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第5章 3組の双子
第60話 それぞれの能力(ちから)
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ぼやっと光る青い壁、牢屋の前にあった詰所として使われていただろう殺風景な部屋を見つけ、そこで肉を焼いていた。
パチパチ焼ける木刀は僕の精神武器を使った燃料。ハナの針と長老の炎媒介で焚火を使った。
幸い源泉水袋は手元にあるので食材さえ手に入ればなんとでもなる状況だった。
香ばしく焼ける肉の匂いと食欲をそそる音。なんていうのだろう……空腹を我慢している感じとちょっと違う、生命を満たす悦びを待つような感覚。
肉汁が炎に垂れてジュワっと蒸発した風味が、凝縮された旨味を包んで素材に深みを与えていく。
「肉、食べる」
彩衣が加工した骨を突き刺した肉をひとつ取り上げるとかじりついた。
「うまいぞサクラ、お前も食え」
彩衣に違和感も覚えつつも、良い香りと目の前で幸せそうに食べる表情に僕も一口かじりついた。
「確かにうまいな。体の中に沁み渡るっていうかなんというかすっごく」
「ホントだな、こんなに美味いと思ったのはサクサクパインの実を食べて以来だ」
「ちょっと彩衣、普通に喋ってるけどどうしたのさ」
「サクラこそ背中に羽が生えてるぞ」
えっえっ、確かにコウモリのような羽が背中から伸びていた。
真っ黒いスリムな羽、混乱した頭は驚きよりカッコ良さを優先させる。出し入れ自由。空も飛ぶことまで出来た。
あまりの興奮に状況を忘れ空中遊泳を楽しんだ……テンションMAXで調子に乗って天井に頭をぶつけてしまった。
「どういうことなんだ、ハァ、ハァ」
疲労を回復するべく何事もなかったように焚火を前に肉をつまんだ。
「サクラ、ちょっと昔話していいか」
彩衣……いや結衣も昔のことを話そうとしなかった。理由を聞けるような雰囲気じゃないほどに嫌がっていた彼女が自分から話しをするなんてどうしたんだろう。
「もちろんだよ、ぜひ聞かせて」
「そんなに身を乗り出されると話しにくいな。やめておくか」
「ごめん。興味が先に出ちゃった。彩衣は仲間だもんな、どんな話しでも受け止めるからちゃんと聞かせてもらうよ」
「そうだな、恋人だもんな、隠さないで話すぞ」
なんか妙に彩衣が嬉しそうだ……きっと昔話を話せる心境になったことが嬉しいのだろう。
「実は私と結衣は俗にいうギフトと呼ばれるものを持って生まれてきたんだ」
「知ってるよ、だから彩衣はそのせいで周りに馴染めないで家に居たんだもんね……って結衣もだったのー!! それは知らなかった」
驚き。今まで何の変哲もなく普通に友達やっていた結衣がギフテッド。
「まぁ、体力も知力も常人以上だったからな。結衣はそれを上手く隠し私はそれが出来なかっただけだ」
「どういうこと?」
「分かりやすく言うと未来視だな。私たちは数秒後の未来が分かる。話しをしていると相手がどんな反応をするのか分かるんだ」
「うん……」
どういうことだ、相手の反応が分かるならコミュニケーションが取りやすくなるんじゃないのかな。
「サクラは人付き合いがやりやすくなると思っただろ。でもそんな人間ばかりじゃない、妬みや嫉みなんかを強く感じるんだ……あの言葉はダメ、この言葉もダメってな。姉は自分を必死に殺してどんな相手でも優しくすることで精神を保ってきた。私は自分を殺せなくてな……相手の反応にビクビクしながら片言で話すのが精一杯だったわけだ」
「……じゃあ、結衣は今まで僕たちと無理して付き合ってくれてたのか」
「それは違う、私と姉はサクラと雫にだけは心を許せた。お前たちからだけマイナスな未来がないんだ。光輝も同じようなもの。ただ私は光輝のあの性格が苦手でな……私は距離を置いた」
