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本編
しおりを挟む「余命、あと半年だね。うん」
軽いノリで、さも他人事のように言われ、リアージュは一瞬理解できなかった。
余命あと半年? 自分が? ――嘘、だろう?
「痛み止めの薬は処方しておくから。何かあったらまたおいで」
「え、いや、あの……」
「それじゃあね」
医療用寝台に寝そべっているリアージュの前からさっさと消えていく街医者。リアージュはぽかんとしてその小太りな背中を見送った。
――余命半年。
「俺……もうすぐ、死んじゃうのか……?」
不思議と涙は出てこない。まだ、現実を受け入れられていないのかもしれない。無理もないとは思うけれど。
リアージュは点滴が終わるまで病院に一人でいて、点滴が終わるなり、とぼとぼと帰路についた。薄暗くなっていく中、明かりのついていない集合住宅の一室に帰る。
リアージュには、両親も兄弟もいない。孤児だからだ。今はもう成人して花屋で働いているので同僚はいるが、そこまで親しい仲でもない。まして友人など……ほとんどいないに等しい。よって、相談できる相手はいないも同然。
でも、たった一人。信頼できる相手がいる。幼馴染のハズノだ。王城で王立騎士をしている、大好きな人。
「会いに行きたい……けど。仕事中だよなぁ」
それに、と思う。ハズノのことだ。もし、リアージュの余命が短いことを知ったら、泣き出してしまいそうだ。それだけ優しく純粋な男なのだ。
ハズノには、心配をかけたくない。だから、いつも通りに振る舞おう。ハズノが悲しむ姿は見たくない。
会いに行きたい衝動を堪え、一人、寝台の上で膝を抱えてうずくまる。
「……ハズノのこと、幸せにしたかったな」
いつか恋人になって、生涯の伴侶になって、幸せに満ち溢れた人生を一緒に送りたいと思っていたのに。将来の展望が水の泡だ。
だったら、せめて最後に……。
ハズノに抱かれる自分を想像したが、……ダメだ。それでは、自分が本当に死んだ時、ハズノがより悲しんでしまいそうだ。自分勝手な真似はしたくない。
誰にも、ハズノにも、何も言えない。がんじがらめの状況が窮屈で苦しく、リアージュは寝台から下りて家を出た。もう何もかもが嫌になった。
向かう先は――娼館だ。
「あっ、あぁっ、ふぅ……んんっ」
背後から、ガシガシと穿たれる。四つん這いになって、娼夫に抱かれているリアージュは、喘ぎ声を上げながら『初体験』を堪能していた。
最初は怖かったが、いざ身体を重ねてみると、気持ちがいい。何より快楽で頭がいっぱいになるので、ハズノのことを忘れられる。自分の余命さえも。
「気持ちいいか?」
優しい笑みを浮かべている娼夫に、リアージュは「うんっ」と答える。もっと突いてほしいとねだると、興奮したのか、激しく律動させた。
初めての日、初めての相手……すべてが目新しく見えた。今まで自分が生きてきた世界はなんだったのだろう。バカ真面目に貞操を守ってきた自分がバカらしい。
「イ、く……あぁあああ――っっ!」
絶頂を迎え、リアージュは布団の上に倒れ込む。娼夫はもう一度やらないかと興奮気味に誘ってきたが、リアージュはひとまず断った。もう疲れた。
シャワー室でシャワーを浴び、汚れを洗い流す。脱衣所で服を着たら、そそくさと娼館をあとにした。
「はぁ……気持ちよかった」
手櫛で髪を掻き上げる。色っぽい仕草に、通りすぎる男がこちらを見たのが分かる。
なんだか、生まれ変わった気分だ。明日もここにこよう。想像していたよりも、ずっと優しい相手だったし。
上機嫌で集合住宅への道を歩いていると、
「リ、リアージュ……?」
戸惑ったような声が、リアージュの名前を呼んだ。この声が誰なのかを聞き間違えることはない。――ハズノだ。
