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1巻 4章~聖なる山とドラゴンと春の精霊と
The Deadly Struggle. Minute 3. 光の剣よ、冬を断て!
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大きくドラゴンが身を捩った!苦痛に全身をのたうち回らせ、自分の首や身体を周囲の壁に何度も叩きつけているのが見える。
その瞬間、鎖が蠢く前のホワイトドラゴンの動きとは比較にならないような速さで、左の鍵爪がガルムに襲い掛かる!
「速い! ぐわっ……! 」
虚を突かれたガルムだったけれど、大斧を盾のようにしてなんとか致命傷は避けたようだ。それでも鍵爪に体を掴まれ、そのまま地面に突っ伏すようにして倒れ込む。
「ガルム大丈夫か! 」
俺が大声で叫ぶ。しかしその瞬間、驚異的な速さでホワイトドラゴンの首が伸び……俺とフィオナ、エレノールを大きく飲み込まんとするかのように、素早い牙の攻撃が襲い掛かった!
「!!! 」
これは避けらない! なんだこの速さは……今までと段違いじゃないか!
俺はゆっくりと周囲の時間が流れるのを感じた。これってまさか走馬灯ってやつか!
ホワイトドラゴンの大きく開いた口が迫り、鋭い牙が俺たちをかみ切らんとする様子がスローモーションのように見える……このままじゃ、フィオナもエレノールも!
「ニルフ!! ふざけんじゃねぇ! 泣いていねぇでなんかしろってんだ! 」
グリューンが大きく叫ぶの聴こえた! その瞬間、一気に嚙み砕こうとしているドラゴンの動きが止まる……俺は大きく息を吐き出す。フィオナの身体の緊張が解けるのを感じる。
『グリューーーン! オレっちだって負けないよ! 』
男の子が懸命に戦っているような声がドラゴンの身体の中からはっきりと聴こえた。この声は春の精霊か。助かった!
俺は大きく炎の剣を振りかぶる! 念じる想いの大きさに比例して炎の大きさは更に巨大になり、俺の身長よりも長くなっている。力一杯その炎の剣を、噛み砕こうとしていたドラゴンの口に向かって振り下ろす!
『ザッシュ!! 』
焦げ臭いような、剣の発する大きな炎に焼かれる臭い! 苦悶の表情と激しい咆哮を上げながら、天井に向かって首を捩らせるホワイドラゴン!
「レンジ! グリューン! もうダメかと思ったぞ……」
ガルムが鍵爪から強引に脱出してこちらに駆け寄ってくる。すぐさま傷を治療するフィオナ。
『破邪導術、魔文錬成完了まであと……30秒……カウントダウンを開始します』
エレノール! 集中してるんじゃ……え!
俺は耳を疑った。今まで「ミャアミャア」としか鳴かないと思っていた使い魔のミンミが、エレノールと全く同じ声でカウントダウンを始めている!
「……25……20……」
その時だ! ホワイトドラゴンが周囲の魔力を取り込むように、大きく息を吸い込むような動きを見せる。さっき俺が切りつけた口から緑色の血が流れ、その口が大きく開かれる。凍結していくような魔力の結晶が、ドラゴンの口の中に充満している! まさか……竜の息吹! やばい!
「ここまで来て! させるかよ!! 」
無我夢中で炎の剣をホワイトドラゴンに向けて突き出した。突然頭に浮かぶキーワード……えいい! ままよ!!
『炎の大盾!! 』
キラキラと俺の魔力が光り輝き、持っている炎の剣の形状が瞬時に変化する! そう、包丁が竿化したときのような感覚だ。光り輝く結晶になった炎の粒子が、再度俺たちの目の前で大きな炎の盾を形成する!
冷気の渦をまとった光線状の竜の息吹が、俺たちにうなりを上げて襲い掛かる!! それは作り出した炎の大盾にぶち当たり、大きくせめぎあう様に強力な光を発する!
ゆらり……と魔力が大きく削り取られるのを感じる! くそ、なんて量を消費するんだ! 膝ががくりと折れる様な感覚が襲う。それをなんとか踏ん張り耐える。
もう少し、もう少しのはずなんだ!
『……3……2……1! カウントダウンを終了。魔力充填完了』
ミンミがそう告げた! その瞬間、エレノールの緑色の瞳が大きく光り輝く!
『破邪導術!! 』
エレノールの堂々とした呪文の言葉が火口内に響きわたる! 彼女の持っている黒双樹の杖から、神々しい光があふれ出し、その光はホワイトドラゴンの真上に集結する。その光に照らし出され、大きく身じろぐようにドラゴンの全身を覆った鎖……黒ローブの男の残滓の念……が、ギシギシと大きな音を立てる! その瞬間、真上に収束された光の渦が、小さないくつかの輝く矢のように変化し、一気に黒く禍々しい鎖に向かって掃射される! 大きくガラスが一斉に割れる様な音を立てて、鎖が後も残さず消滅する!
ドラゴンが悲鳴にも似た苦痛の表情と泣き声を上げる!
「今だ、レンジ!! 思いっきり魔力を高めろ! 」
グリューンが大きく俺に向かって叫ぶ! 無我夢中で自分の腹に力を込める!
