REM

へちゃ

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REM

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「REM」

  60年の齢を重ね、目の覚めた少年。
 夢の中で老人から自分史という本を渡されて、たった今、読み終わったところだった。
 少年は、ここが天国かと呟いた。
 老人は眼が常に小刻みに左右に震え、上まぶたと下まぶたの間には蜘蛛の糸が張っていた。モルターボードを被り、論文集を抱えていた。
「夢の時間は自分の思い通りの早さで、進むのじゃよ」老人は、少年に言った。
「君に渡した君の自分史の本は、普通の本のように見えるけど、夢圧縮されていて、9億行あるんだ。」

 少年は読み終わった。
 老人は化石になっていた。
 蜘蛛の群れが手紙を運んできた。
 勿論、老人からだった。
「ヒヒヒ。ワシの生涯をかけた実験がほぼ終わった。
夢の時間と現実の時間はほぼ同じ早さで進むのが証明出来たよ。
君には悪かったけどの。
君の父親に莫大なお金を前払いしているからね」


 【結びの少年】

 少年の姿のまま、
 老人の顔になっていく。
 鏡を見ながら少年は考える。
 もう、僕は夢の中で一生を終えたんだ。
 いいさ。
 とっくに亡くなったと思うけど、きっと、お母さんもお父さんも幸せに生きたんだ。
 僕を忘れて。
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