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第二章 冒険者 編
19 世界樹の依頼は難しい
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装備を購入した翌日…
二人はギルドの掲示板を見ている。レナ・バースは鞭の練習だから力むなと言ったが、マナはやる気に満ちていた。
今日こそ依頼を達成してやるんだ!大丈夫…この鞭があれば私はできる!
しかし昨晩の、お嬢はしつこかった。部屋に入るなり、
お尻を突き上げて何度も私に鞭で打ってとお尻で圧をかけてきた。
叩けないよ…私はお嬢がドドじいと同じくらい大好きなんだから叩けるわけないのよ…
でも…お嬢がうるさいから私は叩けないけど、少しだけ…本当に少しだけ怒ったんだ。
足で…足でね、少し強くお尻蹴飛ばしたの!本当に少し強くしただけ、そしたらお嬢はお尻を押さえながら…
ありがとう…って言ってくれたから私は許したんだ!
「お嬢!あれとってよ!」
レナ・バースが剥がした依頼書には
討伐・はぐれゴブリン一味と書かれていた。
マナは専用窓口にむかい笑顔のマリィに依頼書を渡した。この前より宝飾品が増えている気がするとレナ・バースは不思議がるが、あまり個人を疑うのは良くないと見て見ぬふりをする。
「以前討伐したゴブリンの生き残り達が西の平原で繁殖したようなんです。単体なら弱い魔物ですが…増えると被害が拡大します。知恵をつける前に叩くのが最良なんです。」
なるほど…群れる前に倒せと。そして平原には他の冒険者達もいるので現地でゴブリン情報を集めるのが良いらしい。
「ありがとう!はい御礼だよ!」
マリィは二人の後ろ姿を見ている。そして姿が見えなくなると口元が緩んでしまう。
マナは初めて西の平原に来た。遠くまで広がるたいらな野原。あまり奥まで行くと迷子になりそうな程、同じ景色が広がっている。
「マナちゃん…あれがゴブリンだよ」
平原の草むらで二人は身を潜め、ゴロタ場に居座る2体のゴブリンを見つめていた。
あの緑の生物がゴブリン…
「私が1体に斬りかかるからマナちゃんは残りの1体を叩いて」
「了解だよ。私の力を見せてやるんだ!」
二人はタイミングを測った…レナ・バースがマナを見つめる。
今だ!
閃光…レナ・バースは瞬時に抜刀し1体のゴブリンを斬り伏せた。残ったゴブリンは驚いている。いきなり横の仲間が倒れた。そして冷たい目で見る人間の女。今から構えても間に合わない…
殺られる!
ゴブリンは覚悟を決めた。せめて傷の1つでも与えれたら…
棍棒を振りかざしレナ・バースに向かうゴブリンの頭に衝撃が走る。
何だ今のは?
ゴブリンは頭を押さえて振り向く…
ちっ!仲間がいたのか…
マナはゴブリンの背後から昨日購入した鞭で頭頂部を思い切り叩いた。初めて魔物に攻撃が当たった。
私は冒険者だ。強い冒険者になるんだ!
マナの気持ちがのった鞭打は確かに良いタイミングで、ゴブリンを叩いたが…
ゴブリンは驚いただけで、痛みは無かった!
マナを見て笑うゴブリン。尖り鼻がひくついている。
ゴブリンは攻撃対象をマナに切り替えた。
こいつなら倒せる。
マナは怖くなる。どうして私の鞭が効かないの?
私はどうしたら良いの?
マナが怯えているのを確認したゴブリンは棍棒を振りかざし襲ってきた。
「ありがとう…お嬢」
レナ・バースはゴブリンより速く反応しマナを抱えて、その場から離脱した。
「お嬢…私の鞭が効かないの!あのゴブリンは強いゴブリンだよ!どうしよう?」
あのゴブリンは強くはないだろう。
「マナちゃん聞いて!あのゴブリンは強くはない。倒せないのは鞭が弱いからだ…」
マナは右手で握る鞭を見つめた。私は貴方しか装備できないんだよ?
