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第3章 王道の異世界ファンタジー
第35話 修練と異世界教
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「ほらほら早く魔法力を纏わないと石になるぞ」
マジですか……なんだか急に体が重くなったような……
「動きにくそうにしてるがまだ何も変わってないからな」
思いこみって怖い。
今は言われた通りにやっるしかない。
男子は某アニメに影響されて『気を集めてエネルギー波を撃つぞ!』と主人公を真似たアレである。気を集めていると次第にもやもやしたものを皮膚に感じ、子供心にこれが大きくなればいつかはエネルギー波が撃てるようになるものだと信じていた。
「いいかサクヤ、私のことは師匠と呼べ」
厳しい口調のセレン、「この結界の中では魔法力を纏う意識を持ち続けるんだ。どんなに薄くてもいい、ほんの少しの魔法力で石化を阻害できるからな」
「ちょっとどういう……」
「問答無用──」──一気に飛びかかってくるセレン。僕の眉間に刃が吸い寄せられる。
「うわぁ」
薄皮1枚の所で刃が止まった。あまりのスピードに反応すら出来ない。
目だけは良いって言われたのに反応すらできないなんて……セレンさんの強さが段違いなのかそれとも僕が弱すぎるのか……いや、両方なのだろう。
調子に乗ってたんだろうな。ウルフレッドを倒し、偶然とは言え魔獣と呼ばれる生き物まで倒した。
「まだ半分の力も出していないぞ。もう少し落としてやるからしっかり受けるんだ」
セレンの攻撃、今度は辛うじて見える……ミスリルの剣となった僕の武器で彼女の刃を受けていく。
「よし!」
「ほらほら、自信をつけるのは良いが首辺りが石化してきてるぞ」
「うわぁ」
慌てて後ずさり首に手が伸びる。
そこにあるのは薄皮のような石の感触。恐怖から一心不乱に剥がそうとするが、瘡蓋を剥がしたような激痛を感じるだけ。
「ほら、魔法力を当てないとどんどん広がっていくぞ」
首に魔法力を集中させる。みるみるうちに石化が解けていった。
◆ ◆ ◆
さすがに何度も何度も何度も石化しかけるとコツを掴んでくる。
全身に魔法力を纏わせようとするから漏れが出てくる。頭や胴体、腕などの部位を部品と考え、順番に魔法力を当てれば石化を回避できる。
「ぐはぁ……」
思いっきり吹っ飛ばされた。あの細腕のどこにこんな力があるんだよ。どうやってこんなスピードで動けるようになるんだよ。
一矢も報いられず、やられてばかりでネガティブになってしまう。それでも僕には頑張ることしかできない。
日々訓練を重ねていくと色々な変化が生じてくる。ずっと気持ちが悪かった灰黒色の景色が気にならなくなったのだ。
しかしどうしてもダメなのが睡眠。これだけは無理。寝ながら魔法力に意識を向けることなんて出来るはずがない。そんな僕を「仕方がないなぁ」と言いながらセレンが助けてくれた。
更に訓練は続き、剣の扱いにも慣れてくるとフリックバレットも試してみたくなる。
「どうだ!」
日頃の恨みを込めて右足を狙って弾いた。一直線に突き進むギラを難なく剣先で受け止める。勢いの残ったギラは剣先に張り付いたまま。それを左手で取り上げた。
「これが、君の言っていたフリックバレットか。確かに見えなかったな」
「なんで見えないものを初見で防げるんですかぁ」
下手投げでギラを僕に放る緩やかに回転しながら僕の元へ飛んでくる──
「魔法力の流れを感じ、力の流れを感じればどんな技だろうと関係ない」
──カッコいい言葉にキャッチを忘れギラは僕の腹に当たって地面に落ちた。
この世界に師匠を倒せる人はいるのだろうか、でも長老たちにはセレンさんでも太刀打ちできないって言ってたもんなぁ。リリス長老がセレンさんを打ち破るイメージか……全然湧かないな。
さらに半年は経っただろうか。ようやく寝ながら魔法力を纏い石化を防ぐことに成功。寝ながら魔法力をどう放出するかばかり考えていたが、体に残しておく纏い方をすればいいんじゃないか。ということに気づいたのだ。
「そろそろいいかな。これで私の足元程度にはなっただろう」
「師匠、実はいっぱいいっぱいだったりしませんか」
長い時間を共にすれば心の距離が近くなり軽口も言えるようになる。
「馬鹿いえ、試してみるか」
セレンの姿が消えた。
「おふぅ」
セレンの拳が顔面にヒット。大きく吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。
「これで6割くらいだ」
「恐ろしいですね。師匠のような人がゴロゴロいる世界なんて」
「そうそう私と対等に戦えるものなどおらんぞ。ただ前にも言ったと思うが魔物が復活しているからな、魔人や魔神なんかもいるかもしれん」
魔神って……それこそラノベやゲームの世界じゃないか。ようやく僕はモブキャラクターから名有りのキャラにランクアップした程度だぞ。
