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10 剣術大会・少年少女の部
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「必殺!ゴンタ突き!!」
…………!!
「痛い!」
モラフの弟子になった中年のゴンタは、頭を押さえながら涙目になっている。木剣で自分の肩をトントンと軽く叩いているモラフ。
どうやら、屋敷の正門の近くで朝練をしている様だ。
「ゴンタ君!必殺とか技名をイチイチ言わなくて良いから!あと…一撃目に奥の手を使わない!」
ゴンタは、最大奥義が呆気なく破られた事がショックでモラフの助言が頭に入らない。
「初手が封じられる事も計算に入れないと!」
確かに腕っぷしは有りそうだが…如何せん頭が弱い!
指摘した早々に…
「必殺!ゴンタトルネード…マッハ!スラ…痛い!!」
仮に必殺技名を叫ぶとしても、長すぎたら斬られると、頭を痛がるゴンタに指摘するが、どうやら本日のゴンタには伝わりそうにない。
其れから、1ヶ月…。
毎日、5歳児に良いようにやられるゴンタ。
2人の姿を見て相方のマサエモンも、朝練に参加するようになった。
「マサエモン。挟み撃ちだ!」
ゴンタとマサエモンは、左右から挟みこむ様に攻撃するのだが、ゴンタが振り下ろした木剣が、マサエモンの頭頂部を捉えた!
…しゃがみ込むマサエモンが「何するのだ!」と勢いよく飛び起きると、今度はマサエモンの頭頂部がゴンタの顎を捉えた!
「ぐふ!」
白目を剥きながら、倒れてしまったゴンタ。
朝練で、過去最高のダメージだ!しかも与えた相手は、
何時も隣りを任せている…相方のマサエモンだった。
「ゴンタ君!2人だからって油断しない!」
白目ゴンタ君に、お師匠の言葉は届いていれば良いのだが…。
その日の夜…
「最近のモラフは、門番達と良く遊んでいるらしいな。」
「遊び…どうかしら?この前、拝見しましたけど…どこぞの騎士団より、厳しい稽古でしたよ貴方。」
自室でお酒を飲み交わすダンドール夫妻。
「男は剣に憧れるものだ!クレアよ。」
「騎士学園時代に令嬢学園との交流会で、私にホウキで倒された貴方が…良く言えますわね!」
口に含んだワインを吹き出してしまうダンドール。
「あれは…あれはだな!お前が強すぎるのじゃ!私より強いのは…爺やと、お前だけだ!」
口に手を当て、笑いながら昔を懐かしむクレア。
「まぁ、娼館通いする5歳児よりは今の方が親としては、嬉しいですけど!」
夫妻は、幼いモラフの成長が楽しくて仕方がない。
「何で勝手に登録したんだよ!ゴンタ。」
門前で、声を荒げる5歳児。
どうやら、街で開催されるモーガン武具屋15周年記念の剣術大会の少年少女の部にモラフを勝手にエントリーした様だ。
「若旦那の強さを皆に知ってもらえるチャンスじゃねえですか!」
ゴンタは、自慢したいらしい。オラのお師匠様は、こんなにも強いんだぞ…と。
モラフ的には、自分がどうこうなるよりも姉上が幸せになってくれれば、それで良いのだが…。
結局…ゴンタの熱意に負けた形で、剣術大会に出場する事になったモラフ。…幾つか条件は付けたが。
大会当日。
(ほう…結構、本格的な大会なのじゃ!)
広場を貸し切り、屋台が立ち並び、子供から大人まで沢山の人で賑わっている。
しかし…重いのじゃ!
幾つか付けた条件の中の1つが…身分を隠すだ!
ゴンタが屋敷から…たぶん拝借した。少しデザインが古臭いシルバーのプレートアーマー。当然、全身を覆うにはモラフは幼すぎる!兜だけ被るモラフ。ブカブカのフルフェイスは、出場選手達の中でも…浮いている。
(公爵家の者が現れたら…民は萎縮してしまうだろう。せっかくの楽しみが台無しになるわい!)
少年少女の部の武器は木剣だ。各自、持参するのだが無い場合は、モーガン武具店が無料で貸し出すらしいが…
モラフはゴンタに木剣の条件も出した。その条件にゴンタは納得出来なかったが、これを飲まないと出ないとモラフに言われ、渋々準備した。
「何考えてんだ。お師匠は?」
ブカブカの兜が視界を遮る。歩く度に兜が、非ぬ方向を向くがモラフは堂々と選手の列に並ぶ。
少年女子の部は5歳から10歳までの計16人がトーナメント方式で戦う。
「1番です!」
クジを引いたモラフが係員に番号が書かれた紙を渡す。
「さあ!お待たせ致しました。モーガン武具店15周年記念剣術大会…少年少女の部を開催致します!」
見覚えのある男性が選手達の前に現れた。
「さあ!子供達よ。自分の強さを大人達に見せてやるのだ!頑張りたまえ!」
(ダンドール様…)
よく見ると、来賓席にクレアも居る…
げ!姉上。
使用人のココとレミアが日傘を2人に差していた。
モラフの民への気づかいは数分で…終わりを告げた!
「それでは、早速行きましょう!1回戦…第一試合!
魚屋の次男カツオン対熟女大好きボーイ。両選手…前へ!」
(おい!ゴンタ…熟女大好きボーイとは儂か?……何か恨みでも有るのか?)
エントリーした時に、既に名前を師匠は隠したいだろうと読んだゴンタは気を使い偽名で登録していた。
「お師匠様の事は、解るぜ!一番弟子だからな。」
熟女大好きボーイの戦いが…今、始まる!