だから頑張ってよ!
マナは願った。鞭が強くなるように願った。
青白く輝いたマナの右手の光りは鞭を包み込んだ。
鞭はまるで生物のように光りのなかで動き出した。
レナ・バースは、またまた固まった。
武器進化…
ドワーフ族が追い求めた秘術。彼等は今も追い求めているのだろう。鍛冶の為に命を懸ける種族。
貴方達に教えてあげたい。追い求めた秘術は、ここに存在したと…
光りが消えるとマナの鞭の姿が変化していた。ただの家畜用の鞭は意思が有るようにうごめき、ソングは緑色の発光を見せた。クラッカー部分には白い種子のような膨らみがある。
マナは新たな鞭を振り回し笑顔になる。
これならゴブリンを倒せる!
…………
「ここは西の平原よね?」
来た時は遠くまで広がるたいらな野原だった…
どうして、こんなに簡単に大木が現れるのよ!
レナ・バースが見渡す平原を進化した鞭を振り回しながらゴブリンを追いかけまわすマナ。
彼女の一振りが地面に触れると、その場所から巨木が現れる。成長過程を無視した巨木だ。
マナは気付いていない。ゴブリンは既に何体か鞭で叩き伏せたが地面に鞭が触れるたびに現れる巨木にゴブリン達が驚いて草むらから現れる。
だからマナは錯覚しているんだ。ゴブリンに攻撃が当たらないと…
「マナちゃん…そろそろ止めないと、平原じゃなくて樹海になりそうだよ?」
ゴブリン達は既に全滅…しかしマナは倒した感覚がない。毎度現れる巨木の振動がゴブリンの気配を絶ってしまうから…
農村地帯に川沿い…そして平原。数日で森と化した依頼場所…
マナの行く場所には新たな生命が生まれる。
そしてマナは、依頼を一度も達成できていないFランク冒険者のままだ。
二人はギルドの掲示板を見ている。レナ・バースは鞭の練習だから力むなと言ったが、マナはやる気に満ちていた。
今日こそ依頼を達成してやるんだ!大丈夫…この鞭があれば私はできる!
しかし昨晩の、お嬢はしつこかった。部屋に入るなり、
お尻を突き上げて何度も私に鞭で打ってとお尻で圧をかけてきた。
叩けないよ…私はお嬢がドドじいと同じくらい大好きなんだから叩けるわけないのよ…
でも…お嬢がうるさいから私は叩けないけど、少しだけ…本当に少しだけ怒ったんだ。
足で…足でね、少し強くお尻蹴飛ばしたの!本当に少し強くしただけ、そしたらお嬢はお尻を押さえながら…
ありがとう…って言ってくれたから私は許したんだ!
「お嬢!あれとってよ!」
レナ・バースが剥がした依頼書には
討伐・はぐれゴブリン一味と書かれていた。
マナは専用窓口にむかい笑顔のマリィに依頼書を渡した。この前より宝飾品が増えている気がするとレナ・バースは不思議がるが、あまり個人を疑うのは良くないと見て見ぬふりをする。
「以前討伐したゴブリンの生き残り達が西の平原で繁殖したようなんです。単体なら弱い魔物ですが…増えると被害が拡大します。知恵をつける前に叩くのが最良なんです。」
なるほど…群れる前に倒せと。そして平原には他の冒険者達もいるので現地でゴブリン情報を集めるのが良いらしい。
「ありがとう!はい御礼だよ!」
マリィは二人の後ろ姿を見ている。そして姿が見えなくなると口元が緩んでしまう。
マナは初めて西の平原に来た。遠くまで広がるたいらな野原。あまり奥まで行くと迷子になりそうな程、同じ景色が広がっている。
「マナちゃん…あれがゴブリンだよ」
平原の草むらで二人は身を潜め、ゴロタ場に居座る2体のゴブリンを見つめていた。
あの緑の生物がゴブリン…
「私が1体に斬りかかるからマナちゃんは残りの1体を叩いて」
「了解だよ。私の力を見せてやるんだ!」
二人はタイミングを測った…レナ・バースがマナを見つめる。
今だ!
