離を取りだした。
「どうした?終わりかね」
エルデネスが、フラウベル王の方を見る。
「次は何だ?この"妙な気配の奴"でも呼んでみるか?」
「!」
フラウベル国王の身体が、ビクッと震える。
(み、見抜いているのか?我が国の召喚獣を……)
「エルデネス!」
と、声がした。
エルデネスが見ると、泥だらけの王女、カノンと、その後ろに騎士団長のアレサだ。
「姫様!」
「姫様!」
「ほう……」
エルデネスが、首を一瞬、少し傾ける。
「城に行きたいか、王女。行きたまえ。余は止めん」
「……ッ!」
エルデネスを囲む、衛兵。
その横を、カノンが通り過ぎる。エルデネスは、特に何もしない。
騎士団長アレサは、そのまま衛兵達の指揮を取るべく、城壁の前に残った。
──と。
「魔王エルデネス!そんなに見たければ見せてやろう!我がフラウベル王国の切り札、天龍アルドランを!」
国王の叫び声に応じ、衛兵達が離れる。
エルデネスが見上げると、空に、光の球のようなものが現れ、どんどん大きくなってゆく。
やがて、光の球から、"天龍アルドラン"が姿を現した。
白い皮膚に、金色の、鎧のような装い。左右三つずつの翼、雄々しき尻尾に、美しさを感じさせる顔。
アルドランは、一声、高い声で鳴くと、自らの背後に無数の光の剣を召喚し、エルデネスに降らせた。
「終わりだ、エルデネス!」
国王の声。
「"バッシュ"」
エルデネスの、声。
光の剣が、返る。
アルドランは、光のブレスを吐いたが。
「"シルヴィア"」
◇
零度魔法:シルヴィア
「凍らせた」結果のみを出す、エルデネスの魔法。
ちなみに、エルデネスはよく、編み出した魔法に「人間の女性名」をつけるようだ。
◇
天龍アルドランが、即座に凍り。
光のブレスが、虚空に消える。
氷像が、城の前に落ちる。轟音がし、風が吹き、破片が飛ぶ。
──それは、フラウベルが負けた音。
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※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
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