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第2章 異世界教と異世界教
第19話 不思議な実
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「長老、雫に言われて来ました」
ふさふさした緑色の髪をなびかせ尻尾をフリフリしながら出てきた。
「サクラさんいらっしゃい。早速で悪いけど奥に来てもらって良いですか」
部屋から下に伸びる階段、100段程度降りると今度は真直ぐな通路が続く。長老は時折振り返って笑顔で手招する。壁はほんのりと温かく緑色に光っていた。
「ここは……」
地下とは思えない場所、緑が一面に広がる草原。遠くには森が見える。
「これはエデン……か? いや違う、エデンの一部を切り取ったようだ」
長老は僕の顔を不思議そうに覗き込むと「エデン?」と問いかけた。
「い、いや……僕が勝手に名付けたんです。楽園みたいな場所だったからエデンって……なんとなく似てるなーって思って」
長老は緑の中をゆっくりと歩き出した。人差し指程度の大きさに見える木に向かって……。
近づくにつれて大きくなる木、実際の大きさは10メートルを超えるんじゃないかというほど。ブドウのような紫の小さな果実が実っていた。
「君の言葉で分かりました。異世界教の人たちはマサンの実を食べたのですね。サクラさんがベヌスに渡って……でもあそこは精神でしか存在できないはず……どうやって採ったのだろう……ぶつぶつ」
長老の話からすると『異世界リンゴ=マサンの実』ということだよな、でも精神でしか存在できないってどういうことだ。
「あ、あのー」
集中しているのか僕の言葉は耳に入っていない。
ぶつぶつ言いながら自問自答している長老は、キッっと勢いよく僕を睨んだ。
「サクラさん。パライソの実を食べましょう。あなたは特別な実を食べてこちらの世界に来たんだと思います。簡単に言うと転移っていうのですかね」
「転移ですか?」
「そうです。異世界教の人々はチキュウとこちらの生活を途切れること無く認識しています。でもあなたは雫さんのように片方の生活しか認識していません」
確かにチキュウに戻れば異世界にいた分時間が進んでいるし、異世界にくればチキュウにいた時間が進んでいる。
「それでサクラさんはこの世界に存在が安定していないのです」
「じゃあ、また元の世界に戻り易いってことですか?」
「そうだけど、何がキッカケに飛ぶのか、何処に飛ぶのか、何時に飛ぶのかが全然分からないのです」
考えてしまう。どう理解してよいのか分からない。そんな僕をよそに長老はどんどん話しを進めた。
「サクラさんの体に色んな力を感じるのです。まだしっかりと定着していないというのか……だからこの世界の食べ物をたくさん食べれば安定するでしょう。それならこの世界の人が必ず食べるパライソの実が一番いいかなーって思うのです」
「パライソの実ですか? さっき言っていたマサンの実のようなものですか?」
「そうですねー、正確には違いますけど似たようなものだと思っても構いません。それで、儀式用のアイテムを採取してきて欲しいのです」
採取? 良く分からない世界で旅をするなんて恐怖でしかない。琢磨くんたちも言っていた。獣が襲ってくる……時には魔物とも戦うと。
「はいはい、その顔は納得がいっていないようね。でも大丈夫よ、ウィルたちと一緒にシーラに行ってアスタルテの雫をちょちょいっと持ってきてくれれば」
「この間も言っていましたけどシーラって一体何ですか」
「シーラはこの世界の核に繋がっている場所よ」急にシリアルな物言いにゴクリと唾を飲み込んだ。急に普段の口調に戻ると「でも心配ないですわ。子供でも行けるような場所ですから」
なるほど。
「けど、獣が出るんでよなぁ……僕なんかが無事に辿り着けるのかな……」
心の声が漏れていた。
「サクラさんはこの国の住人になったのです。この国で生きていくのであれば世界のことを知らなければなりません。どんな人が生き、どんな生物が住み、どんな考えを持っているのか。食べるために何をすれば良いのか……あなた自身で考えなさい」
心の奥から涌き出る何かが僕の中で溢れ、帰れないという実感が背筋を撫でた。
ブルブル震える体……どうしたらいいんだ……何不自由なく過ごしてきた平和な日常がガラガラと崩れたような気がする。
「そんなに切羽詰まった顔をしなくても大丈夫よ。あなたは特別な何かを持っているしちゃんとやってくれれば私が手伝ってあげるわ。先ずはウィルたちと一緒に冒険に出てみなさい。よければそのまま一緒にパーティーを組んじゃってもいいですよ」
ウィルって雫に手を出すなって怒っていたヤツだよな。確か騎士長をやっていたって言う……ということはかなり強いんだろうな。
「長老!」
