ラブ×リープ×ループ!

虚仮橋陣屋(こけばしじんや)

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第350話 迷探偵登場 at 1995/11/22

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「おいおい! 馬鹿々々しい! とんだ陰謀論もあったもんだ! 眉唾もいいところだぞ!?」

「あたしに言われたって困るってば」


 ひと通りのハナシが終わったところで、鼻息荒く僕が吐き捨てると、咲都子は肩をすくめる。


「でもさ? そういうウワサがまかり通っちゃってるってのは事実なんだって」

「大体、なんだよ? その『西中まつり』の出し物の件って? なあ、誰か知ってるかい?」


 そこにいる『電算論理研究部』の部員全員が次々と首を振った。

 そっか、ウチの部員は忙しくってそれどころじゃなくて、ロコの体育館での発表は誰も見に行けなかったんだっけ……。


「で、でも、古ノ森リーダー? あ、あの時、言ってましたよね? あ、あの子たち……」

「え……。ツッキー、そのあの子たちって一体……? ……ああ! あの受付での喧嘩の一件か!」



 確か、二年二組の向井さんとかいう子が、いかれるロコを挑発してこう言っていたはずだ。



(さっきの体操部の発表、あれ、なんなの? 人気者だかなんだか知らないけれど、一人だけ振り付けミスってたじゃん? いーよねー、センセーに気に入られてると、下手でもいいって)



 ……待てよ?
 あの時たしか、こうも言っていた。



(みんなに邪魔扱いされてて超ウケたしー。足も踏まれてたよねー。ははっ、マジでいい気味)



「邪魔扱いされてて……足も踏まれてた……。なあ、ツッキー? 確かそうも言ってたよな?」

「で、ですですっ! もしかすると……!」


 僕は、心配そうに眉を寄せる水無月さんにうなずき返し、今度は佐倉君を見る。


「そうだ、佐倉君? 球技大会の時、ウチのクラスのバレーボール準決勝を見に行ったよね?」

「は、はい! あの時感じたことは、気のせいじゃなかったのかも……僕の馬鹿馬鹿馬鹿っ!」

「い――いやいやいや! 僕だって見落としてた。佐倉君だけのせいじゃない」


 そう。

 最終戦を控えた昼休みの時、ロコが出場するはずのバレーボール準決勝戦を見に行った佐倉君は、帰ってくるなり心配そうな顔つきで、僕にこう言ったのだった。


(準決勝、勝てたは勝てたんですけど、なぜかロコちゃん、一度もコートに入れなくって――)


 そして。
 僕だけに聴こえるように、佐倉君はそっと続く言葉をこう囁いたのだ。


(もしかして……なんですけど。ロコちゃん、いじめられてるのかも、って。無視する系の奴)


 ということは……実はウワサは真逆なのではないのだろうか?
 そんな推理が僕の脳裏で成り立ちつつあった。





 観客にも周知の事実なのであれば、直前のセンター交代劇は実際に起こったことなのだろう。



 だが、それをこころよく思わなかった他の体操部員たちにいやがらせをされて、出し物自体が惨憺たる結果に終わったのは、決してロコのせいでも企みでもなかったのではないか?



 体操部の中での陰湿ないじめやいやがらせは、ロコが行っていることではなく、ロコ自身に対して行われている一種の制裁のようなものではないのだろうか? その延長線上として、クラス主導のバレーボール準決勝戦でも、ロコは除外されることになったのではないだろうか?



『小山田組VSイケメングループVS僕』の、三つ巴の格差マッチに関しては言うまでもないだろう。結果的に何を思ってロコが室生と付き合うことになったのかまではわからなかったけれど、事の発端や経緯を知っている僕たちには、到底信じ難いハナシであることは確かだ。



 しかし、それらすべてを証明することは、決して容易ではない。

 ウワサの根源を突き止めて根幹から排除しなければ、とても解決には至らないだろう。



「しかし、これは弱ったな。大体のハナシは読めてきたけれど、どうしたらいいものか……」

「じゃあ……あきらめるの、ケンタ君?」


 決してあきらめてない瞳でそう言われたら、僕は首を振るしかないじゃないか。


「……それは無理だよ、スミちゃん。僕らはロコをあきらめたりしない。みんなもそうだろ?」


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