「師匠ならどんな相手が来ても楽勝ですよね!」
「…………魔人ならなんとかなるが魔神はどうかな」
考え込むセレン、続けて口を開く。
「この世界に4人の神子がいることは知っているだろう」
「はい」
「リリス、ウタハ、ユニ、アカリの4人だ。この4人なら魔神を倒せるだろう」
「リリスが……『戦わずの誓い』があるって」
セレンは剣を鞘に収め椅子に座った。追うように僕も対面側に腰かける。
「ウタハは異世界教に失脚させられてしまったがな」
「異世界教って、この世界に発展をもたらした都市じゃないんですか」
「同じなんだよ……」
「同じ?」
思わず身を乗り出して聞き直してしまう。
「異世界教がユランダ・メシアを開いたのと魔物が現れるようになった時期がな」
魔物が復活して魔人や魔神まで復活って読むだけなら胸熱なんだけど。
「じゃあ、魔物の復活は異世界教が元凶なんですか?」
「偶然かもしれんし違うかもしれん。その辺りをサクヤに調べて欲しいと思ってる」
「ええ、僕が? 無理ですよそんな……」
思わず身を引いてしまった。考えなしの行動に椅子が僕の動きを殺しきれず後ろにひっくりかえってしまう。
「サクヤは異世界教の人間だろう。しかも幹部クラスのな。今までの言動を見る限り異世界教にとって都合が悪い部分の記憶がいじられているようだな」
僕が異世界教の人間?、倒れたまま天井を見つめている僕の体がワナワナ震えだした。
「記憶が……」
「ウタハに聞いたことがあってな、新興国サクヤと同じ名前を口走るサクラという人間が迷い込んだという話をな。そのサクヤという人間はユランダ・メシアでは異世界への伝道師様と呼ばれているそうだ」
どういうことだ。「僕が異世界教の関係者……しかも要職……」倒れたまま両手をかざし見つめる。
「それを自分で確かめろと言う事だ。お前にとっても私にとっても悪い話しではなかろう」
確かにそうだ。このまま迷っていても埒があかない。出来ることはやってみよう。
「あっ……ミヅキ……彼女も記憶を失っていた……」
「ああ、ウタハの聖人か。ジンでリリスと一緒にいたときは驚いたぞ。ウタハが失脚したことを考えると彼女もまた異世界教に何かをされたのかもしれないな」
力強く起き上がると「やります! ミヅキのことを含めて僕は異世界教を調べてみます」とテーブルを強く叩いた。
「ははーん、サクヤはミヅキに惚れているのか。彼女はいい子だよ……そうだな、今のサクヤと同じくらいの強さか」
強くなったつもりでいたがまだまだミヅキを守れる力量はないということか。ウルフレッド3匹にほぼ敗北。助けを借りてようやく倒したんだもんな。
「よし! 頑張るぞ!」
「それでサクヤ、旅をする中でその名前と容姿は好ましくないだろう。面も割れてるし私がなんとかしてやる」
セレンに襲われた。
マジですか……なんだか急に体が重くなったような……
「動きにくそうにしてるがまだ何も変わってないからな」
思いこみって怖い。
今は言われた通りにやっるしかない。
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厳しい口調のセレン、「この結界の中では魔法力を纏う意識を持ち続けるんだ。どんなに薄くてもいい、ほんの少しの魔法力で石化を阻害できるからな」
「ちょっとどういう……」
「問答無用──」──一気に飛びかかってくるセレン。僕の眉間に刃が吸い寄せられる。
「うわぁ」
薄皮1枚の所で刃が止まった。あまりのスピードに反応すら出来ない。
目だけは良いって言われたのに反応すらできないなんて……セレンさんの強さが段違いなのかそれとも僕が弱すぎるのか……いや、両方なのだろう。
調子に乗ってたんだろうな。ウルフレッドを倒し、偶然とは言え魔獣と呼ばれる生き物まで倒した。
「まだ半分の力も出していないぞ。もう少し落としてやるからしっかり受けるんだ」
セレンの攻撃、今度は辛うじて見える……ミスリルの剣となった僕の武器で彼女の刃を受けていく。
「よし!」
「ほらほら、自信をつけるのは良いが首辺りが石化してきてるぞ」
「うわぁ」
慌てて後ずさり首に手が伸びる。
そこにあるのは薄皮のような石の感触。恐怖から一心不乱に剥がそうとするが、瘡蓋を剥がしたような激痛を感じるだけ。
「ほら、魔法力を当てないとどんどん広がっていくぞ」
首に魔法力を集中させる。みるみるうちに石化が解けていった。
◆ ◆ ◆
さすがに何度も何度も何度も石化しかけるとコツを掴んでくる。
全身に魔法力を纏わせようとするから漏れが出てくる。頭や胴体、腕などの部位を部品と考え、順番に魔法力を当てれば石化を回避できる。
「ぐはぁ……」
思いっきり吹っ飛ばされた。あの細腕のどこにこんな力があるんだよ。どうやってこんなスピードで動けるようになるんだよ。
一矢も報いられず、やられてばかりでネガティブになってしまう。それでも僕には頑張ることしかできない。
日々訓練を重ねていくと色々な変化が生じてくる。ずっと気持ちが悪かった灰黒色の景色が気にならなくなったのだ。