そんなことが……未来視か。良さそうだけどそんな単純なものじゃないんだな。
「サクラ危ない」
彩衣に突き飛ばされた。と同時に落石……考え事をしていたせいで全然気付かなかった。って。
覆いかぶさっている彩衣、助けてくれた拍子に抱き合う形になっていた。しかも顔が近いーって、目をつぶるなー。
彩衣の両肩を掴んでゆっくりと起き上がらせる。
「ぷぅー」
頬を膨らませる彩衣、こんな廃墟の中で色恋沙汰なんていう雰囲気ではない。でも、体は正直なんだよな……こんなこと言えないけど。
「あれ、そういえばさっきの昔話しと話し方が変わったのに関係があるの?」
「なんだかな、さっきの肉を食べてから未来視のレベルを調整できるようになったんだ」
「ああ、そうなんだ」
……って、良く分かんないや。まぁ、彩衣が納得してるならその方が良いのだろう。
「今までもサクラの前ではこれでも良かったんだが、なんだか恥ずかしくてな」
頬を赤らめる彩衣。なんか可愛い。
でもその時々で身近にいる女の子に惹かれているようで自己嫌悪。
「とりあえず出発前にお互いの戦力について知っておこうか」
「おー! いいぞ」
「でも、このことはふたりだけの秘密にしておこう。あんまり力を見せるなって言われてるし」
「分かるぞ。高すぎる実力は妬みの種にもなるし人との壁を作るからな」
……『強い』が前提になっているけど、普通かそれ以下だったら恥ずかしいな……でもマルコ神殿での戦いを見ると普通以上、それに変な能力もあるからなぁ。用心に越したことはない。
本名、雨宮 朔弥 。異世界では心花 桜と名乗っている。朔弥という名は国名のひとつであり、トラブルの元になり兼ねず異世界教徒も僕を見知っているのでバレないように女性の姿に変えられている。
主な武器は剣、物質の形態変化の能力を持ち、ハナの針を素材とすれば見知った物質に変化出来る。
遠距離武器は、ギラなどを弾いて攻撃するフリックバレット。この弾は何故か物理的には僕にしか見えない。
本名、出雲 彩衣《あい》。双子の結衣とともに異世界生まれ……らしい。顔は似ているが引きこもっていたせいか彩衣の方が小柄。
「サクラ、余計なことは言わなくていい」
今は元神子たちの力によって10歳程度の容姿に変わっている。能力は数秒先を見通せる未来視、そして地形を変えるほどの隕石を3発落とすメテオクレーター。戦闘経験は無く体力や知識は少ないが、精神武器である2丁拳銃を使った攻撃と未来視を使った守りスタイル。
「てっぽーはな、属性なしでも撃てるがブレザイムは火と水、モスビートは風と土の属性弾も撃てるぞ」
「なにそれ、すごいじゃん。物理耐性持ちの敵が出てもなんとかなるじゃん」
湧き上がるラノベ脳、改めて分析すると凄い戦力なんじゃ……
「あとな、ふたつをくっつけるとライフルになるぞ。連射はできんが複合属性攻撃が出来るようだ」
なんだその神設定。これで彩衣のレベルが上ったらどうなっちゃうんだ。
「すごいな……上手く未来視を使って攻撃を避けれるし……。ケガだけはしないように注意していこう」
「ああ、風と水を組み合わせれば回復弾も撃てるから安心しろ……自分自身には使えないみたいだけどな」
いや……それは凄いけど……自分を回復できないんじゃ意味が……僕が彩衣を回復出来る手段を探さないと……バッグのポーションは消えちゃったから錬金術とか覚えれば自作できるかも……錬金術……なんかロマンがある。これぞ異世界の醍醐味って感じだ。
テンションは上っているが、冷静に考えれば死と隣り合わせの世界。現にウィル、アバンチ、ライン、セッカと強者の死を目の当たりにしている。精神だけは萎えないように保ち、用心深く活動しなくてはならない。
「彩衣、がんばるぞー!」