閃光…レナ・バースは瞬時に抜刀し1体のゴブリンを斬り伏せた。残ったゴブリンは驚いている。いきなり横の仲間が倒れた。そして冷たい目で見る人間の女。今から構えても間に合わない…
殺られる!
ゴブリンは覚悟を決めた。せめて傷の1つでも与えれたら…
棍棒を振りかざしレナ・バースに向かうゴブリンの頭に衝撃が走る。
何だ今のは?
ゴブリンは頭を押さえて振り向く…
ちっ!仲間がいたのか…
マナはゴブリンの背後から昨日購入した鞭で頭頂部を思い切り叩いた。初めて魔物に攻撃が当たった。
私は冒険者だ。強い冒険者になるんだ!
マナの気持ちがのった鞭打は確かに良いタイミングで、ゴブリンを叩いたが…
ゴブリンは驚いただけで、痛みは無かった!
マナを見て笑うゴブリン。尖り鼻がひくついている。
ゴブリンは攻撃対象をマナに切り替えた。
こいつなら倒せる。
マナは怖くなる。どうして私の鞭が効かないの?
私はどうしたら良いの?
マナが怯えているのを確認したゴブリンは棍棒を振りかざし襲ってきた。
「ありがとう…お嬢」
レナ・バースはゴブリンより速く反応しマナを抱えて、その場から離脱した。
「お嬢…私の鞭が効かないの!あのゴブリンは強いゴブリンだよ!どうしよう?」
あのゴブリンは強くはないだろう。
「マナちゃん聞いて!あのゴブリンは強くはない。倒せないのは鞭が弱いからだ…」
マナは右手で握る鞭を見つめた。私は貴方しか装備できないんだよ?
だから頑張ってよ!
マナは願った。鞭が強くなるように願った。
青白く輝いたマナの右手の光りは鞭を包み込んだ。
鞭はまるで生物のように光りのなかで動き出した。
レナ・バースは、またまた固まった。
武器進化…
ドワーフ族が追い求めた秘術。彼等は今も追い求めているのだろう。鍛冶の為に命を懸ける種族。
貴方達に教えてあげたい。追い求めた秘術は、ここに存在したと…
光りが消えるとマナの鞭の姿が変化していた。ただの家畜用の鞭は意思が有るようにうごめき、ソングは緑色の発光を見せた。クラッカー部分には白い種子のような膨らみがある。
マナは新たな鞭を振り回し笑顔になる。
これならゴブリンを倒せる!
…………
「ここは西の平原よね?」
来た時は遠くまで広がるたいらな野原だった…
どうして、こんなに簡単に大木が現れるのよ!
レナ・バースが見渡す平原を進化した鞭を振り回しながらゴブリンを追いかけまわすマナ。
彼女の一振りが地面に触れると、その場所から巨木が現れる。成長過程を無視した巨木だ。
マナは気付いていない。ゴブリンは既に何体か鞭で叩き伏せたが地面に鞭が触れるたびに現れる巨木にゴブリン達が驚いて草むらから現れる。
だからマナは錯覚しているんだ。ゴブリンに攻撃が当たらないと…
「マナちゃん…そろそろ止めないと、平原じゃなくて樹海になりそうだよ?」
ゴブリン達は既に全滅…しかしマナは倒した感覚がない。毎度現れる巨木の振動がゴブリンの気配を絶ってしまうから…
農村地帯に川沿い…そして平原。数日で森と化した依頼場所…
マナの行く場所には新たな生命が生まれる。
そしてマナは、依頼を一度も達成できていないFランク冒険者のままだ。
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