…………!!
「痛い!」
モラフの弟子になった中年のゴンタは、頭を押さえながら涙目になっている。木剣で自分の肩をトントンと軽く叩いているモラフ。
どうやら、屋敷の正門の近くで朝練をしている様だ。
「ゴンタ君!必殺とか技名をイチイチ言わなくて良いから!あと…一撃目に奥の手を使わない!」
ゴンタは、最大奥義が呆気なく破られた事がショックでモラフの助言が頭に入らない。
「初手が封じられる事も計算に入れないと!」
確かに腕っぷしは有りそうだが…如何せん頭が弱い!
指摘した早々に…
「必殺!ゴンタトルネード…マッハ!スラ…痛い!!」
仮に必殺技名を叫ぶとしても、長すぎたら斬られると、頭を痛がるゴンタに指摘するが、どうやら本日のゴンタには伝わりそうにない。
其れから、1ヶ月…。
毎日、5歳児に良いようにやられるゴンタ。
2人の姿を見て相方のマサエモンも、朝練に参加するようになった。
「マサエモン。挟み撃ちだ!」
ゴンタとマサエモンは、左右から挟みこむ様に攻撃するのだが、ゴンタが振り下ろした木剣が、マサエモンの頭頂部を捉えた!
…しゃがみ込むマサエモンが「何するのだ!」と勢いよく飛び起きると、今度はマサエモンの頭頂部がゴンタの顎を捉えた!
「ぐふ!」
白目を剥きながら、倒れてしまったゴンタ。
朝練で、過去最高のダメージだ!しかも与えた相手は、
何時も隣りを任せている…相方のマサエモンだった。
「ゴンタ君!2人だからって油断しない!」
白目ゴンタ君に、お師匠の言葉は届いていれば良いのだが…。
その日の夜…
「最近のモラフは、門番達と良く遊んでいるらしいな。」
「遊び…どうかしら?この前、拝見しましたけど…どこぞの騎士団より、厳しい稽古でしたよ貴方。」
自室でお酒を飲み交わすダンドール夫妻。
「男は剣に憧れるものだ!クレアよ。」
「騎士学園時代に令嬢学園との交流会で、私にホウキで倒された貴方が…良く言えますわね!」
口に含んだワインを吹き出してしまうダンドール。
「あれは…あれはだな!お前が強すぎるのじゃ!私より強いのは…爺やと、お前だけだ!」
口に手を当て、笑いながら昔を懐かしむクレア。
「まぁ、娼館通いする5歳児よりは今の方が親としては、嬉しいですけど!」
夫妻は、幼いモラフの成長が楽しくて仕方がない。
「何で勝手に登録したんだよ!ゴンタ。」
門前で、声を荒げる5歳児。
どうやら、街で開催されるモーガン武具屋15周年記念の剣術大会の少年少女の部にモラフを勝手にエントリーした様だ。
「若旦那の強さを皆に知ってもらえるチャンスじゃねえですか!」
ゴンタは、自慢したいらしい。オラのお師匠様は、こんなにも強いんだぞ…と。
モラフ的には、自分がどうこうなるよりも姉上が幸せになってくれれば、それで良いのだが…。
結局…ゴンタの熱意に負けた形で、剣術大会に出場する事になったモラフ。…幾つか条件は付けたが。
大会当日。
(ほう…結構、本格的な大会なのじゃ!)
広場を貸し切り、屋台が立ち並び、子供から大人まで沢山の人で賑わっている。
しかし…重いのじゃ!
幾つか付けた条件の中の1つが…身分を隠すだ!
ゴンタが屋敷から…たぶん拝借した。少しデザインが古臭いシルバーのプレートアーマー。当然、全身を覆うにはモラフは幼すぎる!兜だけ被るモラフ。ブカブカのフルフェイスは、出場選手達の中でも…浮いている。
(公爵家の者が現れたら…民は萎縮してしまうだろう。せっかくの楽しみが台無しになるわい!)
少年少女の部の武器は木剣だ。各自、持参するのだが無い場合は、モーガン武具店が無料で貸し出すらしいが…
モラフはゴンタに木剣の条件も出した。その条件にゴンタは納得出来なかったが、これを飲まないと出ないとモラフに言われ、渋々準備した。
「何考えてんだ。お師匠は?」
ブカブカの兜が視界を遮る。歩く度に兜が、非ぬ方向を向くがモラフは堂々と選手の列に並ぶ。
少年女子の部は5歳から10歳までの計16人がトーナメント方式で戦う。
「1番です!」
クジを引いたモラフが係員に番号が書かれた紙を渡す。
「さあ!お待たせ致しました。モーガン武具店15周年記念剣術大会…少年少女の部を開催致します!」
見覚えのある男性が選手達の前に現れた。
「さあ!子供達よ。自分の強さを大人達に見せてやるのだ!頑張りたまえ!」
(ダンドール様…)
よく見ると、来賓席にクレアも居る…
げ!姉上。
使用人のココとレミアが日傘を2人に差していた。
モラフの民への気づかいは数分で…終わりを告げた!
「それでは、早速行きましょう!1回戦…第一試合!
魚屋の次男カツオン対熟女大好きボーイ。両選手…前へ!」
(おい!ゴンタ…熟女大好きボーイとは儂か?……何か恨みでも有るのか?)
エントリーした時に、既に名前を師匠は隠したいだろうと読んだゴンタは気を使い偽名で登録していた。
「お師匠様の事は、解るぜ!一番弟子だからな。」
熟女大好きボーイの戦いが…今、始まる!
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