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46)シユエト <魔界7>
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シユエトの得意とする魔法は、「自分の姿を消す魔法」である。
それを会得してから、彼の魔法使いとしての価値は数倍に高まった。
これまでは、中の中レベルに過ぎなかった彼が、上級レベルと同等の魔法使いとして認識されるようになったのだ。
それをきっかけにシユエトの魔法使いとしての人生は大きく様変わりした。
しかし、その魔法のコードを書き上げるまで苦労を要したことは言うまでもない。
姿を消す魔法を編み出そうという試みは、これまで数多くの魔法使いたちが挑戦してきた。しかし誰一人成し遂げられずにきたことである。
想起はされるが、現実化されていない魔法の一つだ。伝説の大天才、スコーフィールドも、ボイルも不可能だった魔法。
シユエトは自分のことを、それなりに優秀なコード書きだと自認していた。
魔法使いの中には、コードを書くのに長じている魔法使いと、魔法の実戦に長じている魔法使いの二種類がいる。
彼はどちらかと言えば、前者のほうだと言ってもいいであろう。
しかしそんな彼でも、このコードを書き上げるのは不可能だった。彼一人では、その取っ掛かりすら見つけることは出来なかったはずだ。
彼がこのコードを完成させることが出来たのは、ある人間との出会いがあったからである。
あるときシユエトは、ガリレイという魔法使いと、魔界で出会ったのである。
ガリレイという名前は、明らかに仮名である。古に存在したとてつもなく有名な魔法使いの名前。
「これくらいの強烈なレベルの魔法の場合、何か大きな代償を差し出さなければいけない。それをしないと、姿を消す魔法なんて完成しない」
シユエトがその魔法の研究をしていることを知ると、ガリレイという魔法使いはそんなことを書いて寄こした。
「代償? ああ、カルノーの計画譲渡理論を使うわけか。しかし例えばその代償とは?」
「さあ、わからないが。試しに書いてみよう」
新しい魔法のコードなど、試しに書けるものではない。
それは多くのものを犠牲にして、それだけにエネルギーを注ぎ込まなければ不可能な大仕事。何かの片手間で出来ることではない。
だからシユエトは、このガリレイという者の言葉を鵜呑みにしなかった。
ただ魔界ですれ違った人間が、大言壮語しながら横を通り過ぎただけとしか受け取っていなかった。
しかし、しばらくしてガリレイという者から、まだ試作品レベルだがそのコードを書き上げることが出来たと連絡が来た。
「完成するかもしれない。しかし当初の予想通り、大きな欠点がある。相手から自分の姿が見えなくなるが、自分も相手の姿が見えなくなるのだ」
「それでは戦闘において、何ら効果が出ないんじゃないだろうか?」
シユエトは生きるため、暗殺を生業としていた。
これまでに多くの仕事を請け負ってきていた。その過程で是非とも欲しいと願った魔法、それが自分の姿を消す魔法である。
彼は暗殺者だ。相手の姿をしっかりと視認し続けることが、暗殺の正否を左右することをよく知っている。
一端、相手を見失ってしまえば、仕事を成し遂げる確率は格段に下がってしまうのだ。そんなのは殺しの基本。わざわざ言うまでもないだろう。
自分の姿を消すことが出来たとしても、自分も相手の姿が見えなくなってしまうのであれば意味がない。
そんな魔法、実戦では何の使い物にもならない。この魔法の研究のため、時間と労力を費やしている余裕、自分にはない。シユエトはそう書き送った。
「いや、このこの条件ならば、魔族がこの魔法の存在を許容するのは間違いないだろう。すなわち、これまでこの世界に存在しなかった魔法が完成する可能性があるのだ。使い方次第では、きっと実戦でも役立つはず。私もその魔法のコードを書く作業、手伝うつもりだ」
しかしガリレイからはそのような返事が来る。
(ガリレイという者、いったい何者であろうか。この奇妙な情熱。私に何かを望んでいるのだろうか?)