フィオナの綺麗な笑顔がまず浮かぶ。次にグリューンのにやけた様な表情、ガルムの大きな笑い声、エレノールがキノコを頬張っている表情……
そして師匠が俺に店の仕切りを初めて任せた時の様な、俺を信頼する表情が浮かんだ!
「……冬を終わらせるぞ!! 」
俺の右手に、大きな神々しい光の剣とでも言わんばかりの、純粋な魔力の結晶の剣が創造される!
そのまま……その光の剣をホワイトドラゴンに向かって思いっきり振り下ろした!
その瞬間、鎖が蠢く前のホワイトドラゴンの動きとは比較にならないような速さで、左の鍵爪がガルムに襲い掛かる!
「速い! ぐわっ……! 」
虚を突かれたガルムだったけれど、大斧を盾のようにしてなんとか致命傷は避けたようだ。それでも鍵爪に体を掴まれ、そのまま地面に突っ伏すようにして倒れ込む。
「ガルム大丈夫か! 」
俺が大声で叫ぶ。しかしその瞬間、驚異的な速さでホワイトドラゴンの首が伸び……俺とフィオナ、エレノールを大きく飲み込まんとするかのように、素早い牙の攻撃が襲い掛かった!
「!!! 」
これは避けらない! なんだこの速さは……今までと段違いじゃないか!
俺はゆっくりと周囲の時間が流れるのを感じた。これってまさか走馬灯ってやつか!
ホワイトドラゴンの大きく開いた口が迫り、鋭い牙が俺たちをかみ切らんとする様子がスローモーションのように見える……このままじゃ、フィオナもエレノールも!
「ニルフ!! ふざけんじゃねぇ! 泣いていねぇでなんかしろってんだ! 」
グリューンが大きく叫ぶの聴こえた! その瞬間、一気に嚙み砕こうとしているドラゴンの動きが止まる……俺は大きく息を吐き出す。フィオナの身体の緊張が解けるのを感じる。
『グリューーーン! オレっちだって負けないよ! 』
男の子が懸命に戦っているような声がドラゴンの身体の中からはっきりと聴こえた。この声は春の精霊か。助かった!
俺は大きく炎の剣を振りかぶる! 念じる想いの大きさに比例して炎の大きさは更に巨大になり、俺の身長よりも長くなっている。力一杯その炎の剣を、噛み砕こうとしていたドラゴンの口に向かって振り下ろす!
『ザッシュ!! 』
焦げ臭いような、剣の発する大きな炎に焼かれる臭い! 苦悶の表情と激しい咆哮を上げながら、天井に向かって首を捩らせるホワイドラゴン!
「レンジ! グリューン! もうダメかと思ったぞ……」
ガルムが鍵爪から強引に脱出してこちらに駆け寄ってくる。すぐさま傷を治療するフィオナ。
『破邪導術、魔文錬成完了まであと……30秒……カウントダウンを開始します』
エレノール! 集中してるんじゃ……え!
俺は耳を疑った。今まで「ミャアミャア」としか鳴かないと思っていた使い魔のミンミが、エレノールと全く同じ声でカウントダウンを始めている!
「……25……20……」
その時だ! ホワイトドラゴンが周囲の魔力を取り込むように、大きく息を吸い込むような動きを見せる。さっき俺が切りつけた口から緑色の血が流れ、その口が大きく開かれる。凍結していくような魔力の結晶が、ドラゴンの口の中に充満している! まさか……竜の息吹! やばい!
「ここまで来て! させるかよ!! 」
無我夢中で炎の剣をホワイトドラゴンに向けて突き出した。突然頭に浮かぶキーワード……えいい! ままよ!!
『炎の大盾!! 』
キラキラと俺の魔力が光り輝き、持っている炎の剣の形状が瞬時に変化する! そう、包丁が竿化したときのような感覚だ。光り輝く結晶になった炎の粒子が、再度俺たちの目の前で大きな炎の盾を形成する!
冷気の渦をまとった光線状の竜の息吹が、俺たちにうなりを上げて襲い掛かる!! それは作り出した炎の大盾にぶち当たり、大きくせめぎあう様に強力な光を発する!
ゆらり……と魔力が大きく削り取られるのを感じる! くそ、なんて量を消費するんだ! 膝ががくりと折れる様な感覚が襲う。それをなんとか踏ん張り耐える。
もう少し、もう少しのはずなんだ!
『……3……2……1! カウントダウンを終了。魔力充填完了』
ミンミがそう告げた! その瞬間、エレノールの緑色の瞳が大きく光り輝く!
『破邪導術!! 』
エレノールの堂々とした呪文の言葉が火口内に響きわたる! 彼女の持っている黒双樹の杖から、神々しい光があふれ出し、その光はホワイトドラゴンの真上に集結する。その光に照らし出され、大きく身じろぐようにドラゴンの全身を覆った鎖……黒ローブの男の残滓の念……が、ギシギシと大きな音を立てる! その瞬間、真上に収束された光の渦が、小さないくつかの輝く矢のように変化し、一気に黒く禍々しい鎖に向かって掃射される! 大きくガラスが一斉に割れる様な音を立てて、鎖が後も残さず消滅する!
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