リアージュは一瞬びくりとしてしまった。よりにもよって、ハズノに朝帰りがバレるとは思わなかった。
「……ハズノ。よ、よう」
「お前……なんでこんな店から出て……」
ハズノは、なぜかショックを受けた顔をしている。友人が娼館通いをしていたことを知ったから……というだけには見えないが、なぜだろう。
よく分からなかったものの、後ろめたい気持ちがあって、言及できなかった。
「別に。ただの性欲解消だよ」
なんとも思っていないふりをして、簡潔に返す。真面目なハズノのことだ。もしかしたら、怒られるのではないかとひやひやしていたら、案の定そうだった。
「っ、何やってるんだよ! 自分の体は大切にしろ!」
一喝され、リアージュは唇を噛みしめる。……大切にしろと言われても。
もう自分の命は半年しかない。好き放題に生きて何が悪いというのだ。開き直って、リアージュは挑発的にハズノを見上げた。
「関係ないだろ。気持ちのいいことをして何が悪いんだよ」
「リアージュ!」
「お前もさっさといい相手を見つけたら? じゃあな」
さっさと立ち去ろうとすると、ハズノは「待てって!」と追い縋ってきた。ぐいっと肩を振り向かせられる。
「何す――、っ!」
唇を強引に奪われた。咄嗟に何もできず、されるままでいると、ハズノはようやくそっと顔を離す。怒ったような、それでいて悲しげな表情が、そこにはあった。
「なんでだよ。幸せな結婚をしたいって言ってたのに……」
「っ」
言うな。それはもう、叶わぬ夢なのだから。
リアージュはようやくはっと我に返って、ハズノを押しやった。やめてほしい。そんな顔をして見ないでほしい。
もう想いがぐちゃぐちゃだ。ハズノのことが好きなのに他の男と肉体関係を持ってしまい、そのことをハズノ本人にバレて責められて。悪いのは自分だと分かってはいても、気付かなかったのはそっちだろうと言いたくなる。
「……だから、ハズノには関係ないだろ。もう話しかけるな」
どうしてキスをされたのか分からないものの、今度こそ踵を返す。茫然としているハズノに見つめられる中、リアージュは街の喧騒に紛れていった……。
それから、娼館通いが続いた。リアージュが通う相手は、決まって最初の男。ノアークという名の彼と、何度も身体を重ねた。
「……そうか。余命は変わらない、か」
寡黙で無骨なノアークは、悲しげに呟く。寝台の中で、身体を密着させながら抱き締めてくれた。
「俺は何もしてやれないが、少しでも気が晴れるのなら。また来てくれ」
「……うん。ありがとう」
リアージュもノアークの背中を抱き締め返し、一夜をともにして、娼館をあとにした。その直後のことだ。――また、ハズノと鉢合わせてしまった。
「リアージュ……お前、またか」
「そっちこそ」
「俺は職場の飲み会だ。娼館にきてるわけじゃない」
ハズノは苛立った顔で言うと、突然リアージュの腕を掴んだ。
「! 何するんだよっ」
驚いて暴れるリアージュのことを、ハズノは路地に引きずり込む。壁にどんっと追いやられて、――キスをされた。
驚いて目を見張ると、切なげな瞳をしているハズノと目が合う。
「性欲解消したいんなら、俺が相手をしてやる」
「は、はぁ?」
「ここじゃ目立つから、行くぞ」
「お、おい……!」
手を引っ張られて、連れて行かれた先は、愛欲用の宿屋だ。勝手に部屋を借り、奥の部屋まで連れ込まれてしまった。
必要以上に暴れなかったのは目を引きたくないからで、承諾したわけじゃない。どうして急にこんなことをするんだ。
……でも。
ときめくものがある。ハズノに抱いてもらえるなんて、夢のようだ。一夜限りでも、いい思い出になる。
