世界樹の反抗期〜世界樹と呼ばれて一万と二千年〜「もう、じっとしているの我慢出来ない!」

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第二章 冒険者 編

22 丘の上の訓練場

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 「え、今日はギルドに行かないの?」

4連続で依頼失敗をしているマナだが、不安がある中で冒険者ギルドに向かう準備をしていた。しかし、レナ・バースは今日はドドルさんの所へ行くからギルドには行かないと言った。

 ドドじいは、失敗ばかりの私を見て何て言うのかな?

久しぶりに、丘の上まで続く坂道を登っていくマナ。あの丸太の家が近づくにつれて複数の声が聴こえてくる。

 「追加で100回じゃ!」

世界樹の前で声をはるのはドドじいだ。腕を組ながら、大声をだすドドじいの前には、まだ幼さが残る冒険者らしき複数の男女が並んでいた。

 「マナちゃん。あの子達はね冒険者を目指す訓練生なんだよ。」

 訓練生?

ドドルがデコルギルド長に提案した話し。その応募に集まってきた訓練生。

 あの子達は冒険者になる為にドドルのもとで頑張っている。

 マナはドドルに声をかけたいのだが、訓練生達の真剣な表情に躊躇ってしまう。横にいるレナ・バースはマナの手を握りながら訓練生を見ている。

 「あの子達はマナちゃんの後輩なんだよ」

 後輩?

 マナはギルドの吹き飛ばすほどの力があったから、模擬戦を受けれた。しかし、目の前の子達は日々努力し冒険者になるチャンスを待っている。

 「あ!レナさんだ」

 訓練生の女の子の声で皆の手がとまる。Bランク上位冒険者のレナ・バース。雷を操る美しい女剣士。そんな彼女を、訓練生は憧れの眼差しで見つめる。

 レナ・バースは訓練生達に囲まれてしまった。まいったなと頭をかきながらドドルに視線を送る。そのレナ・バースの表情を見てドドルは笑っていた。

 そして、訓練生達は見つけてしまう。自分たちが作った輪の中に小さな少女がいることを…

 「嘘だろ!破壊少女もいるぜ!すげぇ…本物だ」

 え?あのギルドを吹き飛ばし、レナさんの模擬戦をクリアして最速でFランク冒険者になったあの破壊少女もいるのかと、訓練生達はマナを近くで見れて興奮している。

 マナは興奮気味の訓練生達の質問攻めに首をカクつかせて困惑する。

 「知らなかっただろ?マナちゃんは人気者なんだよ」

 人気者?

 人気者って何?

 レナ・バースに質問したいマナだが訓練生達は、それをさせてはくれなかった。

 リボンを奪われそうになったり頬を触られそうになったりマナの身に訓練生達の無数の手が迫る。

 人気者って…襲われる事なんだね…

 マナは耐えようと覚悟を決めた。触られても摘まれても…私は耐えよう。

 しかしマナに触れた者たちは次々に吹き飛んでしまった。訓練生達も、そして吹き飛ばしたマナも驚いてしまう、

 ローレライの羽衣…

 水の妖精さんが懸命に創り。数千年前に無くしたと、世界樹に愚痴った、このローレライの羽衣が誕生してから初めてその性能を発揮した。

 装備者に危機が迫った時に自動で発動する水属性の衣の壁。マナは立っているだけだが触れようとした訓練生達が次々と吹き飛んでいく。

 「なんか…ごめんなさい」

地べたに背中をつける訓練生達は、改めて破壊少女の強さに驚く。

 「破壊少女…強よ!」

訓練生達は、破壊少女の強さに感動した。マナは立っているだけなんだが…訓練生達には好印象だったようだ。

 「マナ!どうだ冒険者業は?」

 ドドじいの言葉にマナは下を向いた。

 言えないよ…4連続で失敗しているなんて…

 下を向いて踵で地面を擦っているマナを見たドドルは直ぐに察した。

 進捗は良くはないんだなと…

 「儂は失敗した事なんて憶えとらん。100回…いやそれ以上は失敗をしたが気にしてはおらんぞ!」

 その言葉にマナは下を向くのをやめ、ドドルを見つめた。

 「だがな…成功した時の事は全部憶えておる。隣り町まで護衛をした時はな、なんにもなくて歩いていただけだったが、町についたら依頼主から、ありがとうと言われた。儂はなんにもしとらんが…嬉しかったんじゃ」

 マナはドドルの話しを黙って聞いている。

 「仲間と魔族を倒した時は国が救われたと王族の方々から御礼を沢山もらった時は、もちろん嬉しかったが、なんにもしていない護衛の、ありがとうと同じだった。達成した時は皆幸せな気持ちになる。10回…20回何度失敗しても、その先にありがとうがあるなら儂は失敗を気にはせん。」

 それは…ドドじいが強いからだ…

 「私は弱いから失敗を気にするんだよ!」

 ドドじいは強いから…その言葉にドドじいは初めてあった時のように、大きな声で笑った。

 相変わらず…大きな笑い声。

 「マナ!初めてだな。儂と手合わせじゃ」

 どうしてドドじいと戦うのよ…

 ドドじいは私の大事な人なんだよ!

 レナ・バースの時のようにマナは周りの訓練生達の言葉におされ

 ドドじいと出遭った、この丘の上で手合わせすることになってしまった…
 
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