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26 旅立つ者
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「皆…行ってきます!」
公爵家の家紋が彫られた馬車の窓から手を振るドレア。
寂しいのじゃ…
今年から王都のスマルドル公国高等騎士学園に進学した姉上は父ダンドールと数人の護衛を引き連れて公爵領を後にした。
……全寮制。
卒業生の大半は王都の騎士になる。スマルドル公国きっての名門校だ。父上も若かりし頃は、この騎士学園で仲間達と切磋琢磨し己の剣術を磨いたそうだ。
……まぁ、旦那様の剣術は落第点じゃがな。
次に会えるのは何時になるのやら?
お転婆でも構いません…儂は、お嬢様の側で仕えたいのですじゃ!
正門から、姉ドレアを見送ったモラフ達に馬車が近づいて来た。
姉上!…違う。あれは…
「お久しゅう御座います…モラフ様。」
馬車から降りて、公爵家の面々に綺麗なカーテシーを披露する少女。
侯爵家の次女、コマだ!
相変わらず気品の溢れる立ち姿だ。一年ぶりか?少し背も伸びたようじゃな。
「どうやらダンドール殿とは、入れ違いになってしまいましたな。」
クライン達は途中で、すれ違った馬車を見て、もしや?
と思ったそうだ。旧友と逢えない事を残念がっている。
「しかし、クレア殿…本当に宜しいので?」
カミラ夫人も混ざり大人達は…何か話し込んでいる。何か問題でもあったのだろうか?
分からないな!大人の話しは何時も難しいのだ!
「モラフ様!娼館の、お調子はどうですか?」
そう言いながら、大人達の横でモラフの手を握り澄んだ瞳を向けて来る。その行動に母カミラは、一瞬腰が砕けかけたのだが…自力で立ち直った。彼女も1年で胆力を上げたのだろう。
「娼館かぁ…残念ながら今だ我慢中だよ!」
「何と!モラフ様は我慢の達人なのですね!」
この会話は…大丈夫なのだろうか?
(儂は構わんが…少女の将来が心配じゃ!)
「ユッカ!近くへ。」
少し離れた場所で待機していた専属騎士のユッカを呼び込むクレア夫人。モラフとコマの前に連れて来る。
「来月から二人はカザリア学園に通います。貴女は護衛として…そして生徒として学園に行きなさい!」
「はっ!仰せのままに。」
学校に…行ける!アタシも学校に行けるんだ。貧しいから諦めた学校に…アタシは行ける。クレア様に感謝!
「えい!」
(何、何をしとるんじゃユッカ!潰されるぞ!)
クレア夫人にいきなり抱きついたユッカ。まだ葉が無い森の雑木達より先に柔らかく優しい温もりを身体に纏わせる。
田舎者でも、頑張れば学校に行けるんだ!
クレアの色んな隙間に絡みつくユッカの手脚。ドレスの中にもユッカの枝が入り込む。
「…あっ。…ユッカ!そんな所、触っちゃダメよ!」
……クライン殿。その間抜けな顔はやめなされ!
カミラ夫人は、少女の行動に悩む。私達が、世間知らずなの?あの子は間違い無く……触った。公爵夫人のアレを触った!私も染まらなければ侯爵家が危うくなってしまうのかしら?
……覚悟が必要ね!
「コマお嬢さんは私達が責任を持って預かります!」
預かる?もしかして、コマがこの屋敷に住むのか?
お嬢様が旅立たれ、寂しくなった屋敷だが…これはこれで賑やかになりそうじゃな。
「お師匠!急ぎ報告が!」
ゴンタ!何故…今現れた!お前が来るとややこしくなるのじゃ。
モラフの元へ駆け寄るゴンタだったが、流石にこの面子の中では変な事は言えないと悟り…後退りしてしまうのだが、クレア夫人から、急ぎなら構わないと発言の許可が出た。
モラフの前で片膝を付き頭を下げるゴンタ。急ぎの報告とは…果たして?
「お師匠様!一年前に渡した娼館の割引券の期限が迫っております。急ぎ足を運んで下され!」
ゴンタや…お前は儂を奈落の底へ突き落としたいのじゃろ?この場で言わねばならぬのか?ゴンタ…この馬鹿者が!
「それはいけません!モラフ様。何事にも限界が御座います。我慢しないでください…私も、未熟ながらお供いたします!さぁ我慢を発散しましょうぞ!」
……やっぱり私、覚悟は無理!
