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第一章 出逢い 編
04 食い逃げ犯
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「朝から派手に盗み食いをした理由は?」
屋台の食べ物を食べ尽くし、街の広場のベンチでお腹を擦りながら笑顔のマナと汗だくのドドじいは、剣と槍を構える集団に捕まり「冒険者ギルド」と言う場所へ連行された。
そして、「取り調べ室」と書かれた名札が貼られた部屋で怖そうな人達に囲まれている。
「お腹が空いたから!」
………お金?
「だからお腹が空いたのよ!」
………お金が無いから盗んだ?
「お金って何よ!お腹よ!お腹が空いたの!」
ようやく息が整いだしたドドじいが、怖そうな人達の取り調べに応じた。
「記憶喪失?証拠は有るのか?」
「……………はあ?」
マナが知っている言葉はエターナルマナだけだったと説明するドドじい。昨日の夜に体調が急変し馴染みの街医者の元へ訪れた…
「ガゼルボさんの診療所へ来た事は確認出来ています。」
取り調べ室の中央にいる体格の良い男性に報告を入れる。ブカブカの革の帽子を被る華奢な青年。おそらく新人だろう。
「記憶喪失は一旦保留だ!問題は串焼きを走りながら102本も食べ尽くした事だ!普通は食えんだろう!」
走り回る少女が102本の串焼きを平らげた。食べ終えた串を捨てに捨て…悪気の無いその笑顔は例え記憶喪失だとしても許されない。
街を訪れた者は食べ物が無い屋台を見て残念がるだろう。そして仕事帰りの者達は品揃えが悪い屋台で美味い酒が飲めるか?
102本の罪は重い…
しかし、少女を責めても心が痛む。実際、盗み食いされた屋台の店主達の中には美味そうに食べる少女を許そうと言う意見が寄せられているのも事実だ…
しかし、保護者の管理の無さは罪になる!
体格の良い男はドドじいの胸ぐらを掴む。ドドじいはシワシワの目を開き体格の良い男を見つめている。
「お前の管理不足だジジイ!!」
暴力は良くない。例え法に触れたとしても理不尽な暴力は許されない。
胸ぐらを掴む体格の良い男から殺気が漏れる。後ろに待機する者達は、あ~またか…と言った顔をしている。
この体格の良い男は、日常的に行っているのだろう。
自己中心的な裁きを…
………!
『うぎゃ~~~!!』
断末魔とは嫌なものだ。老人を平気で殴る男の心理は知りたくもない。こんな奴が上司だなんて…
薄目で老人が殴られる所を見た新人は目を疑う…
……………何だこれは?
あの隊長が取り調べ室の壁にめり込んでいる。誰がやったんだ?
まさか…あの爺さんか?
胸ぐらを掴まれていたドドじいの右腕が金色に輝いている。他の取り調べ室にいた先輩方は震えている。
「娘の成長期を妨げる親が何処にいるのじゃ!このバカタレが!!」
デカい声が取り調べ室に響きわたる…
この老人は危険だ!
部屋で非常時のベルが鳴り響き数十人の冒険者達が押し寄せた。
しかし、ドドじいは引き下がらない!
娘は儂が守る…
襲いかかる冒険者達をドドじいは右腕一本で吹き飛ばす。金色の右腕が冒険者達を恐怖へと突き落として行くが騒ぎに駆けつける冒険者達の数は減らない。
5人…10人…20人…
ついには部屋を出て広間で戦いが繰り広げられる。
「老いとは嫌なものじゃ…」
倒しに倒したドドじい。広間の壁は剥ぐれ、机や椅子は定位置に置かれて居るものは一つも無い。しかし、ここは冒険者ギルド…ギルド内には冒険者達しかいない。
マナは不安になる…ドドじいが危ない。何時もの優しい顔じゃない!
あの人達が、ドドじいを苦しめているんだ!
妖精さん達が言っていた。人族は争いを好む。そして、善悪は人数で決めるって…
ドドじいを助けないと…
マナは世界樹の時に自分の幹や葉が枯れない様に根を使い綺麗な聖力を大地から吸い上げていた。そして身体中に張り巡らせた聖力を空から受け入れた光力と混ぜ合わせ葉を震わせて大地へ送り届けた。聖力と光力の循環作業。何時からやっているのだろうか?
確か…人族とか妖精さんがまだいなかった頃からだと、思うけど…
「な、なにしておるマナ!危ないから下がるのじゃ」
危ない?危ないのはドドじいだよ。そんなに疲れてるじゃない!
ドドじいの前に立ち、マナは目の前にいる大勢の冒険者達に自分の左腕を突きだす。
目を瞑り突きだした左手を握る。緑色の長い綺麗な髪の毛はまるで意思があるかの様に蠢く。小さな光の結晶がマナの身体の周りを螺旋状に周回する。結晶は数を増やしマナの身体を守る程の輝きを放った。
突き出した左手の人差し指の先に小さな光の玉が現れる。音はなく一定の速度で回転する光の玉…
冒険者達は動かない。強者を抑え込む為に集まった冒険者達を、強者と遮る様に立ち塞がる少女。
動かない…いや動けない!
マナの周りにまとわりつく光の結晶が消えた…
そしてマナは瞳を開けた…
「今すぐ逃げろ!全員死ぬぞ!」
誰だ!わからないが身体が、その言葉に従いたがる。一斉に逃げ出す冒険者達…
仲間を蹴飛ばし、我先にとマナに背中を見せる。
「エターナル…フルムーン…」
何時もの無邪気さや好奇心がある表情では無い。今のマナには表情は無かった。
人差し指から放たれた光の玉は静かに天井へと向かった。
どれほどの人が見ただろうか?空を突き抜ける先が見えない程の円柱は周辺の物全てを飲み込んだ…
そしてマナは…倒れてしまった。
屋台の食べ物を食べ尽くし、街の広場のベンチでお腹を擦りながら笑顔のマナと汗だくのドドじいは、剣と槍を構える集団に捕まり「冒険者ギルド」と言う場所へ連行された。
そして、「取り調べ室」と書かれた名札が貼られた部屋で怖そうな人達に囲まれている。
「お腹が空いたから!」
………お金?
