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第一章 出逢い 編
08 世界樹誕生
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「なんじゃこれは!!」
久しぶりに丘の家に戻って来た二人。ドドじいは丘を登るにつれて、表情がどんどん驚きの表情へ変わっていった。
見慣れた丸太の家。それは分かる。では、あの木はなんだ?
あの晩…確かに急いで丘を下った。マナが心配でマナしか見ていなかったが、こんなデカい木は無かったと思うのだが…
「良かった…無事に成長したよドドじい!」
背中からの声。ドドルはこの木を知らないがマナには、心当たりがある様だ。
この子は、やはり特別な力がある。ギルドを飲み込んだあの光…そしてギルド最強を倒した。
でも、儂はマナを特別扱いはしない。それがこの子の為になると思う…
「マナよ、この木はなんだ?儂は知らないぞ」
背負ってきたマナを地面に立たせ、知らない木を見上げるドドル。そしてすっかり暗くなった空の中、丘から見えるエバーダの街には明かりが灯っていた。
不思議な木だ。街の明かりが霞むほど葉や幹が幻想的に輝いている。
「良かった!光の妖精さんも気に入ってくれたよ!」
光の妖精?
「マナ教えてくれ、この木はなんじゃ?」
マナはドドじいの顔を見上げる。そんな不思議そうな顔でまざまざと見たら、この子が恥ずかしがるよ。まだ幼い子なんだから!
ドドじいは優しい人だから…
マナは丘の上に現れた木の幹を優しく撫でる。マナの温もりを感じたのだろうか?マナが撫でた場所が、より一層輝きを増した。
「ドドじい聞いた?この子がねドドじいとお友達になりたいって!」
木が友達?
「マナ、頼む!儂はこの木を知らんのだ!教えてくれ。この木はなんじゃ?」
も~!どうしてわからないの?マナはそう言いながら頬を膨らませてドドルを見る。
ドドじいは毎日、私の側に居るのに分からないなんて、きっと観察力が足りないのね。
「分からないのは、ドドじいの観察不足よ!」
観察不足?何の観察が不足したのだ?これでも儂は若い頃、観察の鬼と呼ばれていたんだ。
ドドルは若かりし頃を思い出す。初めて遭遇した魔物は水辺で悪さをしていたビッグフロッグだったんだ。あの頃の儂らには荷が重い魔物だった。仲間達と連携し、何とか倒したが…あれはぎりぎりの戦いだった。しかしそんな中でも儂は雌雄の区別を見分けれたんだ。手に汗握る攻防の中で魔物の性別を見分けた儂が…
観察不足じゃと?
ムキになるな…世界は広い。Aランク冒険者だからといって慢心は良くない。
「すまんなマナ。儂の観察不足じゃ。だから教えてくれマナ。この木はなんじゃ?」
「だから、この子は世界樹に決まっているでしょ!」
世界樹?聖域から世界のバランスを保っている世界樹か?この世界全ての者が崇めるあの世界樹か?
口が塞がらない。大きな口を開けたまま、ドドルは世界樹と呼ばれた輝く木を見上げている。
「ドドじいが私に感謝していたから木を運んだ後に種を植えたのよ!」
何故、私が種を持っているか?
「もう!しっかりしてよ!私が世界樹なんだから種くらい持っているに決まっているでしょ!普通よ、普通の事だよ!」
普通か?
「駄目じゃ…頭が痛い!考えが追いつかん………」
いっそ儂が記憶喪失になりたい!そんな表情をマナに見せてドドルは、その場に倒れてしまった。
……………………
「儂は……」
ドドルは目を開いた。何時もマナに叩き起こされるベッドに見慣れた丸窓からの景色。
ここは儂の家じゃ…
「ドドじい!!」
倒れたドドルを家まで運んだのはマナだ。あの世界樹の光の妖精さんにお願いして運ぶのを手伝ってもらった。
苦しそうにしていたから、お薬も飲ませた。何時も大きな口を開くのに、お薬を飲まない様に頑なに口を閉じていたから…私の口に薬を含んで、無理矢理ドドじいの口に押し込んであげたんだ。ちょっと髭がチクチクしたけど、くちびるが触れたら何故か身体が熱くなったんだよ?
知らないけど…悪い事はしていない!って私は思うけど…分からないけどドドじいに聞くの恥ずかしい様な感じがするから…秘密にしよう!
「マナ、迷惑かけたのじゃ…」
やはり夢では無かった。丸窓から見える輝くあの木。普通とは違う。本当に世界樹ならえらい騒ぎになるだろうし世界樹が産まれた原因が本当にマナなら、あの子は特別な存在になる…
ギルドへ相談…
マナはまた街に行けると喜ぶ。そしてマナの看病のおかげだろうか?まるでAランクに昇格した頃の様に身体が軽いドドル。
街に入り屋台の人達に手をふるマナ。あの食い逃げ少女が来た。串焼きを守…らない!
愛くるしい笑顔のマナに店主達はタダで串焼きを渡してしまう。
理由は…かわいいからだそうだ。
紙袋いっぱいの串焼きを抱えるマナ。袋口から漏れ出す香ばしい臭いがマナの食欲をそそる。
ひとりで食べたいけど…あのお嬢ちゃんが居たら、少し分けてあげようかな?
でもデコルギルド長にはあげないんだから!