「カミラ~~~!!」
中庭で綺麗なドレスに泥を着けて、大の字に倒れるカミラ夫人。
彼女の安否が心配だ…
公爵家の家紋が彫られた馬車の窓から手を振るドレア。
寂しいのじゃ…
今年から王都のスマルドル公国高等騎士学園に進学した姉上は父ダンドールと数人の護衛を引き連れて公爵領を後にした。
……全寮制。
卒業生の大半は王都の騎士になる。スマルドル公国きっての名門校だ。父上も若かりし頃は、この騎士学園で仲間達と切磋琢磨し己の剣術を磨いたそうだ。
……まぁ、旦那様の剣術は落第点じゃがな。
次に会えるのは何時になるのやら?
お転婆でも構いません…儂は、お嬢様の側で仕えたいのですじゃ!
正門から、姉ドレアを見送ったモラフ達に馬車が近づいて来た。
姉上!…違う。あれは…
「お久しゅう御座います…モラフ様。」
馬車から降りて、公爵家の面々に綺麗なカーテシーを披露する少女。
侯爵家の次女、コマだ!
相変わらず気品の溢れる立ち姿だ。一年ぶりか?少し背も伸びたようじゃな。
「どうやらダンドール殿とは、入れ違いになってしまいましたな。」
クライン達は途中で、すれ違った馬車を見て、もしや?
と思ったそうだ。旧友と逢えない事を残念がっている。
「しかし、クレア殿…本当に宜しいので?」
カミラ夫人も混ざり大人達は…何か話し込んでいる。何か問題でもあったのだろうか?
分からないな!大人の話しは何時も難しいのだ!
「モラフ様!娼館の、お調子はどうですか?」
そう言いながら、大人達の横でモラフの手を握り澄んだ瞳を向けて来る。その行動に母カミラは、一瞬腰が砕けかけたのだが…自力で立ち直った。彼女も1年で胆力を上げたのだろう。
「娼館かぁ…残念ながら今だ我慢中だよ!」
「何と!モラフ様は我慢の達人なのですね!」
この会話は…大丈夫なのだろうか?
(儂は構わんが…少女の将来が心配じゃ!)
「ユッカ!近くへ。」
少し離れた場所で待機していた専属騎士のユッカを呼び込むクレア夫人。モラフとコマの前に連れて来る。
「来月から二人はカザリア学園に通います。貴女は護衛として…そして生徒として学園に行きなさい!」
「はっ!仰せのままに。」
学校に…行ける!アタシも学校に行けるんだ。貧しいから諦めた学校に…アタシは行ける。クレア様に感謝!
「えい!」
(何、何をしとるんじゃユッカ!潰されるぞ!)
クレア夫人にいきなり抱きついたユッカ。まだ葉が無い森の雑木達より先に柔らかく優しい温もりを身体に纏わせる。
田舎者でも、頑張れば学校に行けるんだ!
クレアの色んな隙間に絡みつくユッカの手脚。ドレスの中にもユッカの枝が入り込む。
「…あっ。…ユッカ!そんな所、触っちゃダメよ!」
……クライン殿。その間抜けな顔はやめなされ!
カミラ夫人は、少女の行動に悩む。私達が、世間知らずなの?あの子は間違い無く……触った。公爵夫人のアレを触った!私も染まらなければ侯爵家が危うくなってしまうのかしら?
……覚悟が必要ね!
「コマお嬢さんは私達が責任を持って預かります!」
預かる?もしかして、コマがこの屋敷に住むのか?
お嬢様が旅立たれ、寂しくなった屋敷だが…これはこれで賑やかになりそうじゃな。
「お師匠!急ぎ報告が!」
ゴンタ!何故…今現れた!お前が来るとややこしくなるのじゃ。
モラフの元へ駆け寄るゴンタだったが、流石にこの面子の中では変な事は言えないと悟り…後退りしてしまうのだが、クレア夫人から、急ぎなら構わないと発言の許可が出た。
モラフの前で片膝を付き頭を下げるゴンタ。急ぎの報告とは…果たして?
「お師匠様!一年前に渡した娼館の割引券の期限が迫っております。急ぎ足を運んで下され!」
ゴンタや…お前は儂を奈落の底へ突き落としたいのじゃろ?この場で言わねばならぬのか?ゴンタ…この馬鹿者が!
「それはいけません!モラフ様。何事にも限界が御座います。我慢しないでください…私も、未熟ながらお供いたします!さぁ我慢を発散しましょうぞ!」
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