「だからお腹が空いたのよ!」
………お金が無いから盗んだ?
「お金って何よ!お腹よ!お腹が空いたの!」
ようやく息が整いだしたドドじいが、怖そうな人達の取り調べに応じた。
「記憶喪失?証拠は有るのか?」
「……………はあ?」
マナが知っている言葉はエターナルマナだけだったと説明するドドじい。昨日の夜に体調が急変し馴染みの街医者の元へ訪れた…
「ガゼルボさんの診療所へ来た事は確認出来ています。」
取り調べ室の中央にいる体格の良い男性に報告を入れる。ブカブカの革の帽子を被る華奢な青年。おそらく新人だろう。
「記憶喪失は一旦保留だ!問題は串焼きを走りながら102本も食べ尽くした事だ!普通は食えんだろう!」
走り回る少女が102本の串焼きを平らげた。食べ終えた串を捨てに捨て…悪気の無いその笑顔は例え記憶喪失だとしても許されない。
街を訪れた者は食べ物が無い屋台を見て残念がるだろう。そして仕事帰りの者達は品揃えが悪い屋台で美味い酒が飲めるか?
102本の罪は重い…
しかし、少女を責めても心が痛む。実際、盗み食いされた屋台の店主達の中には美味そうに食べる少女を許そうと言う意見が寄せられているのも事実だ…
しかし、保護者の管理の無さは罪になる!
体格の良い男はドドじいの胸ぐらを掴む。ドドじいはシワシワの目を開き体格の良い男を見つめている。
「お前の管理不足だジジイ!!」
暴力は良くない。例え法に触れたとしても理不尽な暴力は許されない。
胸ぐらを掴む体格の良い男から殺気が漏れる。後ろに待機する者達は、あ~またか…と言った顔をしている。
この体格の良い男は、日常的に行っているのだろう。
自己中心的な裁きを…
………!
『うぎゃ~~~!!』
断末魔とは嫌なものだ。老人を平気で殴る男の心理は知りたくもない。こんな奴が上司だなんて…
薄目で老人が殴られる所を見た新人は目を疑う…
……………何だこれは?
あの隊長が取り調べ室の壁にめり込んでいる。誰がやったんだ?
まさか…あの爺さんか?
胸ぐらを掴まれていたドドじいの右腕が金色に輝いている。他の取り調べ室にいた先輩方は震えている。
「娘の成長期を妨げる親が何処にいるのじゃ!このバカタレが!!」
デカい声が取り調べ室に響きわたる…
この老人は危険だ!
部屋で非常時のベルが鳴り響き数十人の冒険者達が押し寄せた。
しかし、ドドじいは引き下がらない!
娘は儂が守る…
襲いかかる冒険者達をドドじいは右腕一本で吹き飛ばす。金色の右腕が冒険者達を恐怖へと突き落として行くが騒ぎに駆けつける冒険者達の数は減らない。
5人…10人…20人…
ついには部屋を出て広間で戦いが繰り広げられる。
「老いとは嫌なものじゃ…」
倒しに倒したドドじい。広間の壁は剥ぐれ、机や椅子は定位置に置かれて居るものは一つも無い。しかし、ここは冒険者ギルド…ギルド内には冒険者達しかいない。
マナは不安になる…ドドじいが危ない。何時もの優しい顔じゃない!
あの人達が、ドドじいを苦しめているんだ!
妖精さん達が言っていた。人族は争いを好む。そして、善悪は人数で決めるって…
ドドじいを助けないと…
マナは世界樹の時に自分の幹や葉が枯れない様に根を使い綺麗な聖力を大地から吸い上げていた。そして身体中に張り巡らせた聖力を空から受け入れた光力と混ぜ合わせ葉を震わせて大地へ送り届けた。聖力と光力の循環作業。何時からやっているのだろうか?
確か…人族とか妖精さんがまだいなかった頃からだと、思うけど…
「な、なにしておるマナ!危ないから下がるのじゃ」
危ない?危ないのはドドじいだよ。そんなに疲れてるじゃない!
ドドじいの前に立ち、マナは目の前にいる大勢の冒険者達に自分の左腕を突きだす。
目を瞑り突きだした左手を握る。緑色の長い綺麗な髪の毛はまるで意思があるかの様に蠢く。小さな光の結晶がマナの身体の周りを螺旋状に周回する。結晶は数を増やしマナの身体を守る程の輝きを放った。
突き出した左手の人差し指の先に小さな光の玉が現れる。音はなく一定の速度で回転する光の玉…
冒険者達は動かない。強者を抑え込む為に集まった冒険者達を、強者と遮る様に立ち塞がる少女。
動かない…いや動けない!
マナの周りにまとわりつく光の結晶が消えた…
そしてマナは瞳を開けた…
「今すぐ逃げろ!全員死ぬぞ!」
誰だ!わからないが身体が、その言葉に従いたがる。一斉に逃げ出す冒険者達…
仲間を蹴飛ばし、我先にとマナに背中を見せる。
「エターナル…フルムーン…」
何時もの無邪気さや好奇心がある表情では無い。今のマナには表情は無かった。
人差し指から放たれた光の玉は静かに天井へと向かった。
どれほどの人が見ただろうか?空を突き抜ける先が見えない程の円柱は周辺の物全てを飲み込んだ…
そしてマナは…倒れてしまった。
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