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第54話 ……どうしてこうなった? at 1995/5/2
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……あれ?
「ちょっとっ! 聞いてるの、ケンタ!?」
どうしてこうなった。
「そうだよっ! みんなで見学コース決めなきゃいけないんだよ、ケンタ――君!?」
あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
『僕は小山田の前で、佐倉君と五十嵐君と班を組む、と言ったのに、いつのまにか増えていた』
な……何を言っているのかわからねーと思うが、僕も何をされたのかわからなかった……!
「あ……あの……こ、古ノ森君? 僕、みなさんと一緒の班でいいんです?」
「説明が必要だと思うのですけどね、古ノ森君? しかし……実に興味深い」
ここで状況を整理させて欲しい。
まず、今まさに僕に噛みつかんばかりに立ち上がって机に手をつき詰問――じゃなかった、質問しているのが、上ノ原広子ことロコと河東純美子ことスミちゃんである。そして、僕の両隣に座り、かたや小動物のようにカタカタと身を震わせて僕に寄り添っている――なんか凄くいい匂いがする――のが佐倉君であり、その反対側で、ふむ、と行動心理学の研究者さながらの好奇心をみなぎらせて僕を含めた他の四人の動向を観察しているのが五十嵐君なのであった。
あれ? あれれ?
「な、なんで、ロコと河東――ぐはっ――ス、スミちゃんがここにいるのさ!? なんで!?」
「な・ん・で、じゃないですよっ!」
純美子は僕のうっかりをしっかり聞き逃さずに、目の前に突き出された人差し指を掴んでへし折らんばかりに捻じ曲げてから声を張り上げて言い返す。痛い! 痛いってば! 折れる!
「ケ、ケンタ――君から誘ったくせにっ、突然抜けてどこか行こうとするからでしょっ!?」
「不可抗力っ!」
すると、横合いからロコが手を伸ばして折れそうな僕の指を――ぎゃ、逆に曲げるなぁ!!
「ア、アンタが余計な口出ししちゃったせいで、ダッチの班が気まずい空気になっちゃったからわざわざ抜けてきてやったんじゃない! 大体、ケンタのくせにナマイキだってーのっ!!」
「ジャイアン理論っ!」
要するに、男三人だけの悲しい校外活動になってしまうところを、スミちゃんとロコが加わったことでドキドキワクワク鎌倉旅行になったってことか。いや、ちっともわかんねえって。
「え、えっとー……とりあえず悪かった。そんでもって、来てくれてありがとうな。こっちの小動物的かわいらしさを発揮してるのが佐倉かえで君(男)で、こちらのハカセが五十嵐君だ」
佐倉君を紹介する時、念のため『男』と付け加えておいたのは正解だったようだ。誰この女……が一瞬にして、あーそうなの!? に変わった。当の佐倉君はちょっと涙目だったけど。ハカセと呼ばれた五十嵐君はまんざらでもないらしい。てか、特に表情が変わんないんだよなー。
「五人は確保できたけど、あとひとりは無理そうなんだ。だから、水無月さんを入れて六人だ」
「水無月さんって……あの、教室のすみっこの席の子でしょ? 一、二回しか見てないわよ?」
「来れば来たで、仲良くすればいいじゃんか。にしても……どうして休んでるんだろうな?」
あいかわらず水無月さんに関する思い出が出てこない僕だったが、ロコが戸惑いもせずこたえたところを見ると、単純に印象が薄かっただけなのかもしれない。すると、五十嵐君が言う。
「彼女は、カラダが弱いんです」
「うん、シブチン――渋田もそう言ってたっけ。でも、具体的にどうとかまでは誰も――」
「単なる虚弱体質、というわけではなさそうですね。他人が口出しすることではないですが」
「?」
五十嵐君はそれ以上語ろうとはしなかった。
もしかすると……何か知っているのか?