金か。それとも、からかっているだけ?
シユエトの中に、ガリレイへの違和感と、好奇心が同時に募った。
確かにガリレイのもたらしたこの新しいアイデアは、行き詰まりを突破する斬新な方法論であるのかもしれない。
シユエトはこれまで書いてきたプログラムを何度も読み返して、それを確認していた。
このアイデアを採用すれば、本当にこの魔法は完成するのかもしれない。
自分の姿を消すことが出来る魔法。
それが完成すれば、誰も使うことが出来ない魔法を、シユエトだけが使用出来るということ。
戦闘時にどれだけ効果を発することになるのか未知数ではあるが、まるで価値のない魔法でもないだろう。
事実、この世界には盲目の剣士だって存在する。
音と匂いと気配で、相手を察知出来る者がいる。シユエトだって訓練次第で、ある程度それが可能になるかもしれない。
いや、もしそれが無理でも、この魔法を知らない者は、突然、相手の姿が消えれば驚くに違いない。
その驚きを与えるだけでも、大きな効果がある。
面白いかもしれない。
シユエトはそう考え直し始めていた。実際の戦闘に使えないとしても、情報収集には充分に役立つはずだ。目は見えなくても、耳は聞こえているのだから。
使い道はある。
(それならばいっそ、発動の条件を、目を閉じることにするのはどうだろうか?)
その遣り取りの途中、シユエトはピンと来た。
自らが目を閉じている間、その魔法が発動して、相手からも自分の姿が見えなくなる。目を開けると効果は終わり。そのような魔族との引き換え条件。
「面白い、まさに魔族たちが好むタイプの条件だ」
ガリレイもそう書いて寄こして、シユエトのそのアイデアに賛意を示してくれた。
それにも気を良くしたというわけではないが、シユエトは再び、その魔法のコードの作成に情熱を注ぎ始めてみた。ガリレイのもたらした新しいアイデアを積極的に取り入れて。
しかし予想以上に、それは困難な仕事であった。
その仕事の最中、シユエトはコード書きとしての才能にすっかり自信を失っていた。
これを成し遂げるための必要な知識が不足している。論理を追求する力も、いざというときのヒラメキも、自分には圧倒的に不足している。
しかも彼の自信を更に失わせたのは、何よりもガリレイの存在が大きかった。
ガリレイという男も、この魔法に役立ちそうなアレグロリズムや、彼が書いたコードの一部を送ってくれたりする。
この作業を片手間に手伝ってくれているだけのガリレイのほうが、はるかにこのコードの本質を理解しているようであった。
彼は他にも別のコードの研究もしているようである。
その作業に、それほど時間を費やしているわけではなかった。それなのにシユエトよりも素晴らしいコードを書いてくる。
自信喪失は更に悪循環を生む。そのうち、徐々にそのコード書きの作業の主導権は、ガリレイが握っていった。
ガリレイが、シユエトをはるかに上回るコードの書き手であるのは間違いない。
深い知識、複雑なプログラムを短くまとめるエレガントな手腕、コードを書き上げるスピード、全てにおいてシユエトの上をいっていた。
いや、ただ単にシユエトより上のレベルというだけではないかもしれない。
このレベルのコード書きは、他を探しても滅多にいないのではないだろうか。
(もしかしてこの者は天才か? 俺はとてつもない特別な存在と、知り合いになってしまったのか)
やがて作業の中心は、完全にガリレイに移った。
これまで自分が情熱を注いできた魔法のアイデアを横取りされたようで、シユエトは複雑な気分だったが、ガリレイの実力は認めざるを得なかった。
この魔法を完成させるためならば、ガリレイに全てを譲ってもいい。