しかしどうしてもダメなのが睡眠。これだけは無理。寝ながら魔法力に意識を向けることなんて出来るはずがない。そんな僕を「仕方がないなぁ」と言いながらセレンが助けてくれた。
更に訓練は続き、剣の扱いにも慣れてくるとフリックバレットも試してみたくなる。
「どうだ!」
日頃の恨みを込めて右足を狙って弾いた。一直線に突き進むギラを難なく剣先で受け止める。勢いの残ったギラは剣先に張り付いたまま。それを左手で取り上げた。
「これが、君の言っていたフリックバレットか。確かに見えなかったな」
「なんで見えないものを初見で防げるんですかぁ」
下手投げでギラを僕に放る緩やかに回転しながら僕の元へ飛んでくる──
「魔法力の流れを感じ、力の流れを感じればどんな技だろうと関係ない」
──カッコいい言葉にキャッチを忘れギラは僕の腹に当たって地面に落ちた。
この世界に師匠を倒せる人はいるのだろうか、でも長老たちにはセレンさんでも太刀打ちできないって言ってたもんなぁ。リリス長老がセレンさんを打ち破るイメージか……全然湧かないな。
さらに半年は経っただろうか。ようやく寝ながら魔法力を纏い石化を防ぐことに成功。寝ながら魔法力をどう放出するかばかり考えていたが、体に残しておく纏い方をすればいいんじゃないか。ということに気づいたのだ。
「そろそろいいかな。これで私の足元程度にはなっただろう」
「師匠、実はいっぱいいっぱいだったりしませんか」
長い時間を共にすれば心の距離が近くなり軽口も言えるようになる。
「馬鹿いえ、試してみるか」
セレンの姿が消えた。
「おふぅ」
セレンの拳が顔面にヒット。大きく吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。
「これで6割くらいだ」
「恐ろしいですね。師匠のような人がゴロゴロいる世界なんて」
「そうそう私と対等に戦えるものなどおらんぞ。ただ前にも言ったと思うが魔物が復活しているからな、魔人や魔神なんかもいるかもしれん」
魔神って……それこそラノベやゲームの世界じゃないか。ようやく僕はモブキャラクターから名有りのキャラにランクアップした程度だぞ。
「師匠ならどんな相手が来ても楽勝ですよね!」
「…………魔人ならなんとかなるが魔神はどうかな」
考え込むセレン、続けて口を開く。
「この世界に4人の神子がいることは知っているだろう」
「はい」
「リリス、ウタハ、ユニ、アカリの4人だ。この4人なら魔神を倒せるだろう」
「リリスが……『戦わずの誓い』があるって」
セレンは剣を鞘に収め椅子に座った。追うように僕も対面側に腰かける。
「ウタハは異世界教に失脚させられてしまったがな」
「異世界教って、この世界に発展をもたらした都市じゃないんですか」
「同じなんだよ……」
「同じ?」
思わず身を乗り出して聞き直してしまう。
「異世界教がユランダ・メシアを開いたのと魔物が現れるようになった時期がな」
魔物が復活して魔人や魔神まで復活って読むだけなら胸熱なんだけど。
「じゃあ、魔物の復活は異世界教が元凶なんですか?」
「偶然かもしれんし違うかもしれん。その辺りをサクヤに調べて欲しいと思ってる」
「ええ、僕が? 無理ですよそんな……」
思わず身を引いてしまった。考えなしの行動に椅子が僕の動きを殺しきれず後ろにひっくりかえってしまう。
「サクヤは異世界教の人間だろう。しかも幹部クラスのな。今までの言動を見る限り異世界教にとって都合が悪い部分の記憶がいじられているようだな」
僕が異世界教の人間?、倒れたまま天井を見つめている僕の体がワナワナ震えだした。
「記憶が……」
「ウタハに聞いたことがあってな、新興国サクヤと同じ名前を口走るサクラという人間が迷い込んだという話をな。そのサクヤという人間はユランダ・メシアでは異世界への伝道師様と呼ばれているそうだ」
どういうことだ。「僕が異世界教の関係者……しかも要職……」倒れたまま両手をかざし見つめる。
「それを自分で確かめろと言う事だ。お前にとっても私にとっても悪い話しではなかろう」
確かにそうだ。このまま迷っていても埒があかない。出来ることはやってみよう。
「あっ……ミヅキ……彼女も記憶を失っていた……」
「ああ、ウタハの聖人か。ジンでリリスと一緒にいたときは驚いたぞ。ウタハが失脚したことを考えると彼女もまた異世界教に何かをされたのかもしれないな」
力強く起き上がると「やります! ミヅキのことを含めて僕は異世界教を調べてみます」とテーブルを強く叩いた。
「ははーん、サクヤはミヅキに惚れているのか。彼女はいい子だよ……そうだな、今のサクヤと同じくらいの強さか」
強くなったつもりでいたがまだまだミヅキを守れる力量はないということか。ウルフレッド3匹にほぼ敗北。助けを借りてようやく倒したんだもんな。
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