「おー!」
こうして僕たちは不思議なダンジョンの中を進むのであった。
=====
※追記
空が飛べるようになったことで、牢屋に繋がっていた滑り台を遡って脱出を試みたが、隕石の影響か塞がってしまっていた。
パチパチ焼ける木刀は僕の精神武器を使った燃料。ハナの針と長老の炎媒介で焚火を使った。
幸い源泉水袋は手元にあるので食材さえ手に入ればなんとでもなる状況だった。
香ばしく焼ける肉の匂いと食欲をそそる音。なんていうのだろう……空腹を我慢している感じとちょっと違う、生命を満たす悦びを待つような感覚。
肉汁が炎に垂れてジュワっと蒸発した風味が、凝縮された旨味を包んで素材に深みを与えていく。
「肉、食べる」
彩衣が加工した骨を突き刺した肉をひとつ取り上げるとかじりついた。
「うまいぞサクラ、お前も食え」
彩衣に違和感も覚えつつも、良い香りと目の前で幸せそうに食べる表情に僕も一口かじりついた。
「確かにうまいな。体の中に沁み渡るっていうかなんというかすっごく」
「ホントだな、こんなに美味いと思ったのはサクサクパインの実を食べて以来だ」
「ちょっと彩衣、普通に喋ってるけどどうしたのさ」
「サクラこそ背中に羽が生えてるぞ」
えっえっ、確かにコウモリのような羽が背中から伸びていた。
真っ黒いスリムな羽、混乱した頭は驚きよりカッコ良さを優先させる。出し入れ自由。空も飛ぶことまで出来た。
あまりの興奮に状況を忘れ空中遊泳を楽しんだ……テンションMAXで調子に乗って天井に頭をぶつけてしまった。
「どういうことなんだ、ハァ、ハァ」
疲労を回復するべく何事もなかったように焚火を前に肉をつまんだ。
「サクラ、ちょっと昔話していいか」
彩衣……いや結衣も昔のことを話そうとしなかった。理由を聞けるような雰囲気じゃないほどに嫌がっていた彼女が自分から話しをするなんてどうしたんだろう。
「もちろんだよ、ぜひ聞かせて」
「そんなに身を乗り出されると話しにくいな。やめておくか」
「ごめん。興味が先に出ちゃった。彩衣は仲間だもんな、どんな話しでも受け止めるからちゃんと聞かせてもらうよ」
「そうだな、恋人だもんな、隠さないで話すぞ」
なんか妙に彩衣が嬉しそうだ……きっと昔話を話せる心境になったことが嬉しいのだろう。
「実は私と結衣は俗にいうギフトと呼ばれるものを持って生まれてきたんだ」
「知ってるよ、だから彩衣はそのせいで周りに馴染めないで家に居たんだもんね……って結衣もだったのー!! それは知らなかった」
驚き。今まで何の変哲もなく普通に友達やっていた結衣がギフテッド。
「まぁ、体力も知力も常人以上だったからな。結衣はそれを上手く隠し私はそれが出来なかっただけだ」
「どういうこと?」
「分かりやすく言うと未来視だな。私たちは数秒後の未来が分かる。話しをしていると相手がどんな反応をするのか分かるんだ」
「うん……」
どういうことだ、相手の反応が分かるならコミュニケーションが取りやすくなるんじゃないのかな。
「サクラは人付き合いがやりやすくなると思っただろ。でもそんな人間ばかりじゃない、妬みや嫉みなんかを強く感じるんだ……あの言葉はダメ、この言葉もダメってな。姉は自分を必死に殺してどんな相手でも優しくすることで精神を保ってきた。私は自分を殺せなくてな……相手の反応にビクビクしながら片言で話すのが精一杯だったわけだ」
「……じゃあ、結衣は今まで僕たちと無理して付き合ってくれてたのか」
「それは違う、私と姉はサクラと雫にだけは心を許せた。お前たちからだけマイナスな未来がないんだ。光輝も同じようなもの。ただ私は光輝のあの性格が苦手でな……私は距離を置いた」
そんなことが……未来視か。良さそうだけどそんな単純なものじゃないんだな。
「サクラ危ない」