彼はそんな気にすらなっていた。
魔界を通しての文書だけのやり取りしかしていないが、いつか本人に直接会ってみたい、それくらいシユエトはガリレイという人物に興味を持ち始めている。
ガリレイという人物は、ただ単純に新しい魔法を編み出すことに喜びを抱いているようだ。
付き合いが長くなるにつれ、彼はそのような思いを強くしていた。
シユエトから何かを奪おうという、邪な意思は欠片も見えない。新しい魔法を編み出すことが楽しくて仕方ないという様子。
とはいえ、その魔法が実際に完成した暁には、その権利を握るのはどちらになるのか、揉めることになるかもしれない。
いや、その魔法が完成したとすれば、それは全てガリレイの功績であろう。
ガリレイとの出会いがなければ、この魔法のコードが完成することはありえなかった。それは認めざるを得ない。
彼は喜んでその権利をガリレイに譲る決心をしていた。
そして遂にその日が来た。魔法のコードが完成した。そんな報せがガリレイから寄せられたのだ。
しかしその報せには意外なことが含まれていた。
「この魔法の権利を譲ろう。自由に使って欲しい」
ガリレイという人物はそう書いてきたのだ。
「それはありえない話しだ。この魔法のコードを書き上げたのはあなただ。私にはそのような権利は一欠片もない」
「もちろん自分の仕事を過少評価しているわけではない。その権利を譲る代わりに、あなたにこの魔法の熟達した使い手になって欲しいだけ」
「熟練した使い手?」
「この魔法を使いこなすには、それなりの訓練が必要だろう。私にはそんな時間もなければ、その能力もない」
条件としては何も悪くない。むしろ暗殺が仕事のシユエトが、そもそも望んでいたことだ。
しかし改めてそう書いて寄こされると、その魔法に自分の一生を支配されそうな気がした。自分の自由が大幅に奪われてしまいそうな不安。
いや、この魔法に支配されるだけでなく、ガリレイという魔法使いにも支配されることになるかもしれない。
しかしそのような不安は、この魔法に対する期待値をはるかに下回った。シユエトはガリレイに「イエス」と書いて送った。
それを会得してから、彼の魔法使いとしての価値は数倍に高まった。
これまでは、中の中レベルに過ぎなかった彼が、上級レベルと同等の魔法使いとして認識されるようになったのだ。
それをきっかけにシユエトの魔法使いとしての人生は大きく様変わりした。
しかし、その魔法のコードを書き上げるまで苦労を要したことは言うまでもない。
姿を消す魔法を編み出そうという試みは、これまで数多くの魔法使いたちが挑戦してきた。しかし誰一人成し遂げられずにきたことである。
想起はされるが、現実化されていない魔法の一つだ。伝説の大天才、スコーフィールドも、ボイルも不可能だった魔法。
シユエトは自分のことを、それなりに優秀なコード書きだと自認していた。
魔法使いの中には、コードを書くのに長じている魔法使いと、魔法の実戦に長じている魔法使いの二種類がいる。
彼はどちらかと言えば、前者のほうだと言ってもいいであろう。
しかしそんな彼でも、このコードを書き上げるのは不可能だった。彼一人では、その取っ掛かりすら見つけることは出来なかったはずだ。
彼がこのコードを完成させることが出来たのは、ある人間との出会いがあったからである。
あるときシユエトは、ガリレイという魔法使いと、魔界で出会ったのである。
ガリレイという名前は、明らかに仮名である。古に存在したとてつもなく有名な魔法使いの名前。
「これくらいの強烈なレベルの魔法の場合、何か大きな代償を差し出さなければいけない。それをしないと、姿を消す魔法なんて完成しない」