そう思い、無闇な抵抗はやめ、流れに身を任せることにした。ハズノと綺麗な思い出を作るのだ。
「リアージュ……」
寝台の上で、もう一度キスをされる。今度は優しいキスだ。
舌を絡め、互いに貪り合いながら、衣服を脱がされる。半裸になったところで、押し倒された。乳首を舐められ、快楽が走る。思わず口から喘ぎ声が飛び出た。
「あっ、あっん」
ノアークに開発されてしまった身体は、容易く快楽に燃え上がってしまう。些細な刺激で感じるリアージュを、ハズノは複雑そうな顔で見下ろしている。が、それでも優しい愛撫を続けてくれた。
すっかり勃ち上がったそれを、ハズノの手が掴んで扱く。直接的な刺激に、ますます興奮してしまう。
もう……ダメ。我慢できない。
「ハ、ズノ……も、入れてほしい」
上擦った声で懇願すると、ハズノは驚いた顔をした。嬉しそうな、それでいて悔しそうな表情で、リアージュにキスをする。
「分かった。俺ももう……入れたい」
ハズノは一旦体を離し、自身の衣服を脱いだ。そそり立つそれを、リアージュの後孔にそっとあてがう。
「入れるよ。いいか」
「うん……早く」
後孔にぐっと圧力がかかる。ゆっくりと押し入ってきた熱棒が、リアージュの体を貫く。待ちかねた快楽がやってきて、リアージュは体を弓なりに仰け反らせた。
「あぁっ……」
「動くよ」
ハズノの欲望がゆっくりと動き出す。抜き差しを繰り返し、リアージュの中を穢す。穿たれるたびに快楽が弾け、リアージュは嬌声を上げた。
「んんっ、ふぁっ……ああっ」
「気持ちいいか?」
「う、ん……っ」
素直に答えると、ハズノはようやくふっと笑みをこぼした。
「そうか」
頭上にいるハズノも息も弾ませながら、律動を激しくさせる。ガクガクと揺さぶられ、リアージュもまた絶頂を駆け上がっていく。
ハズノはリアージュの腰をがっちりと掴んで離さず、なおも腰を打ちつけ続けた。数十分続いた情事がようやく終わる頃には、二人とも息も絶え絶えに寝台の上に寝そべっていて、顏を向き合うとキスをする。
「リアージュ。あの……」
「なに?」
「好きなんだ。俺と付き合ってほしい」
まさかのハズノからの告白。
両思いだったのか。好きだという言葉に、胸が弾んだ。……だけど、同時に後ろ暗い思いに苛まれた。
自分は、ずっと他の男に汚され続けた。そんな自分に、純粋なハズノの隣にいる資格があるのか……何よりも、自分はもう余命が短い。真剣に交際をしたところで、ハズノを悲しませるだけだ。
だったら、最低な男のままで。ハズノの中の自分が終わったらいいのでは。
「無理」
「え……」
「お前、下手なんだもん。やっぱり上手な奴がいいから」
やんわりと拒絶すると、ハズノはぽかんとしていた。きっと、最中の様子から脈ありだと思っていたんだろう。
「下手、って……」
「あっちの男の方がよかった。感謝しろよ。童貞をもらってやったんだから」
「~~っ」
ハズノの顏は怒りで真っ赤だ。「下手な童貞で悪かったな!」と声を荒げた。てっきりそのまま帰ってくれるのかと思ったのに……どうしてだろう。ハズノはもう一度、リアージュに覆いかぶさってきて。
「だったら、上手にさせてくれよ。それでお前と付き合いたい」
リアージュは、言い淀んだ。何を言っているのかと思った。まだ……付き合いたいと言ってくれるのか。
「……暇な時なら付き合ってやるけど」
逡巡した末、素っ気なく言うと、ハズノは顔を明るくさせた。もう一度、リアージュにキスをして、そのまま第二ラウンドに突入した。
こうして、リアージュとハズノの奇妙な関係が始まった。定期的に身体を重ね、お互いをよく分からない意味で高め合う日々が。
娼館通いはそれからもうやめた。体力が続かないし、ハズノとの時間でもう十分だった。といっても、ハズノには娼館通いを続けていることを伝え、好感度を下げようとしたのだけれど……それでも、ハズノの思いは変わらない。