「あぁ、私もパーティーに誘ってもらったときは嬉しかったわぁ、今頃『あの方』は何をしているのかしらぁ。そういえば初めて会ったのはお風呂だったわぁ…… (ぶつぶつ)」
「本当に伝説のパーティーのひとりなのかいな」
「そうよ、私たちは世界を災厄から救ったんですから」
……なんたる地獄耳。
「それで、アスタルテの雫を採ってきて何に使うんですか」
「この大樹に注ぎ込むの。そうするとたくさんのパライソが実るわ。この実は食べる人を選ぶの。だから見える実を食べればいいのよ。ほら、何も実っていないでしょ。たくさん実らせて成人の儀を受ける若人たちに食べさせるのよ。その時にあなたも1粒食べればいいわ」
しっかり実っているけど……。しかし長老の能天気さと相まって触れてはいけないような気がしてスルーしたのだった。
* * *
ウィルパーティと共に長老宅の前にいた。彼らはシェッセルに残った騎士団の元メンバー。その中でも最強と謳われた騎士隊隊長ウィル、副隊長の魔導士メーン、同じく副隊長の弓剣士アバンチである。
「長老、なんで俺がアスタルテの雫を頼まれるんだよ」
「そうよ、騎士団最強の私たちが受ける仕事じゃないでしょ」
「長老殿の頼みとあれば受けますが、それなりの報酬は出してもらえるんでしょうねぇ」
協力する気はないらしい。
「こういうのはどうだ、達成したら長老命令で俺とデートするように雫に言ってくれるってのは」とウィルはニヤニヤした。
ニコニコする長老、「それなら達成したら雫と戦わせてあげましょう。それで勝ったらウィルさんの望みを叶えてあげますよ」とサムズアップした。
「それなら私は長老と対戦させてもらおうかしら」とメーン、アバンチは「ずるいですねぇ。私はただ報酬が貰えればそれでいいんですけど」
「アバンチ、王都に行って最初に受けた仕事の報酬を半分やろう」とウィルは髪をかきあげた。
「仕方ないわねー、長老と戦えるなら私もそれでいいわ」と。メーンは前髪をクルクルする。
アバンチは「よっしゃー」と拳で胸を叩いた。
「あなたたちは王都に行くんですね、自分たちの人生ですからどこに行っても構いません。ただ、一緒に旅をして気に入ったらサクラさんを引き入れてもいいですよ」
「ちょっ……」
長老はなんてことを言うんだ。僕のために言ってくれているのは分かるけどこんなパーティーは嫌だ。
「あのさー長老、俺達は世界最強のパーティーになろうって訳よ。4人目は雫って決まっててな。まぁ、役に立ちそうだったら荷物持ち位させてやるよ」
手のひらで蝿でも払うようにヒラヒラさせるウィル。
「好きにしなさい。とりあえずアスタルテの雫をお願いします」
長老はニコニコしながら手を振って見送ってくれた。
ふさふさした緑色の髪をなびかせ尻尾をフリフリしながら出てきた。
「サクラさんいらっしゃい。早速で悪いけど奥に来てもらって良いですか」
部屋から下に伸びる階段、100段程度降りると今度は真直ぐな通路が続く。長老は時折振り返って笑顔で手招する。壁はほんのりと温かく緑色に光っていた。
「ここは……」
地下とは思えない場所、緑が一面に広がる草原。遠くには森が見える。
「これはエデン……か? いや違う、エデンの一部を切り取ったようだ」
長老は僕の顔を不思議そうに覗き込むと「エデン?」と問いかけた。
「い、いや……僕が勝手に名付けたんです。楽園みたいな場所だったからエデンって……なんとなく似てるなーって思って」
長老は緑の中をゆっくりと歩き出した。人差し指程度の大きさに見える木に向かって……。
近づくにつれて大きくなる木、実際の大きさは10メートルを超えるんじゃないかというほど。ブドウのような紫の小さな果実が実っていた。
「君の言葉で分かりました。異世界教の人たちはマサンの実を食べたのですね。サクラさんがベヌスに渡って……でもあそこは精神でしか存在できないはず……どうやって採ったのだろう……ぶつぶつ」
長老の話からすると『異世界リンゴ=マサンの実』ということだよな、でも精神でしか存在できないってどういうことだ。
「あ、あのー」
集中しているのか僕の言葉は耳に入っていない。
ぶつぶつ言いながら自問自答している長老は、キッっと勢いよく僕を睨んだ。
「サクラさん。パライソの実を食べましょう。あなたは特別な実を食べてこちらの世界に来たんだと思います。簡単に言うと転移っていうのですかね」
「転移ですか?」
「そうです。異世界教の人々はチキュウとこちらの生活を途切れること無く認識しています。でもあなたは雫さんのように片方の生活しか認識していません」
確かにチキュウに戻れば異世界にいた分時間が進んでいるし、異世界にくればチキュウにいた時間が進んでいる。
「それでサクラさんはこの世界に存在が安定していないのです」
「じゃあ、また元の世界に戻り易いってことですか?」
「そうだけど、何がキッカケに飛ぶのか、何処に飛ぶのか、何時に飛ぶのかが全然分からないのです」