シユエトがその魔法の研究をしていることを知ると、ガリレイという魔法使いはそんなことを書いて寄こした。
「代償? ああ、カルノーの計画譲渡理論を使うわけか。しかし例えばその代償とは?」
「さあ、わからないが。試しに書いてみよう」
新しい魔法のコードなど、試しに書けるものではない。
それは多くのものを犠牲にして、それだけにエネルギーを注ぎ込まなければ不可能な大仕事。何かの片手間で出来ることではない。
だからシユエトは、このガリレイという者の言葉を鵜呑みにしなかった。
ただ魔界ですれ違った人間が、大言壮語しながら横を通り過ぎただけとしか受け取っていなかった。
しかし、しばらくしてガリレイという者から、まだ試作品レベルだがそのコードを書き上げることが出来たと連絡が来た。
「完成するかもしれない。しかし当初の予想通り、大きな欠点がある。相手から自分の姿が見えなくなるが、自分も相手の姿が見えなくなるのだ」
「それでは戦闘において、何ら効果が出ないんじゃないだろうか?」
シユエトは生きるため、暗殺を生業としていた。
これまでに多くの仕事を請け負ってきていた。その過程で是非とも欲しいと願った魔法、それが自分の姿を消す魔法である。
彼は暗殺者だ。相手の姿をしっかりと視認し続けることが、暗殺の正否を左右することをよく知っている。
一端、相手を見失ってしまえば、仕事を成し遂げる確率は格段に下がってしまうのだ。そんなのは殺しの基本。わざわざ言うまでもないだろう。
自分の姿を消すことが出来たとしても、自分も相手の姿が見えなくなってしまうのであれば意味がない。
そんな魔法、実戦では何の使い物にもならない。この魔法の研究のため、時間と労力を費やしている余裕、自分にはない。シユエトはそう書き送った。
「いや、このこの条件ならば、魔族がこの魔法の存在を許容するのは間違いないだろう。すなわち、これまでこの世界に存在しなかった魔法が完成する可能性があるのだ。使い方次第では、きっと実戦でも役立つはず。私もその魔法のコードを書く作業、手伝うつもりだ」
しかしガリレイからはそのような返事が来る。
(ガリレイという者、いったい何者であろうか。この奇妙な情熱。私に何かを望んでいるのだろうか?)
金か。それとも、からかっているだけ?
シユエトの中に、ガリレイへの違和感と、好奇心が同時に募った。
確かにガリレイのもたらしたこの新しいアイデアは、行き詰まりを突破する斬新な方法論であるのかもしれない。
シユエトはこれまで書いてきたプログラムを何度も読み返して、それを確認していた。
このアイデアを採用すれば、本当にこの魔法は完成するのかもしれない。
自分の姿を消すことが出来る魔法。
それが完成すれば、誰も使うことが出来ない魔法を、シユエトだけが使用出来るということ。
戦闘時にどれだけ効果を発することになるのか未知数ではあるが、まるで価値のない魔法でもないだろう。
事実、この世界には盲目の剣士だって存在する。
音と匂いと気配で、相手を察知出来る者がいる。シユエトだって訓練次第で、ある程度それが可能になるかもしれない。
いや、もしそれが無理でも、この魔法を知らない者は、突然、相手の姿が消えれば驚くに違いない。
その驚きを与えるだけでも、大きな効果がある。
面白いかもしれない。
シユエトはそう考え直し始めていた。実際の戦闘に使えないとしても、情報収集には充分に役立つはずだ。目は見えなくても、耳は聞こえているのだから。
使い道はある。
(それならばいっそ、発動の条件を、目を閉じることにするのはどうだろうか?)