班も無事決まったことだし、見学コースは各自連休中に調べて持ち寄ることにして解散した。
「ちょっとっ! 聞いてるの、ケンタ!?」
どうしてこうなった。
「そうだよっ! みんなで見学コース決めなきゃいけないんだよ、ケンタ――君!?」
あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
『僕は小山田の前で、佐倉君と五十嵐君と班を組む、と言ったのに、いつのまにか増えていた』
な……何を言っているのかわからねーと思うが、僕も何をされたのかわからなかった……!
「あ……あの……こ、古ノ森君? 僕、みなさんと一緒の班でいいんです?」
「説明が必要だと思うのですけどね、古ノ森君? しかし……実に興味深い」
ここで状況を整理させて欲しい。
まず、今まさに僕に噛みつかんばかりに立ち上がって机に手をつき詰問――じゃなかった、質問しているのが、上ノ原広子ことロコと河東純美子ことスミちゃんである。そして、僕の両隣に座り、かたや小動物のようにカタカタと身を震わせて僕に寄り添っている――なんか凄くいい匂いがする――のが佐倉君であり、その反対側で、ふむ、と行動心理学の研究者さながらの好奇心をみなぎらせて僕を含めた他の四人の動向を観察しているのが五十嵐君なのであった。
あれ? あれれ?
「な、なんで、ロコと河東――ぐはっ――ス、スミちゃんがここにいるのさ!? なんで!?」
「な・ん・で、じゃないですよっ!」
純美子は僕のうっかりをしっかり聞き逃さずに、目の前に突き出された人差し指を掴んでへし折らんばかりに捻じ曲げてから声を張り上げて言い返す。痛い! 痛いってば! 折れる!
「ケ、ケンタ――君から誘ったくせにっ、突然抜けてどこか行こうとするからでしょっ!?」
「不可抗力っ!」
すると、横合いからロコが手を伸ばして折れそうな僕の指を――ぎゃ、逆に曲げるなぁ!!
「ア、アンタが余計な口出ししちゃったせいで、ダッチの班が気まずい空気になっちゃったからわざわざ抜けてきてやったんじゃない! 大体、ケンタのくせにナマイキだってーのっ!!」
「ジャイアン理論っ!」
要するに、男三人だけの悲しい校外活動になってしまうところを、スミちゃんとロコが加わったことでドキドキワクワク鎌倉旅行になったってことか。いや、ちっともわかんねえって。
「え、えっとー……とりあえず悪かった。そんでもって、来てくれてありがとうな。こっちの小動物的かわいらしさを発揮してるのが佐倉かえで君(男)で、こちらのハカセが五十嵐君だ」
佐倉君を紹介する時、念のため『男』と付け加えておいたのは正解だったようだ。誰この女……が一瞬にして、あーそうなの!? に変わった。当の佐倉君はちょっと涙目だったけど。ハカセと呼ばれた五十嵐君はまんざらでもないらしい。てか、特に表情が変わんないんだよなー。
「五人は確保できたけど、あとひとりは無理そうなんだ。だから、水無月さんを入れて六人だ」
「水無月さんって……あの、教室のすみっこの席の子でしょ? 一、二回しか見てないわよ?」
「来れば来たで、仲良くすればいいじゃんか。にしても……どうして休んでるんだろうな?」
あいかわらず水無月さんに関する思い出が出てこない僕だったが、ロコが戸惑いもせずこたえたところを見ると、単純に印象が薄かっただけなのかもしれない。すると、五十嵐君が言う。
「彼女は、カラダが弱いんです」
「うん、シブチン――渋田もそう言ってたっけ。でも、具体的にどうとかまでは誰も――」
「単なる虚弱体質、というわけではなさそうですね。他人が口出しすることではないですが」
「?」
五十嵐君はそれ以上語ろうとはしなかった。
もしかすると……何か知っているのか?
班も無事決まったことだし、見学コースは各自連休中に調べて持ち寄ることにして解散した。
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