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文字数 525
最終更新日 2025.11.20
登録日 2025.11.20
文字数 334
最終更新日 2025.11.19
登録日 2025.11.19
女子高校の片隅に、誰も寄りつかない部室がある。看板には「SF研究会」と書かれているが、実態はアニメ半分、理屈半分。生徒たちからは“半分S研”と呼ばれている。
部長の天音は、量子論とBLに情熱を燃やす変人。何事も「物理的に説明できる」と言い張る理屈屋であり、恋愛すらも方程式で語るタイプだ。
そこに入部してきたのが、新入生の歩乃花(ほのか)。まじめで文学少女風……のはずが、どうも数式を見ると頬が赤くなるという特異体質を持っていた。
ある日、なけなしの部費で「銀河英雄伝説」DVDセットか、「グイン・サーガ」全巻セットかを買うかで、二人の間に論争が起きる。どちらも“BL的考察”の対象として、天音は真顔で語り尽くす。「アルド・ナリスとヴァレリウスの精神結合は超弦理論」「ラインハルトとオーベルシュタインは静止系における相対性理論」――そんな部長の暴走理論に、歩乃花のツッコミは止まらない。
ところがロッカーの奥から現れたのは、“幽霊部員”が残した大量の薄い本たち。そこから事態は一気に重力崩壊を始める。
「BLは文化だ。そして百合は文化の終着駅だ」
天音の突拍子もない宣言に、歩乃花は顔を真っ赤にして叫ぶ。「それ、実験って言わないです!」
だが次の瞬間、天音が囁く。「観測者が変われば、波動関数も変わる。――つまり、今度は私たちの番だよ」
理論と感情、数式と恋心が干渉し合う放課後。
“百合の実験”という名の恋愛観測が、いま始まろうとしていた。
文字数 1,476
最終更新日 2025.11.06
登録日 2025.11.06
文字数 1,897
最終更新日 2025.09.11
登録日 2025.09.11
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