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二章 森の中での一日
2話 駆除者
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休日が終わり、今日もまたアリルの手伝いと勉強をする忙しい日がやって来た。
「さて今日も始まりましたー。カイドウ・ハルタのお手入れタイム!皆様。是非ともご覧ください。」
ハルタは手を大きく広げそう言うが、ハルタを見ているのはアリルただ1人で「やれやれ」とため息をつかれていた。
「そしてこのボタンをポチっとな。」
庭の手入れのお世話になっている生活用品用の魔道具を使い、庭に広がる草を綺麗にしていく。
「いつやっても気持ちいいな。この作業は。」
素に戻り、庭が綺麗になっていく様子を楽しむ。
「私、先に書庫に行って準備しておくね。」
「えっ、ちょ待っ……」
「もう少し見ててくれよ」と言おうとしたがアリルは既に屋敷の中に入り声が届かなかった。
ハルタはため息をつく。
「––––仕方ない。真面目にやるか……。」
その後は一言も喋らず、ボタンをポチポチと押していくのだった。
***
庭の手入れが終わり、書庫のドアを開けると既にアリルがおり、机には本が載っていた。
「今日は魔法の勉強をしよっか。」
「魔法ならもう知ってるはずなんだけど。」
「ううん。教えたのは基礎。以前話した基礎魔法。適正があると使える適正魔法。そして最後に属性のマナを使い、魔法を作る応用魔法を教えるわ。」
「応用魔法か。これは適正が無くても作れるのか?」
「うん。マナを使って自分で作るオリジナルの魔法だから。」
「へー。いいなぁ。俺のロマン技を作るのもありかも知れないな!?」
「む、無属性は作るのは凄く難しいらしいの。」
「俺の戦う術をくれよーー!」
うなだれるハルタをなだめながらアリルは「見てて」と言い、手を前に出す。
「––––これって、応用魔法だったのか。」
今、ハルタが見ているのは、手のひらから氷を生成しているアリルだった。
この魔法はこれまでに二度見た事がある。
初めて会ったあの町の出来事。
襲ってくる魔獣を追い払った出来事。
アリルは氷を消し、言葉を続ける。
「こんな感じで自分だけの魔法を作ることが出来るの。」
「ただし、無属性は難しいと。」
「ご、ごめんね。」
「いや、アリーが謝る事じゃないよ。」
こればっかりは仕方がない。生まれ持っての素質なのだから変えることが出来ない。
ハルタは一度ため息を吐き、現実を受け入れる。
「応用魔法は使えないけど未来を観れる魔法があるし、それだけでも満足するべきか。」
そう言った後、ハルタは目を閉じ、未来を渇望する。
「フィール。」
目を開けると同時に魔法を唱えると、意識が移り変わり、一時間後の未来が写し出される。
場所は森。隣には動きやすそうな白い服を着たアリルもいた。そしてハルタはマジックリングを装備し、手には剣を握っていた。
「なんじゃこりゃ?」
未来を見終わりよくわからない状況にハルタは困惑する。
「ん?何を見たの?」
アリルは不思議そうな顔でハルタを見つめる。
ハルタはその顔を見て、不思議そうな顔をしているアリルも可愛いなと思う。
「ハルタ?」
「……あ、あぁ。なんか俺とアリーが森に行ってたんだ。俺は剣とかマジックリングを持ってたり、アリーは動きやすそうな服も着てた。」
「うーん。どう言う状況なんだろう。」
首を傾げアリルはしばらく考える。
「–––––もしかして魔獣駆除に行ってるんじゃない?」
「魔獣駆除か。アリーと初めて会った時に金の集め方を聞いた時にその言葉を聞いた気がするな。」
「ん。駆除者って言う仕事があって、依頼を受けて魔獣を駆除すると報酬が貰えるの。」
「なるほど……異世界によくある冒険者みたいなもんか。異世界知識。役に立ったぜ。」
「そのイセカイ知識って言葉はわからないけど、ハルタが見た未来は多分、さっき言った魔獣駆除に行ってるんだと思う。」
「そっか……。なら––––!!」