考えてしまう。どう理解してよいのか分からない。そんな僕をよそに長老はどんどん話しを進めた。
「サクラさんの体に色んな力を感じるのです。まだしっかりと定着していないというのか……だからこの世界の食べ物をたくさん食べれば安定するでしょう。それならこの世界の人が必ず食べるパライソの実が一番いいかなーって思うのです」
「パライソの実ですか? さっき言っていたマサンの実のようなものですか?」
「そうですねー、正確には違いますけど似たようなものだと思っても構いません。それで、儀式用のアイテムを採取してきて欲しいのです」
採取? 良く分からない世界で旅をするなんて恐怖でしかない。琢磨くんたちも言っていた。獣が襲ってくる……時には魔物とも戦うと。
「はいはい、その顔は納得がいっていないようね。でも大丈夫よ、ウィルたちと一緒にシーラに行ってアスタルテの雫をちょちょいっと持ってきてくれれば」
「この間も言っていましたけどシーラって一体何ですか」
「シーラはこの世界の核に繋がっている場所よ」急にシリアルな物言いにゴクリと唾を飲み込んだ。急に普段の口調に戻ると「でも心配ないですわ。子供でも行けるような場所ですから」
なるほど。
「けど、獣が出るんでよなぁ……僕なんかが無事に辿り着けるのかな……」
心の声が漏れていた。
「サクラさんはこの国の住人になったのです。この国で生きていくのであれば世界のことを知らなければなりません。どんな人が生き、どんな生物が住み、どんな考えを持っているのか。食べるために何をすれば良いのか……あなた自身で考えなさい」
心の奥から涌き出る何かが僕の中で溢れ、帰れないという実感が背筋を撫でた。
ブルブル震える体……どうしたらいいんだ……何不自由なく過ごしてきた平和な日常がガラガラと崩れたような気がする。
「そんなに切羽詰まった顔をしなくても大丈夫よ。あなたは特別な何かを持っているしちゃんとやってくれれば私が手伝ってあげるわ。先ずはウィルたちと一緒に冒険に出てみなさい。よければそのまま一緒にパーティーを組んじゃってもいいですよ」
ウィルって雫に手を出すなって怒っていたヤツだよな。確か騎士長をやっていたって言う……ということはかなり強いんだろうな。
「長老!」
「あぁ、私もパーティーに誘ってもらったときは嬉しかったわぁ、今頃『あの方』は何をしているのかしらぁ。そういえば初めて会ったのはお風呂だったわぁ…… (ぶつぶつ)」
「本当に伝説のパーティーのひとりなのかいな」
「そうよ、私たちは世界を災厄から救ったんですから」
……なんたる地獄耳。
「それで、アスタルテの雫を採ってきて何に使うんですか」
「この大樹に注ぎ込むの。そうするとたくさんのパライソが実るわ。この実は食べる人を選ぶの。だから見える実を食べればいいのよ。ほら、何も実っていないでしょ。たくさん実らせて成人の儀を受ける若人たちに食べさせるのよ。その時にあなたも1粒食べればいいわ」
しっかり実っているけど……。しかし長老の能天気さと相まって触れてはいけないような気がしてスルーしたのだった。
* * *
ウィルパーティと共に長老宅の前にいた。彼らはシェッセルに残った騎士団の元メンバー。その中でも最強と謳われた騎士隊隊長ウィル、副隊長の魔導士メーン、同じく副隊長の弓剣士アバンチである。
「長老、なんで俺がアスタルテの雫を頼まれるんだよ」
「そうよ、騎士団最強の私たちが受ける仕事じゃないでしょ」
「長老殿の頼みとあれば受けますが、それなりの報酬は出してもらえるんでしょうねぇ」
協力する気はないらしい。
「こういうのはどうだ、達成したら長老命令で俺とデートするように雫に言ってくれるってのは」とウィルはニヤニヤした。
ニコニコする長老、「それなら達成したら雫と戦わせてあげましょう。それで勝ったらウィルさんの望みを叶えてあげますよ」とサムズアップした。
「それなら私は長老と対戦させてもらおうかしら」とメーン、アバンチは「ずるいですねぇ。私はただ報酬が貰えればそれでいいんですけど」
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「仕方ないわねー、長老と戦えるなら私もそれでいいわ」と。メーンは前髪をクルクルする。
アバンチは「よっしゃー」と拳で胸を叩いた。
「あなたたちは王都に行くんですね、自分たちの人生ですからどこに行っても構いません。ただ、一緒に旅をして気に入ったらサクラさんを引き入れてもいいですよ」
「ちょっ……」
長老はなんてことを言うんだ。僕のために言ってくれているのは分かるけどこんなパーティーは嫌だ。
「あのさー長老、俺達は世界最強のパーティーになろうって訳よ。4人目は雫って決まっててな。まぁ、役に立ちそうだったら荷物持ち位させてやるよ」
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