その遣り取りの途中、シユエトはピンと来た。
自らが目を閉じている間、その魔法が発動して、相手からも自分の姿が見えなくなる。目を開けると効果は終わり。そのような魔族との引き換え条件。
「面白い、まさに魔族たちが好むタイプの条件だ」
ガリレイもそう書いて寄こして、シユエトのそのアイデアに賛意を示してくれた。
それにも気を良くしたというわけではないが、シユエトは再び、その魔法のコードの作成に情熱を注ぎ始めてみた。ガリレイのもたらした新しいアイデアを積極的に取り入れて。
しかし予想以上に、それは困難な仕事であった。
その仕事の最中、シユエトはコード書きとしての才能にすっかり自信を失っていた。
これを成し遂げるための必要な知識が不足している。論理を追求する力も、いざというときのヒラメキも、自分には圧倒的に不足している。
しかも彼の自信を更に失わせたのは、何よりもガリレイの存在が大きかった。
ガリレイという男も、この魔法に役立ちそうなアレグロリズムや、彼が書いたコードの一部を送ってくれたりする。
この作業を片手間に手伝ってくれているだけのガリレイのほうが、はるかにこのコードの本質を理解しているようであった。
彼は他にも別のコードの研究もしているようである。
その作業に、それほど時間を費やしているわけではなかった。それなのにシユエトよりも素晴らしいコードを書いてくる。
自信喪失は更に悪循環を生む。そのうち、徐々にそのコード書きの作業の主導権は、ガリレイが握っていった。
ガリレイが、シユエトをはるかに上回るコードの書き手であるのは間違いない。
深い知識、複雑なプログラムを短くまとめるエレガントな手腕、コードを書き上げるスピード、全てにおいてシユエトの上をいっていた。
いや、ただ単にシユエトより上のレベルというだけではないかもしれない。
このレベルのコード書きは、他を探しても滅多にいないのではないだろうか。
(もしかしてこの者は天才か? 俺はとてつもない特別な存在と、知り合いになってしまったのか)
やがて作業の中心は、完全にガリレイに移った。
これまで自分が情熱を注いできた魔法のアイデアを横取りされたようで、シユエトは複雑な気分だったが、ガリレイの実力は認めざるを得なかった。
この魔法を完成させるためならば、ガリレイに全てを譲ってもいい。
彼はそんな気にすらなっていた。
魔界を通しての文書だけのやり取りしかしていないが、いつか本人に直接会ってみたい、それくらいシユエトはガリレイという人物に興味を持ち始めている。
ガリレイという人物は、ただ単純に新しい魔法を編み出すことに喜びを抱いているようだ。
付き合いが長くなるにつれ、彼はそのような思いを強くしていた。
シユエトから何かを奪おうという、邪な意思は欠片も見えない。新しい魔法を編み出すことが楽しくて仕方ないという様子。
とはいえ、その魔法が実際に完成した暁には、その権利を握るのはどちらになるのか、揉めることになるかもしれない。
いや、その魔法が完成したとすれば、それは全てガリレイの功績であろう。
ガリレイとの出会いがなければ、この魔法のコードが完成することはありえなかった。それは認めざるを得ない。
彼は喜んでその権利をガリレイに譲る決心をしていた。
そして遂にその日が来た。魔法のコードが完成した。そんな報せがガリレイから寄せられたのだ。
しかしその報せには意外なことが含まれていた。
「この魔法の権利を譲ろう。自由に使って欲しい」
ガリレイという人物はそう書いてきたのだ。
「それはありえない話しだ。この魔法のコードを書き上げたのはあなただ。私にはそのような権利は一欠片もない」
「もちろん自分の仕事を過少評価しているわけではない。その権利を譲る代わりに、あなたにこの魔法の熟達した使い手になって欲しいだけ」
「熟練した使い手?」
「この魔法を使いこなすには、それなりの訓練が必要だろう。私にはそんな時間もなければ、その能力もない」
条件としては何も悪くない。むしろ暗殺が仕事のシユエトが、そもそも望んでいたことだ。
しかし改めてそう書いて寄こされると、その魔法に自分の一生を支配されそうな気がした。自分の自由が大幅に奪われてしまいそうな不安。
いや、この魔法に支配されるだけでなく、ガリレイという魔法使いにも支配されることになるかもしれない。
しかしそのような不安は、この魔法に対する期待値をはるかに下回った。シユエトはガリレイに「イエス」と書いて送った。
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