行こうかと口しようとした時。アリルに人差し指で開こうとした口を塞がれる。
「勉強が終わってからね。」
「……はい。」
「さて今日も始まりましたー。カイドウ・ハルタのお手入れタイム!皆様。是非ともご覧ください。」
ハルタは手を大きく広げそう言うが、ハルタを見ているのはアリルただ1人で「やれやれ」とため息をつかれていた。
「そしてこのボタンをポチっとな。」
庭の手入れのお世話になっている生活用品用の魔道具を使い、庭に広がる草を綺麗にしていく。
「いつやっても気持ちいいな。この作業は。」
素に戻り、庭が綺麗になっていく様子を楽しむ。
「私、先に書庫に行って準備しておくね。」
「えっ、ちょ待っ……」
「もう少し見ててくれよ」と言おうとしたがアリルは既に屋敷の中に入り声が届かなかった。
ハルタはため息をつく。
「––––仕方ない。真面目にやるか……。」
その後は一言も喋らず、ボタンをポチポチと押していくのだった。
***
庭の手入れが終わり、書庫のドアを開けると既にアリルがおり、机には本が載っていた。
「今日は魔法の勉強をしよっか。」
「魔法ならもう知ってるはずなんだけど。」
「ううん。教えたのは基礎。以前話した基礎魔法。適正があると使える適正魔法。そして最後に属性のマナを使い、魔法を作る応用魔法を教えるわ。」
「応用魔法か。これは適正が無くても作れるのか?」
「うん。マナを使って自分で作るオリジナルの魔法だから。」
「へー。いいなぁ。俺のロマン技を作るのもありかも知れないな!?」
「む、無属性は作るのは凄く難しいらしいの。」
「俺の戦う術をくれよーー!」
うなだれるハルタをなだめながらアリルは「見てて」と言い、手を前に出す。
「––––これって、応用魔法だったのか。」
今、ハルタが見ているのは、手のひらから氷を生成しているアリルだった。
この魔法はこれまでに二度見た事がある。
初めて会ったあの町の出来事。
襲ってくる魔獣を追い払った出来事。
アリルは氷を消し、言葉を続ける。
「こんな感じで自分だけの魔法を作ることが出来るの。」
「ただし、無属性は難しいと。」
「ご、ごめんね。」
「いや、アリーが謝る事じゃないよ。」
こればっかりは仕方がない。生まれ持っての素質なのだから変えることが出来ない。
ハルタは一度ため息を吐き、現実を受け入れる。
「応用魔法は使えないけど未来を観れる魔法があるし、それだけでも満足するべきか。」
そう言った後、ハルタは目を閉じ、未来を渇望する。
「フィール。」
目を開けると同時に魔法を唱えると、意識が移り変わり、一時間後の未来が写し出される。
場所は森。隣には動きやすそうな白い服を着たアリルもいた。そしてハルタはマジックリングを装備し、手には剣を握っていた。
「なんじゃこりゃ?」
未来を見終わりよくわからない状況にハルタは困惑する。
「ん?何を見たの?」
アリルは不思議そうな顔でハルタを見つめる。
ハルタはその顔を見て、不思議そうな顔をしているアリルも可愛いなと思う。
「ハルタ?」
「……あ、あぁ。なんか俺とアリーが森に行ってたんだ。俺は剣とかマジックリングを持ってたり、アリーは動きやすそうな服も着てた。」
「うーん。どう言う状況なんだろう。」
首を傾げアリルはしばらく考える。
「–––––もしかして魔獣駆除に行ってるんじゃない?」
「魔獣駆除か。アリーと初めて会った時に金の集め方を聞いた時にその言葉を聞いた気がするな。」
「ん。駆除者って言う仕事があって、依頼を受けて魔獣を駆除すると報酬が貰えるの。」
「なるほど……異世界によくある冒険者みたいなもんか。異世界知識。役に立ったぜ。」
「そのイセカイ知識って言葉はわからないけど、ハルタが見た未来は多分、さっき言った魔獣駆除に行ってるんだと思う。」
「そっか……。なら––––!!」
行こうかと口しようとした時。アリルに人差し指で開こうとした口を塞がれる。
「勉強が終わってからね。」
「……はい。」
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