9 / 30
09 5歳児の弟子
しおりを挟む
「モラフ様~!また…お会いしましょう。」
馬車から手を振るコマ。カミラ夫人が気を失い一時は、どうなるかと思ったが…何とか回復してくれた。
馬車が遠ざかるのを、見守る公爵家の面々。本当に濃い食事会だった。
「どうだモラフ!仲良く出来そうか?」
仲良くなれるのだろうか?お見合い中は良い感じだったが、食事会があれでは希望は薄いかもしれないな…。
「どうですかね?インパクトは残せましたが……」
其れから…1週間程が過ぎた。
特に真新しい事は無いのだが、使用人のココとレミアが
良くドレアと話しているのを見かける。
(よう分からんが、仲良くしとるのじゃ!)
仲良く見えるが、恐らく使用人の2人はドレアに毎日、
秘密をバラされるのではないかと、内心ビクビクしているのだろう。
「若旦那!今日も稽古ですか?」
素振りをするモラフに、槍を持つ中年男性が2人近づいてくる。……駄目な門番達だ。
「もし、良ければ相手しますぜ!」
駄目な門番の1人(…名はゴンタだったかな?)が、槍を振り回しながらアピールしている。
(ふむ…5歳児でも対人戦の感覚は養わなければな…いざって時に動けんからな。)
「お願いするよ!ゴンタさん。」
ゴンタはモラフの反応に嬉しそうに近づいて槍を構える。(う~ん…隙だらけじゃぞ!ダンドール様や警備事情を、疎かにしてはなりませんぞ!)
「若旦那!剣と槍では間合いが違うんだぜ!」
……………!
「母ちゃん!!!」
木陰で寝て居たゴンタが勢いよく、飛び起きる!
「いてて!」と額を押さえながら辺りを見回すと相方のマサエモンが、若旦那と一緒に門で何か話しているが…
ゴンタは自身に何が起こったのか…覚えていない様だ。
「若旦那は、まだ5歳なのに本当に立派だなぁ!あのゴンタが一撃で伸びちまうなんて、オラびっくりした。」
ゴンタ本人は、自分が5歳児に負けたのが信じられない様だ。
ゴンタはベルモンド公爵家の領内にある小さな村の出身だ。都会に出て一旗揚げようと、意気揚々とこの街に来たらしいが…自身が思っていたよりも都会の風は冷たかったそうだ。しかし偶々、街に居たダンドール様が、良い体格をしているなと屋敷の警備に誘ったそうだが、何故、旦那様が1人で街に居たのかは不明だ。
「若旦那!さっきは油断しただけでい。次は…」
…………!
「母ちゃん!!!」
勢いよく飛び起きるゴンタ。背後からの奇襲は見事に見破られ、また伸びてしまった様だ。
「ゴンタさんは…警備に向いてないですよ!」
5歳児の、その言葉はゴンタのプライドを圧し折ってしまうには、十分な威力があった。
俺は、ここが駄目だと…故郷の皆に合わせる顔が無い!
ゴンタはプライドを捨てた。5歳児に必死に土下座をするゴンタ。親と子程の年齢差は有るだろう。
「お師匠様!この駄目なゴンタに剣を……剣術を教えて下され!ゴンタの一生のお願いです!」
土下座から伸ばされた腕の先に……娼館の割引券がヒラヒラと風で揺らめいている。
(ふむ…強くなるのに年齢は関係ないのじゃ!)
「ゴンタ君!割引券の期限は?」
「1年!」
(1年か…結構長いのじゃ…。この身体が何処まで成長するか分からんが…目的は有った方が良いだろう。)
「ゴンタ君!僕は君を弟子にする!」
割引券を受け取り、服の中ヘ忍ばせるモラフ。もしかしたら、モラフは6歳で娼館に単独突入する気かもしれない。
そして…この駄目な門番ゴンタは、これから先に起こる…悲しい戦争の中で…。
ベルモンド公爵家に、この人あり!
「狂い咲きのマッドピエロ・ゴンタ」
と呼ばれるのだが…
今はまだ、誰も知るよしはない。
馬車から手を振るコマ。カミラ夫人が気を失い一時は、どうなるかと思ったが…何とか回復してくれた。
馬車が遠ざかるのを、見守る公爵家の面々。本当に濃い食事会だった。
「どうだモラフ!仲良く出来そうか?」
仲良くなれるのだろうか?お見合い中は良い感じだったが、食事会があれでは希望は薄いかもしれないな…。
「どうですかね?インパクトは残せましたが……」
其れから…1週間程が過ぎた。
特に真新しい事は無いのだが、使用人のココとレミアが
良くドレアと話しているのを見かける。
(よう分からんが、仲良くしとるのじゃ!)
