魔王エルデネス

後書き

「魔王エルデネス」について

某、国民的王道RPGで育ちました。
なので「勇者」「魔王」の構図が大好きです。今となっては、これはファンタジー世界のテンプレートとして定着しています。説明せずとも勇者、魔王、で、皆様と、だいたいのイメージが共有できると思います。

そして、筆者は昔から、悪役が好きです。
特に、筋の通った悪のカリスマ。時には、悪役の言う事に頷いてしまうのは「正義のしがらみ」がない立場からの、忌憚なき意見だからでしょうか。悪に頷いていい、悪に惚れていい、というのは、フィクションの中だけの特権ですね。現実世界に持っていくのは絶対に駄目です。

では筆者も「魔王」、それも主人公、ダークヒーローとしての魔王を作ってみようと思って、「エルデネス」ができました。

最初は、小説にする気はありませんでした。しかし、色々作り込んでいくうちに「自分の中だけで終わらせたくないな」と思い、共有できる形──何とか皆様に見せられる形にしよう、そんな思いで、書きました。

物語を作る際、世界からか、主人公からかという問題があると思いますが、今作については主人公「エルデネス」が先です。彼に沿って、世界を作っています。
書いていくうちに、エルデネスや、収納玉、魔法など、「魔王側」だけを作っていた時には分からなかった、相手側──人間側の苦しみに気付いて、手を止める事もありました。
しかしそれは、こういう話、魔王の世界征服の話なのだから、と、書ききる事にしました。

続編を予定しております。
続編では、ゲームの「はじめから」のように、エルデネスが、また違う世界に降り立ちます。そして、今回はなかったシチュエーションや相手などに、一貫した「エルデネスらしさ」を貫いていく予定です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
魔王エルデネスの登場に、何かしらの感情を抱いて頂けたのなら幸いです。