彩衣に突き飛ばされた。と同時に落石……考え事をしていたせいで全然気付かなかった。って。
覆いかぶさっている彩衣、助けてくれた拍子に抱き合う形になっていた。しかも顔が近いーって、目をつぶるなー。
彩衣の両肩を掴んでゆっくりと起き上がらせる。
「ぷぅー」
頬を膨らませる彩衣、こんな廃墟の中で色恋沙汰なんていう雰囲気ではない。でも、体は正直なんだよな……こんなこと言えないけど。
「あれ、そういえばさっきの昔話しと話し方が変わったのに関係があるの?」
「なんだかな、さっきの肉を食べてから未来視のレベルを調整できるようになったんだ」
「ああ、そうなんだ」
……って、良く分かんないや。まぁ、彩衣が納得してるならその方が良いのだろう。
「今までもサクラの前ではこれでも良かったんだが、なんだか恥ずかしくてな」
頬を赤らめる彩衣。なんか可愛い。
でもその時々で身近にいる女の子に惹かれているようで自己嫌悪。
「とりあえず出発前にお互いの戦力について知っておこうか」
「おー! いいぞ」
「でも、このことはふたりだけの秘密にしておこう。あんまり力を見せるなって言われてるし」
「分かるぞ。高すぎる実力は妬みの種にもなるし人との壁を作るからな」
……『強い』が前提になっているけど、普通かそれ以下だったら恥ずかしいな……でもマルコ神殿での戦いを見ると普通以上、それに変な能力もあるからなぁ。用心に越したことはない。
本名、雨宮 朔弥 。異世界では心花 桜と名乗っている。朔弥という名は国名のひとつであり、トラブルの元になり兼ねず異世界教徒も僕を見知っているのでバレないように女性の姿に変えられている。
主な武器は剣、物質の形態変化の能力を持ち、ハナの針を素材とすれば見知った物質に変化出来る。
遠距離武器は、ギラなどを弾いて攻撃するフリックバレット。この弾は何故か物理的には僕にしか見えない。
本名、出雲 彩衣《あい》。双子の結衣とともに異世界生まれ……らしい。顔は似ているが引きこもっていたせいか彩衣の方が小柄。
「サクラ、余計なことは言わなくていい」
今は元神子たちの力によって10歳程度の容姿に変わっている。能力は数秒先を見通せる未来視、そして地形を変えるほどの隕石を3発落とすメテオクレーター。戦闘経験は無く体力や知識は少ないが、精神武器である2丁拳銃を使った攻撃と未来視を使った守りスタイル。
「てっぽーはな、属性なしでも撃てるがブレザイムは火と水、モスビートは風と土の属性弾も撃てるぞ」
「なにそれ、すごいじゃん。物理耐性持ちの敵が出てもなんとかなるじゃん」
湧き上がるラノベ脳、改めて分析すると凄い戦力なんじゃ……
「あとな、ふたつをくっつけるとライフルになるぞ。連射はできんが複合属性攻撃が出来るようだ」
なんだその神設定。これで彩衣のレベルが上ったらどうなっちゃうんだ。
「すごいな……上手く未来視を使って攻撃を避けれるし……。ケガだけはしないように注意していこう」
「ああ、風と水を組み合わせれば回復弾も撃てるから安心しろ……自分自身には使えないみたいだけどな」
いや……それは凄いけど……自分を回復できないんじゃ意味が……僕が彩衣を回復出来る手段を探さないと……バッグのポーションは消えちゃったから錬金術とか覚えれば自作できるかも……錬金術……なんかロマンがある。これぞ異世界の醍醐味って感じだ。
テンションは上っているが、冷静に考えれば死と隣り合わせの世界。現にウィル、アバンチ、ライン、セッカと強者の死を目の当たりにしている。精神だけは萎えないように保ち、用心深く活動しなくてはならない。
「彩衣、がんばるぞー!」
「おー!」
こうして僕たちは不思議なダンジョンの中を進むのであった。
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