仲良く見えるが、恐らく使用人の2人はドレアに毎日、
秘密をバラされるのではないかと、内心ビクビクしているのだろう。
「若旦那!今日も稽古ですか?」
素振りをするモラフに、槍を持つ中年男性が2人近づいてくる。……駄目な門番達だ。
「もし、良ければ相手しますぜ!」
駄目な門番の1人(…名はゴンタだったかな?)が、槍を振り回しながらアピールしている。
(ふむ…5歳児でも対人戦の感覚は養わなければな…いざって時に動けんからな。)
「お願いするよ!ゴンタさん。」
ゴンタはモラフの反応に嬉しそうに近づいて槍を構える。(う~ん…隙だらけじゃぞ!ダンドール様や警備事情を、疎かにしてはなりませんぞ!)
「若旦那!剣と槍では間合いが違うんだぜ!」
……………!
「母ちゃん!!!」
木陰で寝て居たゴンタが勢いよく、飛び起きる!
「いてて!」と額を押さえながら辺りを見回すと相方のマサエモンが、若旦那と一緒に門で何か話しているが…
ゴンタは自身に何が起こったのか…覚えていない様だ。
「若旦那は、まだ5歳なのに本当に立派だなぁ!あのゴンタが一撃で伸びちまうなんて、オラびっくりした。」
ゴンタ本人は、自分が5歳児に負けたのが信じられない様だ。
ゴンタはベルモンド公爵家の領内にある小さな村の出身だ。都会に出て一旗揚げようと、意気揚々とこの街に来たらしいが…自身が思っていたよりも都会の風は冷たかったそうだ。しかし偶々、街に居たダンドール様が、良い体格をしているなと屋敷の警備に誘ったそうだが、何故、旦那様が1人で街に居たのかは不明だ。
「若旦那!さっきは油断しただけでい。次は…」
…………!
「母ちゃん!!!」
勢いよく飛び起きるゴンタ。背後からの奇襲は見事に見破られ、また伸びてしまった様だ。
「ゴンタさんは…警備に向いてないですよ!」
5歳児の、その言葉はゴンタのプライドを圧し折ってしまうには、十分な威力があった。
俺は、ここが駄目だと…故郷の皆に合わせる顔が無い!
ゴンタはプライドを捨てた。5歳児に必死に土下座をするゴンタ。親と子程の年齢差は有るだろう。
「お師匠様!この駄目なゴンタに剣を……剣術を教えて下され!ゴンタの一生のお願いです!」
土下座から伸ばされた腕の先に……娼館の割引券がヒラヒラと風で揺らめいている。
(ふむ…強くなるのに年齢は関係ないのじゃ!)
「ゴンタ君!割引券の期限は?」
「1年!」
(1年か…結構長いのじゃ…。この身体が何処まで成長するか分からんが…目的は有った方が良いだろう。)
「ゴンタ君!僕は君を弟子にする!」
割引券を受け取り、服の中ヘ忍ばせるモラフ。もしかしたら、モラフは6歳で娼館に単独突入する気かもしれない。
そして…この駄目な門番ゴンタは、これから先に起こる…悲しい戦争の中で…。
ベルモンド公爵家に、この人あり!
「狂い咲きのマッドピエロ・ゴンタ」
と呼ばれるのだが…
今はまだ、誰も知るよしはない。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【読切短編】転生したら辺境伯家の三男でした ~のんびり暮らしたいのに、なぜか領地が発展していく~
Lihito
ファンタジー
過労死したシステムエンジニアは、異世界の辺境伯家に転生した。
三男。継承権は遠い。期待もされない。
——最高じゃないか。
「今度こそ、のんびり生きよう」
兄たちの継承争いに巻き込まれないよう、誰も欲しがらない荒れ地を引き受けた。
静かに暮らすつもりだった。
だが、彼には「構造把握」という能力があった。
物事の問題点が、図解のように見える力。
井戸が枯れた。見て見ぬふりができなかった。
作物が育たない。見て見ぬふりができなかった。
気づけば——領地が勝手に発展していた。
「俺ののんびりライフ、どこ行った……」
これは、静かに暮らしたかった男が、なぜか成り上がっていく物語。
強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します
天宮有
恋愛
私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。
その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。
シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。
その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。
それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。
私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる