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第109話 『電算論理研究部』正式スタート!(5) at 1995/7/7
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「――ツッキー、君はどう思う? 君の率直な意見を聞かせて欲しい」
僕がこう尋ねると、意外にも水無月さんはわずかに躊躇する素振りを見せる。しかし、言葉が出てこない。
「そんなに構えなくても大丈夫だって。あくまで意見なんだから」
「は、はい……」
水無月さんはぎこちない笑みを浮かべ、誰とも視線を合わせず、そろり、と言葉を紡ぎ出した。
「あ……あまり賛成、ではないかもしれません……」
「……え? どうしてさ?」
尋ね返したのは非難がましい口をきくつもりなんかじゃなくって、純粋に疑問だったからだ。背後にいる女子三人の気配が、瞬く間に緊張を帯びたのが伝わってくる。
「あ、あの……ですね……。わ、私、他の女の子たちと仲良くしたことがなくって……。こ、怖いというか……その……」
「自信がなくって不安、そういうことかな?」
「あっ。は、はい……」
よかった……。
もしかすると水無月さんは、僕らが想像していたよりもはるかにしたたかで、女子一人だけ、というアドバンテージをこのまま維持したい、などとトンデモナイことを考えていたのかと思ったのだ。
「仲良くできそうになければ、無理にする必要はないと思うよ。……でもね? この三人ならツッキーを仲間外れにしないし、きっと気付いた時には勝手に仲良しになってると思うんだ」
「勝手に……? そういうもの、なんでしょうか……?」
「そんなもんだよ、友達ってのは」
僕がそう答えて振り返ると、水無月さんも釣られて後ろで控えていた女子三人の顔を見る。ホッとしたせいか、咲都子も純美子もロコも堅さの取れた柔らかい表情で微笑んでいた。それを目の当たりにした水無月さんは、なんとか笑顔らしきものを浮かべて、ぺこり、と頭を下げる。
「どう? まだ怖い?」
「い、いえ……大丈夫、だと……思います……」
「よぉし。決まりだね」
僕はうなずき、三人の女子を順に見つめてからこう告げるのだった。
「君たち三人の入部を歓迎します。ようこそ、『電算論理研究部』へ! 僕が部長の古ノ森です」
「知ってるっつーの。つーか、ケンタのくせにもったいぶりすぎだって」
「儀式みたいなものなんでしょ、きっと。まったく……師匠は厳しいんだから」
もう兼部で入部させられることについては観念したらしいロコが鋭いツッコミを入れたところに、咲都子がやんわりとフォローを入れる。それから溜息を一つ吐いて、純美子に言った。
「一時はどうなることかと思ったけどさー。これでようやく一安心でしょ? ねー、スミ?」
「ち――ちょ!? サ、サトちゃんってばっ!」
……そういうことか。
熟れた桃のように頬を染めながら、咲都子の背中を丸めた拳でポカポカ殴るフリをする純美子の様子を見てすべてを察した僕。男子の中に女子が一人、といういびつな状態を勘繰り、あらぬ危機感を抱いていたのは咲都子ではなく、今までだんまりだった純美子だったというわけだ。
(心配しなくたって、僕の心なんてとっくに君のものなんだけどな……。ああ、でもそうか)
はた、と気付く。
――僕はまだ、純美子に何も告げていない、ということに。
(もう十分に仲良くなれたよな? ……なら、目的達成のためにはやらなきゃいけないよな?)
もう一歩前に進むために、僕は決心をする。
夏休みが始まる前に、純美子に告白しよう――君が好きだと伝えよう、と。
僕がこう尋ねると、意外にも水無月さんはわずかに躊躇する素振りを見せる。しかし、言葉が出てこない。
「そんなに構えなくても大丈夫だって。あくまで意見なんだから」
「は、はい……」
水無月さんはぎこちない笑みを浮かべ、誰とも視線を合わせず、そろり、と言葉を紡ぎ出した。
「あ……あまり賛成、ではないかもしれません……」
「……え? どうしてさ?」
尋ね返したのは非難がましい口をきくつもりなんかじゃなくって、純粋に疑問だったからだ。背後にいる女子三人の気配が、瞬く間に緊張を帯びたのが伝わってくる。
「あ、あの……ですね……。わ、私、他の女の子たちと仲良くしたことがなくって……。こ、怖いというか……その……」
「自信がなくって不安、そういうことかな?」
「あっ。は、はい……」
よかった……。
もしかすると水無月さんは、僕らが想像していたよりもはるかにしたたかで、女子一人だけ、というアドバンテージをこのまま維持したい、などとトンデモナイことを考えていたのかと思ったのだ。
「仲良くできそうになければ、無理にする必要はないと思うよ。……でもね? この三人ならツッキーを仲間外れにしないし、きっと気付いた時には勝手に仲良しになってると思うんだ」
「勝手に……? そういうもの、なんでしょうか……?」
「そんなもんだよ、友達ってのは」
僕がそう答えて振り返ると、水無月さんも釣られて後ろで控えていた女子三人の顔を見る。ホッとしたせいか、咲都子も純美子もロコも堅さの取れた柔らかい表情で微笑んでいた。それを目の当たりにした水無月さんは、なんとか笑顔らしきものを浮かべて、ぺこり、と頭を下げる。
「どう? まだ怖い?」
「い、いえ……大丈夫、だと……思います……」
「よぉし。決まりだね」
僕はうなずき、三人の女子を順に見つめてからこう告げるのだった。
「君たち三人の入部を歓迎します。ようこそ、『電算論理研究部』へ! 僕が部長の古ノ森です」
「知ってるっつーの。つーか、ケンタのくせにもったいぶりすぎだって」
「儀式みたいなものなんでしょ、きっと。まったく……師匠は厳しいんだから」
もう兼部で入部させられることについては観念したらしいロコが鋭いツッコミを入れたところに、咲都子がやんわりとフォローを入れる。それから溜息を一つ吐いて、純美子に言った。
「一時はどうなることかと思ったけどさー。これでようやく一安心でしょ? ねー、スミ?」
「ち――ちょ!? サ、サトちゃんってばっ!」
……そういうことか。
熟れた桃のように頬を染めながら、咲都子の背中を丸めた拳でポカポカ殴るフリをする純美子の様子を見てすべてを察した僕。男子の中に女子が一人、といういびつな状態を勘繰り、あらぬ危機感を抱いていたのは咲都子ではなく、今までだんまりだった純美子だったというわけだ。
(心配しなくたって、僕の心なんてとっくに君のものなんだけどな……。ああ、でもそうか)
はた、と気付く。
――僕はまだ、純美子に何も告げていない、ということに。
(もう十分に仲良くなれたよな? ……なら、目的達成のためにはやらなきゃいけないよな?)
もう一歩前に進むために、僕は決心をする。
夏休みが始まる前に、純美子に告白しよう――君が好きだと伝えよう、と。
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