『俺と付き合う時はやめろよ』
ただ一言そう言うだけだった。
ハズノのことを悲しませたくない一心でついた嘘。それなのにハズノのことを傷付けているかもしれない。その事実がリアージュの心に重くのしかかる。
こんな自分は、やっぱりハズノにはふさわしくない。関係を絶ちたい。
そう思って別れを切り出そうとしても、ハズノの顏を見たら何も言えなかった。だって、リアージュのことを愛した後、すごく幸せそうな顔をしているから。
こんなことなら、最初から……ハズノと真剣交際していたらよかった。もう自分たちの関係は複雑すぎて、頭がこんがらがってくる。
「リアージュ?」
ある日のこと。ハズノとデートしていたら、なんとノアークと顔を合わせた。仕事は休みなんだろう、いつも会っていた時とは装いが違う。だから、咄嗟に誰か分からなかった。
「えっと……?」
「俺だよ。ほら、『ノアーク』だよ」
「ああ、あそこの」
ハズノが怪訝な顔をする。「あそこの?」と一人ごちている。
リアージュははっとした。そうだ。ここでノアークとイチャイチャしたら、ハズノの心も離れていってくれるのでは。
ハズノにはもっとふさわしい人がいる。……ここで終わらせよう。
「ノアークっ」
リアージュはわざとらしいくらい、猫かぶりの態度でノアークの腕に抱きつく。ノアークは「うわっ」と驚嘆の声を上げつつも、リアージュのことを抱き止めた。
「会いたかった。早く宿屋に行こうっ」
「へ? ど、どうしたんだ、急に」
ノアークは困惑気味だ。それはそうだ。もう何ヶ月もお店に顏を出していない。てっきり自分に飽きたとでも思っていたのだろう。
「それに俺は、時間外労働はしない主義で……」
「いいから。お金ならたくさん払う」
「――は!?」
と声を上げたのは、ハズノだ。ようやくノアークがどういった相手か察したらしく、慌ててリアージュをノアークから引きはがそうとした。
「バカ! 何、お金を散財しようとしてるんだよ。俺がいるだろ」
「ノアークの方がいいんだよ」
「~~っ、分かったよ! もう勝手にしろ!」
怒りで顔を真っ赤にしたハズノが、やっと。やっと、リアージュから離れていった。肩を怒らせて立ち去っていくハズノを……リアージュは切なげに見つめる。ほっとしたのが半分、そして悲しいのがもう半分。
「……っ」
目から涙がぽろぽろとこぼれた。泣きじゃくっていると、ノアークはやはり混乱している。何がなんだか分からないといった顏で、しかしリアージュのことを優しく抱き締めた。
「大丈夫か?」
平気だと答えようにも、しゃくり上げてしまって声が上手く出せない。
全部、自分のせいだ。自業自得でしかない。それでも、涙がどんどん溢れてくる。
――好きだったのに。
さようなら、初恋の人。
それから数日後、病院に通院したリアージュは……とんでもないことを言われた。
「いやぁ、すまないね。病気のことは、誤診だった。本当にすまない」
「え? じゃあ、余命のことは……」
「大丈夫。君ならきっと長生きするよ。じゃ、じゃあね」
街医者もとい、やぶ医者は、逃げるように診察室から立ち去っていく。リアージュは呆気に取られていたが、事情を理解すると、ふつふつと怒りが込み上げてきた。
ふざけるな、と叫びたかった。が、ハズノのことは自業自得なのだ。やぶ医者が悪いわけじゃない。
おとなしく引き下がる他ほかなく、リアージュは病院を出て、とぼとぼと帰路についた。一人、集合住宅の一室に帰る。
「これからどうしよう……」
仕事ももう辞めてしまった。新しい働き口を急いで探さなければ。
余命半年という話が誤診だったと知って嬉しいものの、何もかも失ってしまった。仕事も、貞操も、……ハズノのことも。