あの人…すぐ怒るんだもん!
久しぶりに丘の家に戻って来た二人。ドドじいは丘を登るにつれて、表情がどんどん驚きの表情へ変わっていった。
見慣れた丸太の家。それは分かる。では、あの木はなんだ?
あの晩…確かに急いで丘を下った。マナが心配でマナしか見ていなかったが、こんなデカい木は無かったと思うのだが…
「良かった…無事に成長したよドドじい!」
背中からの声。ドドルはこの木を知らないがマナには、心当たりがある様だ。
この子は、やはり特別な力がある。ギルドを飲み込んだあの光…そしてギルド最強を倒した。
でも、儂はマナを特別扱いはしない。それがこの子の為になると思う…
「マナよ、この木はなんだ?儂は知らないぞ」
背負ってきたマナを地面に立たせ、知らない木を見上げるドドル。そしてすっかり暗くなった空の中、丘から見えるエバーダの街には明かりが灯っていた。
不思議な木だ。街の明かりが霞むほど葉や幹が幻想的に輝いている。
「良かった!光の妖精さんも気に入ってくれたよ!」
光の妖精?
「マナ教えてくれ、この木はなんじゃ?」
マナはドドじいの顔を見上げる。そんな不思議そうな顔でまざまざと見たら、この子が恥ずかしがるよ。まだ幼い子なんだから!
ドドじいは優しい人だから…
マナは丘の上に現れた木の幹を優しく撫でる。マナの温もりを感じたのだろうか?マナが撫でた場所が、より一層輝きを増した。
「ドドじい聞いた?この子がねドドじいとお友達になりたいって!」
木が友達?
「マナ、頼む!儂はこの木を知らんのだ!教えてくれ。この木はなんじゃ?」
も~!どうしてわからないの?マナはそう言いながら頬を膨らませてドドルを見る。
ドドじいは毎日、私の側に居るのに分からないなんて、きっと観察力が足りないのね。
「分からないのは、ドドじいの観察不足よ!」
観察不足?何の観察が不足したのだ?これでも儂は若い頃、観察の鬼と呼ばれていたんだ。
ドドルは若かりし頃を思い出す。初めて遭遇した魔物は水辺で悪さをしていたビッグフロッグだったんだ。あの頃の儂らには荷が重い魔物だった。仲間達と連携し、何とか倒したが…あれはぎりぎりの戦いだった。しかしそんな中でも儂は雌雄の区別を見分けれたんだ。手に汗握る攻防の中で魔物の性別を見分けた儂が…
観察不足じゃと?
ムキになるな…世界は広い。Aランク冒険者だからといって慢心は良くない。
「すまんなマナ。儂の観察不足じゃ。だから教えてくれマナ。この木はなんじゃ?」
「だから、この子は世界樹に決まっているでしょ!」
世界樹?聖域から世界のバランスを保っている世界樹か?この世界全ての者が崇めるあの世界樹か?
口が塞がらない。大きな口を開けたまま、ドドルは世界樹と呼ばれた輝く木を見上げている。
「ドドじいが私に感謝していたから木を運んだ後に種を植えたのよ!」
何故、私が種を持っているか?
「もう!しっかりしてよ!私が世界樹なんだから種くらい持っているに決まっているでしょ!普通よ、普通の事だよ!」
普通か?
「駄目じゃ…頭が痛い!考えが追いつかん………」
いっそ儂が記憶喪失になりたい!そんな表情をマナに見せてドドルは、その場に倒れてしまった。
……………………
「儂は……」
ドドルは目を開いた。何時もマナに叩き起こされるベッドに見慣れた丸窓からの景色。
ここは儂の家じゃ…
「ドドじい!!」
倒れたドドルを家まで運んだのはマナだ。あの世界樹の光の妖精さんにお願いして運ぶのを手伝ってもらった。
苦しそうにしていたから、お薬も飲ませた。何時も大きな口を開くのに、お薬を飲まない様に頑なに口を閉じていたから…私の口に薬を含んで、無理矢理ドドじいの口に押し込んであげたんだ。ちょっと髭がチクチクしたけど、くちびるが触れたら何故か身体が熱くなったんだよ?
知らないけど…悪い事はしていない!って私は思うけど…分からないけどドドじいに聞くの恥ずかしい様な感じがするから…秘密にしよう!
「マナ、迷惑かけたのじゃ…」
やはり夢では無かった。丸窓から見える輝くあの木。普通とは違う。本当に世界樹ならえらい騒ぎになるだろうし世界樹が産まれた原因が本当にマナなら、あの子は特別な存在になる…
ギルドへ相談…
マナはまた街に行けると喜ぶ。そしてマナの看病のおかげだろうか?まるでAランクに昇格した頃の様に身体が軽いドドル。
街に入り屋台の人達に手をふるマナ。あの食い逃げ少女が来た。串焼きを守…らない!
愛くるしい笑顔のマナに店主達はタダで串焼きを渡してしまう。
理由は…かわいいからだそうだ。
紙袋いっぱいの串焼きを抱えるマナ。袋口から漏れ出す香ばしい臭いがマナの食欲をそそる。
ひとりで食べたいけど…あのお嬢ちゃんが居たら、少し分けてあげようかな?
でもデコルギルド長にはあげないんだから!
あの人…すぐ怒るんだもん!
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