世界樹の反抗期〜世界樹と呼ばれて一万と二千年〜「もう、じっとしているの我慢出来ない!」

エターナル大陸の中央に根を生やす巨大な木…

この世界の者なら誰でも知っている世界のバランスを保つ巨木…

 人々はこれを世界樹と呼び「エターナルマナ」と崇めた。

 何時から存在したのかは誰も分からない。

 雲を越えた樹冠は、まだ成長している様だ。

 世界樹の枝に魅せられた妖精や小鳥達が枝に泊まり、毎日自分達が見た世界の話しをしてくれる。

 世界樹は、その話しを何時も楽しみにしていた。

 しかし…楽しい話しを聞いてるうちに、ある考えが世界樹に芽生えてしまった。

 「どうして私は…動けないの?」

羨ましい…勇者様が魔王を倒した!賢者が不死の魔法を成功させた!西の王国で王様が侍女に手を出したのが、王妃にバレて魔法で馬にされた!懲りずに復活した魔王がまた勇者に倒されて宿屋を開いた!

 「見たい!話しじゃなくて見たいよ!自分の目で見たいのよ!」

 それから数百年…

 ついに世界樹は我慢が出来なくなり人族の様な姿へと型を変えた。

 そして…初めて歩いた世界樹は人が住む世界へと旅立った…

 
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