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第36話 健康診断のヒミツ at 1995/4/20
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「はい、視力右1.2、左1.0ね。じゃあ次は上履きを脱いで、そこの身長計に乗ってねー」
聴こえてない聴こえてない!
い、いや、記入しなきゃいけないから聴いちゃってるけど!
ドキドキする気持ちとは裏腹に粛々と身体測定は進んで行くのだが、耳から入った情報を単なる数字の羅列だと自分自身に言い聞かせることで、僕は平常心をキープし続けることにする。
「はい、じゃあ最後は胸囲ね。腕をまっすぐ上げてー。……こら、くすぐったいのは我慢して」
……てか、マジでシャレになってない。
今、この保健室にいる男は僕一人。もちろん、バレたらとんでもないことになるのはわかっているが、薄いカーテンの向こうが気にならないわけでもなくって。女の子たちが放つ匂いと潜められた囁き声が三六〇度からピュアな僕を刺激して、最先端のASMR体験気分である。
「はい、次の人。ええと……上ノ原広子さんね。まずはこれ持って、そこに立ってちょうだい」
――ガタン!?
「……先生? 何か音がしませんでしたか?」
「気のせいでしょ? さ、その棒で左目を隠して。まずは……これ、どっちが空いて見える?」
「うーん……右、ですか?」
やばいやばいやばい! ロコじゃん!
動揺しすぎて膝ぶつけたよ痛ってえ!
声も出せずにひとり悶絶しているうちに、学年一、二を争う中学生美少女の極秘中の極秘情報が徐々に明らかにされていく。視力、両目とも1.2! はぁはぁ! ってド変態か僕は!
「はい、じゃあ最後は胸囲。腕をまっすぐ上げてー」
「こうですか? ……んっ」
ごく……り。
なに今の『んっ』って! 微妙な間を空けて『んっ』って!
もしかしてもしかして――!
その時だった。
DT丸出しひとりエキサイト中の僕が気づいたのは。
(………………え? 記入用の鉛筆が……ない……だと?)
机の上を見回す――ない。
重ねられたカルテの山の中をひとつずつめくって探す――ない。
机の中――ない。机の下――ない。
上着やズボンのポケットの中――ない、ない、ない!!
(ま、まずいって……! この状況で、もう一本借りるわけにもいかないし……あ、あれは!)
姿勢を低くして僕を保護してくれている遮光カーテンの裾から覗きこむと、かろうじて手が届きそうな位置に消しゴム付き鉛筆が転がっているのが見えた。白いリノリウム張りの床の上ではその濃い小豆色がやけに目立つ。そして、そのすぐ近くには女子の滑らかな足、足、足。
(くっ……誰にもバレずに、なおかつ鈴白センセイの依頼を完遂するためにはやるしかない!)
僕は音を立てないように椅子を引き、そのまま低い姿勢を保ちながらカーテンの吊ってある位置まで忍び足で一歩ずつ慎重に近づいた。そして、もう一度確認する。やっぱりギリギリだ。
チャンスは一回だけ――すうっ……一気に――シャッ!
「上ノ原さんの胸囲は……82.5センチね。そろそろちゃんとしたブラした方がいいわよ?」
「はぁ……わかりました」
ハチジュウニイテンゴ……キニュウ。タダノスウジタダノスウジ。
緊張が解けてホッとしたのと、ロコの超極秘情報を知ってしまった衝撃が重なって中和して、なぜか逆に賢者モードになってしまった僕。それにしてもアレだね、計るのはトップバストだけだから、何カップかまでは不明なのか。まあ、その方がいいね。これ以上知りたくない……。
「河東さんの胸囲は……79.5センチねー」
「野方さんの胸囲は……81.2センチねー」
「桃月さんの胸囲は……88.3センチねー。今のブラ、もうキツイんじゃないかなー?」
タ……タダノスウジタダノスウジ……!
ジジ……ジジジジジ………………プシュー!!
聴こえてない聴こえてない!
い、いや、記入しなきゃいけないから聴いちゃってるけど!
ドキドキする気持ちとは裏腹に粛々と身体測定は進んで行くのだが、耳から入った情報を単なる数字の羅列だと自分自身に言い聞かせることで、僕は平常心をキープし続けることにする。
「はい、じゃあ最後は胸囲ね。腕をまっすぐ上げてー。……こら、くすぐったいのは我慢して」
……てか、マジでシャレになってない。
今、この保健室にいる男は僕一人。もちろん、バレたらとんでもないことになるのはわかっているが、薄いカーテンの向こうが気にならないわけでもなくって。女の子たちが放つ匂いと潜められた囁き声が三六〇度からピュアな僕を刺激して、最先端のASMR体験気分である。
「はい、次の人。ええと……上ノ原広子さんね。まずはこれ持って、そこに立ってちょうだい」
――ガタン!?
「……先生? 何か音がしませんでしたか?」
「気のせいでしょ? さ、その棒で左目を隠して。まずは……これ、どっちが空いて見える?」
「うーん……右、ですか?」
やばいやばいやばい! ロコじゃん!
動揺しすぎて膝ぶつけたよ痛ってえ!
声も出せずにひとり悶絶しているうちに、学年一、二を争う中学生美少女の極秘中の極秘情報が徐々に明らかにされていく。視力、両目とも1.2! はぁはぁ! ってド変態か僕は!
「はい、じゃあ最後は胸囲。腕をまっすぐ上げてー」
「こうですか? ……んっ」
ごく……り。
なに今の『んっ』って! 微妙な間を空けて『んっ』って!
もしかしてもしかして――!
その時だった。
DT丸出しひとりエキサイト中の僕が気づいたのは。
(………………え? 記入用の鉛筆が……ない……だと?)
机の上を見回す――ない。
重ねられたカルテの山の中をひとつずつめくって探す――ない。
机の中――ない。机の下――ない。
上着やズボンのポケットの中――ない、ない、ない!!
(ま、まずいって……! この状況で、もう一本借りるわけにもいかないし……あ、あれは!)
姿勢を低くして僕を保護してくれている遮光カーテンの裾から覗きこむと、かろうじて手が届きそうな位置に消しゴム付き鉛筆が転がっているのが見えた。白いリノリウム張りの床の上ではその濃い小豆色がやけに目立つ。そして、そのすぐ近くには女子の滑らかな足、足、足。
(くっ……誰にもバレずに、なおかつ鈴白センセイの依頼を完遂するためにはやるしかない!)
僕は音を立てないように椅子を引き、そのまま低い姿勢を保ちながらカーテンの吊ってある位置まで忍び足で一歩ずつ慎重に近づいた。そして、もう一度確認する。やっぱりギリギリだ。
チャンスは一回だけ――すうっ……一気に――シャッ!
「上ノ原さんの胸囲は……82.5センチね。そろそろちゃんとしたブラした方がいいわよ?」
「はぁ……わかりました」
ハチジュウニイテンゴ……キニュウ。タダノスウジタダノスウジ。
緊張が解けてホッとしたのと、ロコの超極秘情報を知ってしまった衝撃が重なって中和して、なぜか逆に賢者モードになってしまった僕。それにしてもアレだね、計るのはトップバストだけだから、何カップかまでは不明なのか。まあ、その方がいいね。これ以上知りたくない……。
「河東さんの胸囲は……79.5センチねー」
「野方さんの胸囲は……81.2センチねー」
「桃月さんの胸囲は……88.3センチねー。今のブラ、もうキツイんじゃないかなー?」
タ……タダノスウジタダノスウジ……!
ジジ……ジジジジジ………………プシュー!!
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