「……っ」
また、涙がこぼれ落ちてきた。あの日から、尽きることのない涙が。
どうしてこんなことになった。自分はただ……ハズノと幸せな結婚をしたかっただけのはずなのに。
泣きじゃくるリアージュの傍には、誰もいない。
思い切って、王都を離れることにした。やぶ医者のことといい、ハズノとのことといい、嫌な思い出ばかりだから。
「どこに行こうかな……」
大きな手提げカバンを持ったリアージュは、馬車の乗り合い場所にいた。ここからどこへでも行ける。田舎の街で人生をやり直そう。
馬車に乗ろうとした、その時だ。
「リアージュ!」
ハズノの声が街中に響いた。なぜここにいるか分からないものの、リアージュははっとして、慌てて馬車に乗り込もうとする。が、背後からぐいっと引き寄せられた。
――ぽすっ。
頼もしい腕の中に抱かれて、リアージュは驚く。顔を上げると、自分を抱き寄せたのは間違いなくハズノだと知って、戸惑った。
「ハ、ハズノ?」
「待ってくれ。……ごめんな、気付いてやれなくて」
「なんのことだ?」
「余命が短いことだよ。さっき、花屋から聞いた。一人でつらかっただろ」
リアージュは、なんと返したらいいのか分からなかった。そういえば、以前の職場にはきちんと理由を伝えていたが、……誤診であることは話しそびれていた。
ハズノは、ぎゅっとリアージュのことを力強く抱き締める。
「俺と一緒に暮らしてくれないか。気付いたよ。俺にとってリアージュがどれだけ大切か。もう絶対に離さないから」
「ハズノ……」
目から熱い涙が流れ落ちた。
リアージュだって、誰よりも何よりもハズノが大切だ。ずっと傍にいて幸せにしたい。
……でも。
「お、れは……他の男とたくさん……」
「いいよ、それはもう。気付いてあげられなかった俺が悪かった。一人で寂しかったんだろ? これからは俺がずっと傍にいるよ」
「~~っ」
リアージュはもう我慢できず、ハズノにしがみついた。これまでのことを謝りながら。
「ごめん、ずっと傷付けてきて…っ……」
一人よがりの思いで、大切な人の心をないがしろにしてしまっていた。きっとこの苦しさはその天罰なのだろうと思う。
嗚咽を漏らすリアージュのことを、ハズノは強く強く抱き締めた。もう絶対に離さないというように――。
「――へ!? 誤診だったぁ!?」
落ち着いた後。馬車の乗り合い場所から離れ、ハズノの住まいに移動し、リアージュはそこですべての事情を打ち明けた。誤診だったことにはほっとした顔をしているハズノも、リアージュの一人よがりな行動には呆れた顔をしていた。
「お前は……なんでそう、昔から暴走するんだ」
「……ごめんなさい」
しょんぼりとして謝ると、ハズノは「もういいよ」と許しの言葉を呟いた。リアージュのことを、確かにここに存在することを確認するかのように、また抱き締める。
「リアージュが無事ならそれでいい。でももう、絶対に自分の体を粗末に扱うなよ」
「別に粗末に扱ったわけじゃ……」
「似たようなものだろ。それに……もう、俺がいるんだから」
「……うん。分かった」
リアージュの体はもうリアージュだけのものじゃない。ハズノの言う通り、自分の体は大切にしなければ。
リアージュは、ハズノの首の後ろに腕を回す。
「大好きだよ。ハズノ」
抱きつきながら想いを告げると、ハズノが嬉しそうに笑う声が聞こえた。
「はは、ありがとう。俺もリアージュのこと大好きだよ。――愛してる」
――ちゅっ。
両思いになってからの初めてのキス。二人は幸せそうに笑い合い、何度も口づけを交わした。
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